先輩からのメッセージ
2022年度 入局員からひとこと
当科スタッフからのメッセージ
傳田 竜之介
内科専攻医として3年間様々な内科をローテーションし, 診断から治療, また重症例を含めた急性期管理から外来での慢性期管理まで自分たちで行っているところ, 全身疾患のため, 内科の総合的な知識が必要なところに魅力を感じました。指導熱心で優しい先生方が多く, 温かい医局の雰囲気で入局を決めました。膠原病に関してほぼ真っさらな状況で突入しましたが, 手厚いサポートをいただきながら, 日々学びを得ています。大学病院ならではの再発難治例から一般的な膠原病診療まで様々な症例を経験できており, 充実した毎日を過ごしています。
三守 恵里加
当科に入局を決めた最大の理由は、医局のあたたかい雰囲気です。私の初期研修は当科のローテーションでスタートいたしました。右も左も分からない私に一から丁寧に教えてくださり、「こんな医師になりたい」と目標となるたくさんの教育熱心な先生方にお会いすることができ、楽しみながら研修させていただくことができました。
入局後は、膠原病の奥深さに驚かされ、学びのある日々を送らせていただいております。原因不明の疾患とともに生きる患者様を長期に渡りサポートでき、ともに学ばせていただくことができることが魅力のひとつなのではないかと考えております。
多くの方に、ぜひ当科の魅力を知っていただけましたら幸いです。
楊 天芸
膠原病・リウマチ内科にようこそ!
後輩の皆さん、こんにちは。このメッセージをご覧いただきありがとうございます。私は在学中より膠原病・リウマチ内科、小児科を志望していました。
①膠原病・リウマチ内科医には一般内科の豊富な知識が必要不可欠であること、②幅広い年齢層の患者を診療対象としていること、③東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科は小児膠原病領域と密に連携を図っていることから当科への入局を決意しました。現在は専攻医として横浜市立みなと赤十字病院で研修を行っています。
全身性エリテマトーデスや関節リウマチ、皮膚筋炎、血管炎症候群などの典型的な当科疾患及びその併存疾患や合併症はもちろん、市中病院ならではのcommon diseaseも主治医として万遍なく経験することができるので、日々着実に診療スキルが向上しているように感じられるため非常に満足度が高いです。
医局全体の雰囲気としては、皆で若手をサポートして後進の育成に尽力するといった風土があり、理想的な研修環境が用意されていると言えるでしょう。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
小池 竜司
臨床試験管理センター センター長
医師の原点;多様な考え方や広い視野を持つ若い仲間をお待ちしています
現代の医療は著しく専門分化していますが、その中で総合医や家庭医として患者さんを全人的に理解することに興味を持つ人が増えていると認識しています。そこには、患者さんの問題や悩みに対して、あらかじめ対象を限定することなく向き合いたいという若い皆さんの真摯さと優しさが感じられ、私自身は好ましい流れだと思っています。そして、このような考え方は、きっかけや最終的な進路によらず、医師という生き方の原点に存在するものだと思います。
我々はリウマチ専門医としてそのサブスペシャリティーを主張する立場ですが、いっぽうでその領域の曖昧さや多様性について常に再認識させられています。四肢や骨関節の症状を呈することが多い疾患と定義されるリウマチ性疾患ですが、その診療には整形外科領域の知識に始まり全身のあらゆる疾患領域について一定の知識が必要であるとともに、各領域の専門家と連携と対話が不可欠です。膠原病・リウマチ内科の診療には、新しい知識や未知の領域に対する柔軟性と患者さんの問題を常に俯瞰して考える広い視野が必要であることを痛感しており、総合医と通じるものとも考えています。
理解と治療法開発のためには、従来の常識にとらわれず医学生物学を逸脱した領域の知識や解析が必要になってくると思われます。これからのリウマチ学研究は免疫学に限定したものではなく、多様な基礎科学を駆使とした理論構築と解析へ拡大していくものと考えています。
