老年看護学
Gerontological
Nursing
山 本 則 子
1 科目の概要
高齢者の心身・社会経済的な変化に関する理解を基盤として、老年期に発症しやすい健康障害・機能障害とそれらに対する基本的な支援技術を習得する。老年期にある対象を理解するための基本的概念・理論を学ぶ。また、老年看護学の背景となる日本社会における保健・医療・福祉の動向を知り,医療チームの一員として多角的な視野をもって看護を提供するための基本的な態度を養う。
2 教育方針・教育目標
・教育方針
老年看護学の教育方針は,老年期にある対象を理解し,看護援助を創造していく知識と技術を養うことである。さらに,学問としての老年看護学の確立に資することを目指している。
・教育目標
1)老年期にある対象の身体的・精神的・社会的側面の特徴を理解する。
2)高齢者の健康障害とそれに伴う諸問題、およびそれらに対する基本的な支援技術を習得する。
3)高齢者と家族に対する看護援助の基本を習得する。
4)高齢者の健康状態を維持するための保健・福祉・医療の活動を理解し,その中で看護の役割について理解する。
5)多くの人生経験をつんだ高齢者を尊重する態度を養う。
3 教育内容
回数 |
日 時 |
項 目 |
内 容 |
担当者 |
1 2 |
4/7(月) 1,2 |
序論 老年期の特徴とその理解 |
高齢者を理解するための基本的概念・理論を学ぶ。 高齢者の視点を理解し、看護の基本姿勢を養う。 |
山本,千葉 |
3 4 |
4/14(月) 1,2 |
加齢に伴う身体変化と看護の視点(1) 高齢者ケアと保健医療福祉制度 |
老年期に特有な身体的特徴や変化について理解するとともに、看護の視点を理解する。 高齢者の保健・医療・福祉に関する法律や最近の動向などを理解する。 |
山本,千葉 |
5 6 |
4/21(月) 1,2 |
加齢に伴う身体変化と看護の視点(2) 老年看護の今日的課題(1) |
老年期に特有な身体的特徴や変化について理解するとともに、看護の視点を理解する。 老年看護の現場における今日的課題を理解する。 |
山本,千葉 桑田 (青梅慶友病院) |
7 8 |
4/28(月) 1,2 |
加齢に伴う身体変化と看護の視点(3) 老年看護の今日的課題(2) |
老年期に特有な身体的特徴や変化について理解するとともに、看護の視点を理解する。 老年看護の現場における今日的課題を理解する。 |
山本,千葉 |
9 10 |
5/12(月) 1,2 |
加齢に伴う身体変化と看護の視点(4) 社会福祉の立場からの高齢者ケア |
老年期に特有な身体的特徴や変化について理解するとともに、看護の視点を理解する。 社会福祉の立場から見た高齢者ケアを学ぶ。 |
山本,千葉 |
11 12 |
5/19(月) 1,2 |
老年症候群とケアの基本(1) 認知症の看護 |
高齢者に頻発する病態・状態と基本的看護方法を学ぶ。 認知症の病態を理解し、基本的看護方法を学ぶ。 |
山本,千葉 |
13 14 |
5/26(月) 1,2 |
老年症候群とケアの基本(2) 高齢者の家族への支援 |
高齢者に頻発する病態・状態と基本的看護方法を学ぶ。 高齢者を介護する家族の立場を理解し、基本的支援方法を学ぶ。 |
山本,千葉 |
15 16 |
6/2(月) 1,2 |
老年症候群とケアの基本(3) 老年薬理学(1) |
高齢者に頻発する病態・状態と基本的看護方法を学ぶ。 薬物動態・静態の加齢変化と高齢者に与薬する薬物の特徴について学ぶ |
山本,千葉 安 原 (本学薬剤部) |
17 18 |
6/9(月) 1,2 |
老年症候群とケアの基本(4) 老年薬理学(2) |
高齢者に頻発する病態・状態と基本的看護方法を学ぶ。 臨床における高齢者への薬剤管理とその基本的知識について学ぶ。 |
山本,千葉 安 原 (本学薬剤部) |
19 20 |
6/16(月) 1,2 |
疾患を有する高齢患者への看護展開(1) 疾患を有する高齢患者への看護展開(2) |
高齢患者の急性期,慢性期疾患の事例をもとに看護過程を展開する。 |
山本,千葉 |
21 22 |
6/23(月) 1,2 |
疾患を有する高齢患者への看護展開(3) 高齢者と退院支援 |
高齢患者の事例をもとに看護過程におけるアセスメント、看護目標、看護ケア、評価指標を整理する。高齢者ケアに伴うチーム医療のあり方やDischarge Planningについて学ぶ。 |
山本,千葉 |
23 24 |
6/30(月) 1,2 |
老年看護と倫理 老年看護の課題 |
臨床の現場からの事例をもとに、倫理的ジレンマとそれに対する意思決定プロセスを学ぶ。 老年看護の今後の課題について考察する。 |
山本,千葉 |
〔単位〕必修3単位
〔場所〕保健衛生学科講義室2(医歯学総合研究棟8階)ほか
4 教科書・参考書
高崎絹子他:最新老年看護,日本看護協会出版会,2005.
5 他科目との関連
対象別看護として高齢者を対象としているため,病態学,生理学などの基礎的な医学知識や基礎・成人看護学における内容をふまえながら,高齢者独自の看護学の授業を展開する。
6 受講上の注意
授業中の入退室は,原則として認めない。
7 成績評価方法
学期末の試験を主とし,出席状況、課題への取り組姿勢、課題レポートなどを総合的に評価する。