診療のご案内潰瘍性大腸炎・クローン病先端医療センター(IBDセンター)

生活面について

医療費助成制度について

潰瘍性大腸炎・クローン病には、「難病の患者に対する医療費等に関する法律」に基づく指定難病として、長期の療養による医療費の経済的負担を支援する医療費助成制度があります。詳しくはこちらをご覧ください。

具体的な手続き方法については各自治体の案内をご確認ください。

「臨床調査個人票」の記入は外来受付担当者を通して担当主治医にご依頼下さい。

妊娠・出産のこと

患者さんが、安心して、妊娠・出産を迎えていただくために。

潰瘍性大腸炎・クローン病ともに、一般的に妊娠・出産は病気の活動性が落ち着いて、寛解しているときにするのが良いとされています。

寛解期であれば、病気であるというだけで不妊率があがることはありません。
活動期に妊娠した場合は、通常の妊娠に比べ、不妊や流産・早産、低出生体重児の確率が若干高まるとの報告があるため、計画的な妊娠が望ましいとされています。

現在潰瘍性大腸炎・クローン病に使われている多くの薬は安全性が高く、妊娠中でも安心して継続できるとされています。妊娠中の再燃を防ぐためにも、ご自身の判断で治療を中止しないことが重要です。

妊娠を希望されるときや治療に不安があるときは、いつでも外来主治医にご相談ください。

授乳について

お母さんが使用する治療薬の大半は、程度の差はあれ母乳中に移行するとされています。授乳中に薬を使用すると赤ちゃんに影響があるのではないかと心配される方も多いと思いますが、一般的には、乳児に大きな影響を及ぼすことはないと考えられています。ただし、お母さんが使用している薬に対して、赤ちゃんがアレルギーを示すことがありますので、気になることがあれば、遠慮なく主治医に相談するようにしましょう。

炎症性腸疾患の患者さんの妊娠については、こちらもご参照ください。

就労のこと

患者さんが治療を続けながら生き生きと働きつづけるために。

定期的な通院治療を要することや、活動期にはトイレに対する配慮等が必要になることはありますが、多くの方は問題なく就労が可能です。
常勤フルタイムで働いている方は決して少なくなく、寛解していて症状が落ち着いていれば、これまで通り、制限なく働くことができます。
病気について、無理に職場に伝える必要はありませんが、治療強化のために一時的に頻繁な通院が必要になったり、時には入院や手術が必要になることもあります。そうなったときのために、そうならない環境を整えるために、病気については折をみて、職場に伝えておくことが望ましいでしょう。

「治療と仕事の両立支援」について

2020年度、政府の働き方改革の取り組みの一環として進められてきた「治療と仕事の両立支援」の対象疾患に、潰瘍性大腸炎、クローン病を含む指定難病が追加されました。
当センターでは支援体制を構築し、IBD専任看護師(両立支援コーディネーター)を中心に積極的に取り組んでいます。

病気に今の仕事は向いていないかも、辞めようかな。
病気で休職中だけど、仕事に復帰できるかな。
本当は無理せず働きたいのに、仕事が忙しくて、病気が悪くなったらどうしよう。

一人で抱え込まずに、是非お気軽にご相談ください。

また、これから就職をお考えの皆様からのご相談も承っております。
より専門的なサポートが必要な場合には、適切な就労支援機関をご紹介させていただきます。

炎症性腸疾患の患者さんの就労については、こちらもご参照ください。

喫煙のこと

クローン病では喫煙が病気の悪化や再燃に関係していることが知られています。
現在喫煙の習慣をお持ちの方はできるだけ禁煙に努めましょう。禁煙が難しいようであれば禁煙外来も受診することができますので、一度主治医と相談してみるといいでしょう。

風邪をひいたときのこと

多くの風邪はウイルスによるもので、対症的に咳を落ち着かせたり、鼻の分泌を抑えたりする薬剤はあまり腸には影響はないと考えられますので使用して問題ありません。市販の風邪薬は病院で処方される薬剤より成分は弱いことが多いのですが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は腸炎を悪化させる場合もあります。薬剤師にご相談ください。

海外滞在のこと(留学や出張など)

留学や長期海外出張などを希望される方は少なくないと思います。
海外で生活することは可能です。
まずは、長期滞在が決定する前に、現地の診療事情を確認するようにしましょう。

・日本と同じような高い水準の医療が受けられるのか
・現在行っている治療は通院先でも可能なのか(現地の病院と相談)
・医療費助成を利用できるのか、他医療保険について

情報収集の手段、病院の選定については、各国、地域の炎症性腸疾患協会(日本でいう日本炎症性腸疾患協会:CCFJ)に相談してみると良いでしょう。
留学や出張先で長期治療継続することは、事前の準備が大切になりますが、現地でも治療を受けているIBD患者はいらっしゃいます。
IBDだから、と最初から諦める必要はありません。まずは主治医に相談してみましょう。

病気が落ち着いていないときや、飛行機内に薬を持ち込む際は、診断書の提出が必要な場合があります。利用する航空会社に確認した上で、医師に診断書についてご相談ください。

ストレス、疲労について

仕事や日常での運動を含め、病気を理由に日常生活を制限する必要はありませんが、翌日にまで疲れを持ち越さないように、休めるときはしっかり休むようにしましょう。
睡眠時間を削ってまで頑張るのは禁物です。
過労や過度のストレスによって悪化する場合がありますので、趣味をみつけて楽しむなど、自分なりの対処法を身につけ、できるだけストレスのない生活を送るように心がけましょう。

さいごに・・・治療のこと

ずっと、この治療を続けていく必要があるの?
薬を飲み続けなければいけないの?
長期に使用し続けても安全な薬なの?

現在の治療について、これから始める治療について、その都度、不安を感じることがあるかもしれません。気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
皆様それぞれの生活スタイルに合った治療法を、当センターで一緒に考えていきましょう。

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