研修基本理念
患者の痛みを理解できる国際水準の医療人の養成
研修目標
高度医療人に求められる幅広い臨床能力の基礎を固める
研修目的
将来日本の医療をリードし、社会に貢献する医師となるために、本プログラムは「社会の医療を構成する一次、二次、三次医療に求められる基本的臨床能力を身につける」ことを目標とする。
教育手法に精通した熱意のある指導医、豊富な症例、整備された研修環境の下で、医師としての人格を涵養し、医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ、日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切かつ全人的に対応できる幅広い基本的な臨床能力(態度・技能・知識)を修得させる。同時に、本学の教育目標である 「アカデミックドクターの養成」を目指す。
臨床研修の特色
将来を見据えた臨床研修の場
将来、どのような医師として社会に貢献していくか。
その姿を思い描きながら、数ある選択肢の中で、自分に最適な研修先を模索している方も多いのではないでしょうか。
臨床研修は、医師としての第一歩を踏み出す重要な機会であり、その経験の質が今後のキャリア形成に大きく影響します。
本学では、初期臨床研修において重視すべき要素として、以下の三点を掲げています。
1. 医師としての人格および基本的診療能力の涵養
臨床研修制度の基本理念では、「医師としての人格の涵養と基本的な診療能力の修得」が重視されています。
本学の研修プログラムでは、大学病院および市中病院で1年ずつ研修を行う「たすきがけ方式」を長年採用しており、三次医療機関における高度な専門診療と、一次・二次医療における日常診療の双方を、バランスよく経験することが可能です。
2. 「丁寧に、深く診る」診療姿勢の修得
診療に対する基本的な姿勢として「丁寧に、深く診る」ことを重視しています。
屋根瓦式の教育体制のもとで、中堅指導医から診療科責任者に至るまでが一体となり、日常診療のTips、知識・技術、安全で質の高い医療の提供に必要な視点や態度を丁寧に指導しています。
こうした教育体制を支える診療の水準は常に高く維持されており、研修医が安心して学べる環境が整っています。
3. 将来の専門分野の選択と明確な志向の形成
臨床研修のもう一つの目的は、将来的な専門分野の選択に向けた土台を築くことです。
診療への関心や適性は、実際の経験を通して初めて具体化し、確信へとつながるものです。
本学には、出身大学や背景の異なる多様な人材が集っており、身近なロールモデルとなる指導医との出会いを通じて、自らの将来像を現実的に描くことができます。
また、地域医療や保健医療に対する関心を深めたい方には、選択可能なオプションプログラムも用意しており、多様な経験を通して将来の可能性を広げることができます。
さらに、本学では初期臨床研修から専門研修への円滑な移行も重視しています。
早い段階から専門研修に関する情報を得ることができ、進路に関して指導医等と相談できる体制が整っている点は、大きな強みです。
研修センターでは、皆さんが自分に最適な道を選択できるよう、きめ細やかな支援を行っています。
東京科学大学の臨床研修プログラムは、思考力・応用力を育み、多様な仲間とともに切磋琢磨し、自身の可能性を広げていく環境のもとで、社会に求められる医師として成長を着実に遂げることができます。
総合教育研修センター長 岡田 英理子