理念・特徴・研修管理委員長挨拶

歯科医師臨床研修プログラムの理念等のご紹介

理念

卒前教育で学んだ基本的な診療能力(態度、技能及び知識)を習熟し、それらを総合化して、さらに高度な診療能力を身につけるとともに生涯研修の必要性を理解し、真に国民の期待に応え、全人的歯科医療を提供しうる資質の高い医療人を養成する。

研修プログラムの特徴

歯科診療に必要な基本的な診療能力を身に付けることができる診療参加型の研修を基本とした、それぞれの研修歯科医が望むキャリアパスにあった異なる特徴を持つ3つのプログラムを設定した。

プログラム1では、本院での総合診療研修と協力型(I)臨床研修施設での研修により、日常診療で頻繁に遭遇する症例や地域医療、コデンタル・スタッフとの協働、チーム医療等、さまざまな歯科医療形態を知る機会を得ることができる。また、全身管理・スペシャルニーズ研修のうち1つ以上を選択し、本学もしくは協力型(I)臨床研修施設にて研修できる。

プログラム2では自ら患者を担当し、指導歯科医のアドバイスのもとに1年間の総合診療研修を行い、初診の患者では検査、診断、治療計画、治療、経過管理を行い、引き継ぎの患者では、1年以上の長い症例の経過を追うことができる。また、協力型(II)臨床研修施設にて訪問歯科診療研修を研修できる。

プログラム3のローテーション研修(保存科系・補綴科系・口腔外科系)ではそれぞれの診療科系における典型的な症例の診療補助、指導歯科医のアドバイスのもとに診療を実践できる。

研修管理委員長挨拶

研修管理委員長/歯科教育研修部門長 

西山 暁

本年4月で歯科医師臨床研修制度の必修化から丸16年が経過し、17年目にはいりました。 歯科医師法第16条の2により、診療に従事しようとする歯科医師には、一年以上の臨床研修が義務づけられています。厚生労働省では、本制度をより充実したものとするために、5年ごとに見直しを行い、新たな研修方式の追加や具体的な経験症例数の明示を求めるなどの改善を図っています。

東京医科歯科大学病院は、昭和62年に歯科医師臨床研修制度が厚生省(当時)の委託事業として発足して以来、わが国有数の臨床研修施設であり、全国の歯科大学・歯学部の卒業生を多数受け入れ、その累積修了者数は2,000名を超えています。

平成12年度からは、学外の歯科診療所、病院歯科へ4ヶ月間出向する複合型臨床研修(当時)(現施研修設群方式)を、国立大学歯学系病院としては全国に先駆けて導入しました。それから必修化までの6年間に培ったこの研修実績が、18年度からの研修プログラム立案に大きく役立ったことは言うまでもありません。

幸い、本院はこれまでの臨床研修プログラムの確固たる実績を基盤として、優秀で熱意のある指導スタッフを有し、また本院の教育研修病院としての社会的役割に理解を示し、協力を惜しまない多数の患者さんにも恵まれています。さらに本院の研修プログラムに参加している協力型研修施設群(現在43施設)には、地域歯科医療の第一線でご活躍の経験豊富で、教育熱心な指導歯科医が多数いらっしゃいます。

このように本院には、歯科医師が最初の1年間研鑽を積む研修施設として、最良の環境があると言えるでしょう。

研修歯科医諸君が本院における臨床研修の目指すところを理解し、日々真摯な態度で臨むものであれば、十分にその目標を達成できるものと確信しています。