特定行為実践教育部門 部門長/
呼吸器外科学分野 准教授
石橋 洋則
2025年問題、第二次世界大戦後のベビーブームいわゆる団塊の世代と言われ日本を支えてこられた世代が75歳を超え、一人暮らしの超高齢者率が増えると言われています。
これからの医療は集中的な入院医療と生活を支える在宅医療・介護が必要で、患者さんに24時間常に最後まで寄り添う看護師にはチーム医療のキーパーソンとしての役割が期待されています。
特定行為とは、看護師が医師の判断を待たずに、手順書により行える一定の診療特定行為で、実践的な理解力・思考力・判断力と高度で専門的な知識・技能が必要とされる21区分38行為です。
患者さんの状態変化が激しく、迅速な判断と介入が求められる医療現場において、専門的な知識・判断力を有し、ひとつでも多くの技術や手段を持つ看護師が存在することは、チーム医療における強みであり医療の質向上につながります。またCovid-19という感染症拡大により今までとは全く異なる価値観、その多様性が医療現場にも求められ、個人のプロフェッショナリズムを向上させつつ、医師・歯科医師・看護師・薬剤師や患者さんにかかわるすべてのスタッフでのチーム医療が大切です。
東京医科歯科大学病院は高度急性期医療を担う特定機能病院で、2020年2月に「看護師特定行為研修」指定研修機関の認定をうけ、2022年4月より看護師特定行為研修が総合教育研修センター特定行為実践教育部門として位置づけられました。本院では「外科術後管理領域」「術中麻酔管理領域」の研修が可能で、看護師として医療の質向上をめざし、知識や技術の習得にとどまらず、医学的視点に加え看護学的視点を融合した全人的な看護、適時適切な医療の提供のためにチーム医療を推進できる人材を育成することを目的としています。東京医科歯科大学病院には長年育んできたチーム力があり、臨床研修病院としては高く評価されています。当院研修の特徴は多くの診療科医師(共通科目は総合診療科中心の内科、区分科目は各区分の外科系診療科・救急科・集中治療科など)協力のもと研修が行えます。
日本歴史上、近代教育発祥の地である文京区湯島昌平坂にある東京医科歯科大学病院で充実した特定行為研修を是非とも受けていただき、人生の大きな糧にしてください。