診療のご案内肝炎・肝がん

お知らせ

ごあいさつ

 私たち消化器内科肝臓グループは、肝炎・肝硬変・肝がんを中心にあらゆる肝疾患の診療を担当しており、充実した設備を備え、常に最新の技術と研究成果に基づく最先端の診療を行っております。

おひとりおひとりに最善の診療を
 例えばウイルス肝炎では、私たちは独自の研究成果を応用し25年以上前から患者さんのゲノムやウイルスの遺伝子情報に基づく診療を実践し、現在ではほぼ100%の患者さんでウイルス排除や制御が達成可能となるなど、大きな成果を挙げて参りました。最近になってパンデミックにおけるウイルスの耐性遺伝子変異などの問題が世界中で大きくクローズアップされていますが、私たちは四半世紀以上も前からウイルス肝炎の分野でこれら遺伝情報に基づく診療を展開し、時代を大きく先取りし今日に至っております。

 肝がん診療においては、CT、MRI、造影超音波等を駆使して早期診断に努め、この様な早期肝がんに対しては最先端の画像支援システムを用いたラジオ波焼灼術により低侵襲かつ安全・確実に治療する一方、進行した肝がんに対してはそれぞれの患者さんに応じて多くの分子標的薬や免疫治療薬から適切な治療薬を選択するなど、あらゆるステージの肝がんにおいておひとりおひとりに最善の診療を提供しております。また、必要に応じてゲノム診断に基づいて治療法を選択する精密医療、いわゆるがんゲノム医療をがんゲノム診療科と密接に連携して行えるよう、体制を整備しております。

リスクに応じた多面的な医療の提供
 肝がんは肝硬変など何らかの肝疾患を背景に発生してくることがほとんどであることなどから、私たちは背景となる肝疾患の診療も極めて重要と考えております。例えば、肝硬変の治療は近年目覚ましく進歩していますが、私たちはこれらについて豊富な知識と経験を有しており、多面的な治療により肝臓と身体全体を常に最善の状態に保つ努力をしています。また、慢性肝疾患は肝がん発生のリスクが通常より高いことから、患者さん各々のリスクの強さに応じて、肝がんを早期発見するスクリーニングプログラムを実施するとともに、発がんリスクをできる限り低下させるための生活指導と治療介入を積極的に行い、肝がんの予防に努めています。

疾病構造の変化にも対応した、最新の技術と研究成果に基づく最先端の診療
  時代の流れとともに肝疾患における疾病構造は近年大きく変化しています。先に述べましたようにウイルス肝炎の制御がほぼ可能となった一方、生活習慣病や代謝要因に起因する脂肪肝炎などの脂肪性肝疾患が急増し、わが国における患者数は2000万人に達するとも言われています。現在は脂肪性肝炎から肝硬変や発がんに進行する症例が急速に増えてきていることが大きな問題となっています。私たちはこの急速な疾病構造の変化に対して最新鋭の超音波エラストグラフィや全国の大学病院でもまだあまり普及していない特殊なMRI診断装置を導入し診療に活用するなど迅速かつ柔軟に対応しております。これらの診断装置を駆使して膨大な数にのぼる脂肪性肝疾患の患者さんの中から肝硬変や発がんしやすい人を診断し、患者さんそれぞれのリスク応じた適切な医療を提供しています。また、当院は充実した診断装置を備えているため、いまだ治療薬の乏しい本分野では臨床試験(治験)の実施依頼も多く、このような画期的な新薬の臨床試験(治験)を積極的に受け入れることで、新薬の開発、医療の発展に貢献しております。

個別化先制医療への展開を目指して
 消化器内科の外来には、2015年より肝疾患診療に特化した肝臓専門医による「肝炎・肝がん撲滅外来」が設置されております。今後も、最先端の技術や最新医療機器を駆使したトップレベルの肝疾患診療を全力で提供し、さらには個々の患者さんのリスクに対して、それを軽減する治療介入、すなわち個別化先制医療への展開を目指して参ります。患者の皆さまにおかれましては東京医科歯科大学消化器内科を安心して受診して頂けますと幸いです。

東京医科歯科大学 消化器内科
肝臓病態制御学講座教授
朝比奈 靖浩

入局を考えている方へ

 私たち消化器内科肝臓グループでは、ベッドサイドとベンチトップが一体となって、日々の診療と研究を行っています。私たちの独創的研究は国際的な研究論文として毎年多数発表されており、いずれも国内外から高く評価され、海外施設との共同研究や厚生労働省あるいは日本医療研究開発機構(AMED)研究班の代表および分担研究者として全国の主要大学・病院・研究所との共同研究が多数推進されています。
 大学病院の診療グループとして重要な使命として私たちが大切にしていることは、最先端の診療を実践することはもとより、それに基づいた研究を推進することであり、さらに研究によって導かれる最先端の診療を切り拓くことです。そして私たち肝臓グループではそれを達成するための卒後教育、すなわち臨床研修と大学院教育の双方を重視し積極的に取り組んでいます。特に、臨床家の視点に基づいた臨床研究者にしかできない疾患の病態解明と新規治療法の開発、および新しいクリニカルエビデンスの創出に向けた研究と診療活動を重視しています。これらは私たちならではの独自性を示すものであり、世界トップレベルの肝疾患診療と最先端の研究に従事したい、あるいは興味ある先生は、是非東京医科歯科大学消化器内科への入局・大学院への進学をお勧めします。

肝炎肝がん撲滅外来のご案内

肝炎・肝がん診療の専門外来として2015年に「肝炎肝がん撲滅外来」を設置しました。これまでに多数の患者様をご紹介いただき、ウイルス性肝炎や脂肪性肝疾患、その他様々な原因による慢性肝疾患や急性肝炎、肝腫瘍等に対して専門的な治療、検査を行っています。慢性肝疾患の診療においては血液マーカーや超音波・MRIによる肝硬度測定など最新の検査を用いて現状の肝線維化や癌のリスクを評価することも大切ですので、近年は検査を目的としたご紹介も増加しています。

 

対象疾患

肝炎、肝硬変、肝がん
※アルコール性肝疾患およびアルコール依存症の診療は行っておりません。

外来予定表

午前 金子 俊
井津井 康浩
  中川 美奈
三好 正人
北畑 富貴子 新田 沙由梨
午後 朝比奈 靖浩 柿沼 晴 金子 俊
中川 美奈
朝比奈 靖浩 村川 美也子

2022年5月現在

受診の方法

  • 初めて受診される方は、必ず他の医療機関からの診療情報提供書(紹介状)が必要となります。
    受診の際にはかかりつけ医とご相談の上、事前に地域連携室から予約取得をお願いします。
  • 再診予約の変更は、予約センターまでお問い合わせください。
初診予約電話 03-5803-4655 予約受付時間  :12:00-16:00
再診予約変更電話 03-5803-0489 予約変更受付時間:14:00-17:00

詳しくは、以下のページをご参照ください

東京医科歯科大学医学部附属病院外来案内
医療連携支援センター 地域連携室

前のページへ戻る