こうした背景から膠原病・リウマチ内科の診療では、多様性を認識した専門性と広い視野を持って柔軟に物事を考えることを目指しており、これから新たな発展が期待できる領域と考えています。膠原病・リウマチ内科での専門研修は、サブスペシャリティーとしてのリウマチ専門医としてだけではなく、総合医になるためのプロセスとしても、新たな医学研究の課題探索としても有用な経験となると確信しています。そして我々スタッフにとっても、多様な背景の若い皆さんと過ごすことが大きな刺激となることを確信し期待しています。皆さんの参加をお待ちしています。
岩井 秀之
膠原病・リウマチ内科 特任講師
入局を考えている先生方へ
リウマチ専門医を目指す先生、総合内科医として働く前に膠原病研修を考えている先生、免疫に興味があり膠原病を深く学んでみたい先生。入局時の希望は様々だと思います。当膠原病・リウマチ内科ではそれぞれのニーズを満たす最適な研修を行うことができます。
当科は臨床面では、最適、最新な治療の導入、適切な治療エビデンスの構築、ガイドラインの作成で中心的な役割を担っています。当院皮膚科、整形外科等の他科、他大学膠原病内科との連携、合同カンファレンス、多病院施設との連携、近隣関連病院での研修等様々なサポートシステムも整っています。その中で膠原病診療の基本である関節や皮疹をはじめとした所見のとり方等の基礎、系統だった考察、マンツーマンでの外来診療指導も行われます。また、臨床で湧いてきた疑問点を解明するべく、関節炎、筋炎等の基礎研究も盛んです。さらに、それらを臨床に還元すべくトランスレーショナルリサーチも行っております。日本学術振興会特別研究員、大学院、海外留学への進路選択も可能です。 見学、応募待っています。皆さんと一緒に診療、研究を行っていくことを楽しみにしています。
高村 聡人
武蔵野赤十字病院 部長
膠原病の診療はとっても刺激的です!
そもそも、私が内科研修医として膠原病・リウマチ内科を回ったときの印象は「膠原病とは、何と意味の解らない疾患だろう」というものであり、将来の専攻分野としては、研修中比較的楽しかった消化器内科や内分泌内科などを考えておりました。しかし、2年間の研修期間も終わりに近づき、専攻分野として私が選んだのは膠原病・リウマチ内科でした。当科の先輩達すら驚いた決断でしたが、最も大きな理由は「解らないということは、飽きないということだ」 と考えたからです。
膠原病・リウマチ内科の患者様を診ていると、日々予想もしなかった事が起こります。例えば1ヶ月以上に渡って落ち着いていた患者様がある日突然に日和見感染を合併したり、また原疾患の再燃で急変したりと、常に患者様から目が 離せません。更に、全身の臓器障害に対応するための様々な知識・診療技術を総動員しなければなりません。これは非常に大変なことで、初期研修医の皆さんからは「膠原病は難しくてついていけない」とよく言われます。でも、考え てみてください。ほとんどの皆さんの医師人生は、まだ30年以上あります。4~5年の研修だけで一通りが理解できてしまう、そんな専門分野では、飽きてしまいませんか?
膠原病の分野は診断学も治療学も日々進歩しており、新たな疾患概念も次々に登場しています。おかげさまで、私は膠原病内科医になって20年程が経過しましたが未だに解らないことだらけで、まだまだ飽きることはなさそうです。 君がもし私と同じように「飽き易い」性格でしたら、「飽きない」という理由で専門分野を決めることも決して悪いとは思いません。是非、我々と一緒に学びましょう!
齋藤 鉄也
膠原病・リウマチ内科 助教
真のPhysician-Scientistを目指してひた走る!
~膠原病・リウマチ内科医である前に
臨床研修のときはどの内科も(内科のみでなく他の科も)興味深く、また奥深く感じました。循環器内科でのablation、呼吸器内科での間質性肺炎のHR-CT、腎生検、etc。どの頂きもどこまでも高く、そのためそれら全てを修めるのは何十年かかっても到底無理に思えました。しかし、その試みを一生続けていきたいとも思いました。しかも、確固たる専門性を有しつつ・・・。これが実現可能なのが当科でした。 例えば、多臓器に病変があるSLEや血管炎の患者さん。それぞれの臓器病変の重症度を的確に評価し、また、適切なコンサルテーションができなければ、根本治療である免疫抑制療法の程度を決めることができませんし、最適な支持療法もできません。「膠原病・リウマチ内科医である前にまず内科医たれ」、これは当科の回診で常に厳しく問われる姿勢であり、こういった環境で内科を学びつつ、臨床免疫のエキスパートを目指してみませんか?
