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平成20年度看護学専攻専門科目教育要項

保健衛生学科の教育理念

本学科は豊かな教養と高い倫理観に裏付けられた医療人としての感性を有し,自ら学び研究し,創意工夫することができる人間の形成を目指す。その視点に立ち看護学,検査技術学の2つの領域において,それぞれの専門的領域の知識,技術を教授することにとどまらず,学際的視野に立ち自ら問題を提起し,これを解決する能力を備えた医療人を養成する。

看護学専攻の教育目的

人々の健康状態を生活や環境との関係で的確に判断し,人々の主体性や価値観を尊重する質の高い看護実務者を養成する。併せて将来の研究者,教育者および指導者につながる知識・技術・態度を養う。

看護学専攻の教育目標

1 人々の健康・生活・環境を相互に関連づけて,人々の主体性・価値観を尊重し,全人的な生活者として理解し,健康に関わる生活援助の知識と技術を修得する。

2 看護の対象となる個人および集団の健康段階に応じた看護上の問題を発見し,解決するための問題解決思考能力を修得する。

3 保健・医療・福祉に関連する他の職種とチームを組み,看護職の専門的役割を有効に発揮できる基礎的能力を修得する。

4 自己の知識や技術の向上を目指す研究的姿勢および倫理観に基づく行動を身につけ,看護実践に諸科学の知識と技術を応用できる能力を修得する。

看護学専攻のカリキュラムの特色

 保健衛生学科看護学専攻の専門課程のカリキュラムは、前述の教育理念、教育目的、教育目標に沿って編成されており、以下の点を特色としている。

1)第1学年では、豊かな教養と学際的な視野に立ち、自らの関心に沿って自己学習できる能力を身に付けるための基盤づくりに重点を置いている。そのため、教養部の教養科目と並行して、看護学専門科目の基礎看護学T、基礎看護学実習T、看護心理学、看護の実践と統合Tを開講し、看護学を学ぶ基盤づくりを行う。

2)第2学年では、看護学の学習に関連の深い専門基礎科目として、人の形態・構造や機能を理解するとともに、看護の科学的根拠となる学際的な知識を学ぶ。専門基礎科目は、専門基礎分野と専門共通分野の科目によって構成する。専門基礎分野では、解剖学、生理学、生化学、薬理学、微生物学、栄養学、病態学を開講する。また、検査技術学専攻の教員が担当する基礎合同演習は、これらの科目について学ぶ上で基礎となる幅広い知識や技術の習得を目的とする科目であり、本学科の特徴を生かした実技中心の科目である。この他に、専門基礎分野では、第3学年に開講する必修科目の疫学と、第2、3学年必修、第4学年選択の英文購読T・U・Vがある。また、専門共通分野では第2学年で必須科目の医療情報学を開講する。

3)看護学の専門科目は、すべて専門領域別分野ごとに開講する。基礎看護学分野は第1学年から第2学年に基礎看護学科目を開講し、看護学に共通する基盤づくりを行う。第2学年から第3学年にかけては、成人看護学分野、精神看護学分野、小児看護学分野、在宅看護学分野で、より専門性の高い講義、演習を行う。そして、母性看護学分野、および老年看護学分野の講義・演習は第3学年に集中的に開講する。また第4学年では地域看護学、在宅看護学と、看護管理学・看護経済論を開講する。それぞれの科目では、看護に必要な知識、技術、態度を養成するとともに、自ら問題を提起し,解決する能力を備えた医療人養成を目指し、VOD(video on demand),CAI (computer assisted instruction)等の視聴覚教材、グループワーク、討論、演習等を効果的に活用する。

4)保健師資格取得に必要な単位は第3学年から第4学年に開講する。前述の在宅看護学の他に、地域看護学分野の講義・演習と、専門共通分野の保健統計学、産業保健学、保健医療福祉制度論、保健医療福祉制度論演習を開講する。

5)臨地実習は学習の段階に応じて、すべての学年で行う。第1学年は体験型実習の基礎看護学実習T、第2学年は基礎看護学実習Uを行う。また、第3学年では、成人看護学実習、精神看護学実習、小児看護学実習、母性看護学実習、老年看護学実習、在宅看護学実習を行ない、分野別のより専門性の高い実践能力を養う。さらに、第4学年では、在宅看護学実習と地域看護学実習を行う。臨地実習では、看護職に求められる看護実践能力の習得にとって欠かせない看護技術項目についてのチェックリストを活用し、学生自ら学習機会を作っていく努力が求められる。

6)第3学年に開講する卒業論文Tでは、各教員から具体的な研究方法論について学ぶ。続く第4学年の卒業論文Uでは、看護学の学習を通して関心をもった領域やテーマについて、専門分野の教員から少人数制による指導を受けながら、卒業論文を作成する。この科目では、自己の知識や技術の向上を目指す研究的姿勢を身につけ、論理的思考能力とそれを表現するリテラシー能力の向上を目指す。

保健衛生学科講義室一覧

N2

講義室4

医歯学総合研究棟7階

N3

講義室2

医歯学総合研究棟8階

N4

講義室1

医歯学総合研究棟18階

MT2

講義室5

医歯学総合研究棟7階

MT3

講義室3

医歯学総合研究棟8階

MT4

講義室1

医歯学総合研究棟18階

合同講義

講義室1

医歯学総合研究棟18階

平成20年度看護学専攻年間計画表

平成20年度看護学専攻授業時間割

第2学年    第3学年   第4学年

【第2学年】

  専門教育科目を学ぶにあたって

 皆さんは、一年間の教養教育を通して本学の学生に望まれる基本理念『自ら問題を提起し、それらを自らの工夫によって解決できる』の素地を身につけて進学されました。これから、いよいよ看護学の専門教育の学習が始まりますが、その前に、ぜひこの要項に記載されている『保健衛生学科の教育理念』、『看護学専攻の教育目的』、『看護学専攻の教育目標』を熟読し、十分に理解をしてください。ここに書かれた内容は、皆さんがこれから学習する専門教育の成果として、卒業時までに身につけることが期待されている内容だからです。

 専門教育は、はじめに人体の正常な構造や機能、人体の病気に関わる原因や病態など、看護を展開するための土台となる専門基礎分野、基礎医学的知識を習得します。これらの科目は独立した科目ではなく、相互に密接に関わり合っているため、総合して体系的に理解することが必要とされます。

 専門基礎分野の学習が進むと、次のステップとして専門分野の教育が始まります。ここでは専門基礎分野で学んだ知識を土台として、生活者としての人間の健康を保持、増進する看護学の理論と実践を学びます。専門分野の教育は、知識と技術の習得だけではなく、医療人、専門職業人にふさわしい態度、行動を、講義ならびに実習をとおして学ばなければなりません。教養教育、専門基礎教育、専門教育における学習を統合し、さらに課外活動における経験などを通して、医療人、専門職業人としてあるべき姿を模索し、自らの理想に近づく努力をしてください。

 専門教育は本教育要綱に示すように、各指導教員がシラバスをふまえて体系的に教授します。専門教育内容の習得には、毎回の授業出席に加え、予習、復習が不可欠です。また、遅刻、早退、欠席や、授業中に集中力を欠いている場合には、それを補うために多大な努力を要し、3年間で履修することは困難といわざるを得ません。

 基礎知識と技能を有し、論理的、科学的に問題を解決できる能力を習得するにとどまらず、患者および家族から、信頼される看護師、保健師として専門性と倫理観あふれる感性を身につけることを心から望んでいます。

東京医科歯科大学医学部保健衛生学科

教育委員会委員長

解剖学
生理学
生化学
薬理学
病理学
微生物学
栄養学
病態学
英文購読T
TOEFL/ITP
専門基礎合同演習
医療情報学
基礎看護学T
基礎看護学U
基礎看護学V
基礎看護学演習T
基礎看護学演習U
基礎看護学実習T
基礎看護学実習U
成人看護学T(概論)
成人看護学U(各論)
精神看護学
看護心理学
小児看護学T
小児看護学演習T
在宅看護学T

【第3学年】

疫学
英文購読U
TOEFL/ITP
卒業論文T
成人看護学V(実践論)
成人看護学演習
成人看護学実習
地域精神看護学
精神看護学演習
精神看護学実習
小児看護学U
小児看護学演習U
小児看護学実習
母性看護学T
母性看護学U
母性看護学V
母性看護学演習
母性看護学実習
老年看護学
リハビリテーション看護学
老年看護学演習
老年看護学実習
地域看護学T(総論)
地域看護学U(家族ケア論)
在宅看護学U
在宅看護学演習
在宅看護学実習

【第4学年】

英文購読V【選択科目】
保健統計学
看護技術論演習
国際保健看護学
産業保健論
保健医療福祉制度論
保健医療福祉制度論演習
卒業論文U
地域看護学V(地域成人老人・母子看護活動論)
地域看護学演習(健康教育と地区診断)
地域看護学実習
在宅看護学U
ターミナル看護学
在宅看護学演習
在宅看護学実習
看護管理学・看護経済論【選択科目】

3年次編入学学生の履修について

3年次編入学学生は,各学期に履修する「必修科目」及び「選択必修科目」の両方について,各学期の始めに,『履修届』を記入し,学務課に提出すること。
※「全学共通科目(教養科目)」及び「専門科目」の両方を記入すること。

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