~とことん考え、議論する
私の臨床医としての経歴はやや変わっています。Scientistとしてのトレーニングを7年積んでから臨床を学びました。Scientistとしての素養をもって医学を学んだら何かいいことがあったか?右も左もわからずに駆け回っていた研修医の頃に何の役にも立たなかったのだけは確かですが、1つよかったと思うのは、論理的にとことん考え、調べ、議論する習慣がついていたことでしょうか。臨床の現場をかえるような研究を目指したいという皆さんはもちろんですが、そこまでは・・・という皆さんもぜひ毎日熱い議論に明け暮れる大学院での研究生活にどっぷりと浸ってみませんか?
高田 和生
統合国際機構 教授
情熱をもって君を教育します!
まだ医師卒後研修も義務化されてなかった1996年、私は既に卒後臨床教育が確立されていた米国で学び、将来の日本の臨床医・教育者としてのロールモデルになりたいという志をもち、渡米しました。そして期待通り、私はいろんな仲間から多くのことを学びました。
一緒にペアを組んだ当直の夜、止むことのない入院に追われるなか、まだ拙いインターンだった私を相手に1例1例丁寧に教え討議してくれたシニアレジデント・・・。
基礎研究では世界的権威で多忙な中、レジデントやインターンのどんなささいな質問にも足を止めて耳を傾け、臨床問題について一緒になって徹底的に議論してくれるAttending・・・。
国での6年間の臨床研修を通して学んだこと・得たものは、広く深い知識・技術はもちろんですが、私にとって最も貴重なものは、教えること・学ぶことに対する情熱でした。私は米国で臨床研修を受けたことを誇りに思っています。
日本でも2004年より初期研修がスタートし、専門医を育てるための後期研修の本質が、今問われ始めています。将来その専門分野で活躍する医師を育成し、そこで研修を受けたことを誇りに思えるようなプログラムとはどんなプログラムでしょうか?プログラムの内容ももちろんですが、やはり最も大切なことは、教えること・学ぶことに対する情熱ではないでしょうか。
Nothing great was ever achieved without enthusiasm.
(Ralph Waldo Emerson)
我々は、膠原病・リウマチ内科専門医育成におけるグローバルスタンダードに適ったプログラムを作り、研究・臨床・教育のどの分野に進んでもロールモデルとなれるような人材の育成を目指しています。そして我々は、後期研修医の皆と共に、情熱を持って教え学んでいます。君が当科での後期研修を修了するとき、きっとここで研修を受けたことを誇りに思ってくれるでしょう!
長谷川 久紀
膠原病・リウマチ内科 講師(医局長
膠原病・リウマチ学界のthe best there was, the best there is, the best there ever will be
膠原病・リウマチ内科学には「診断学的」な魅力と「治療学的」な魅力があります。
「診断学的」な魅力とは、患者さんの1つの臓器のみに注視するのではなく全身をくまなく診察し、そこから1つずつproblemを抽出して、鑑別診断を列挙・考察し、 確定診断に迫っていくプロセスです。それは、散りばめられた物的証拠や状況証拠の 情報をくまなく収集して、真犯人へと迫る推理小説を読んでいる時の興奮と似ています。実際、1つ1つ独立しているように思えるproblemを抱えていた患者さんの病態を1つの疾患で一元論的に説明できた時や、各科のspecialistの先生達でさえ診断に苦慮した症例を診断できた時は、ちょっとした優越感に浸ることができます。
「治療学的」な魅力とは、昨今の免疫学・分子生物学の発展により、様々な免疫抑制剤、生物学的製剤を治療オプションとして得たことです。患者さんは、個々に抱えている背景(医学的、経済的)が異なるので、同一疾患においてもルーチンな治療ではなく、患者個々に異なる治療戦略の構築が可能です。また、他の医師が治療に難渋した患者さんを治療できた際も、優越感と安堵感を味わうことができます。
以上のように、膠原病・リウマチ内科学は学問として非常に魅力的ですが、医局の臨床、研究、教育体制が整っていなければ、知的好奇心の満足度も半減してしまいます。その点、東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科は、初代教授の宮坂信之名誉教授時代、膠原病・リウマチ学の臨床、研究、教育において、この業界のthe best there wasな存在でした。現在は業界のthe best there isとなるべく、医局員一同、臨床、研究、教育に日々精進・切磋琢磨しています。
膠原病・リウマチ内科に興味がある皆さん、当科で、将来、この業界のthe best there ever will beを目指しませんか?