母性看護学(3)
Maternal
and Infant Nursing
(*母性看護学 V:Maternal
and Infant Nursing V)
大 久 保 功 子
1 科目の概要
母性看護学は,人間の健康を性と生殖の側面から考え,看護的な援助が必要な状況や援助方法を理解する科目である。ここでは主に,妊娠・分娩・育児期の女性と新生児期のこども,および家族の看護課題と看護援助に関する基本的な知識を習得する。
2 教育方針・教育目標
妊娠、分娩、産褥期の女性と新生児に対する看護の基本的な考え方を理解する。さらに,看護計画の立案,実施・評価を行うための基本的な知識を習得し,健康状態のアセスメントが行えることを目標とする。
3 教育内容
回数 |
項 目 |
内 容 |
担当者 |
1 |
妊娠初期の看護 |
妊娠の診断・及び妊娠初期の女性と胎児への看護を理解する |
三 隅 |
2 |
妊娠中期・末期の看護 |
増大子宮による女性の身体反応を理解し健康増進への援助を考える |
三 隅 |
3 |
妊娠期の生活適応 |
妊娠期に母体に生じる身体的反応とそれへの適応を理解し看護援助を考える |
三 隅 |
4 |
分娩期の看護ケア |
正常な分娩経過を理解し、分娩経過のアセスメント,基本的ニードの充足への看護援助の原則を学ぶ |
大久保 |
5 |
産褥期の看護ケア |
産褥早期の身体的変化について理解し必要な看護を考える 新生児の特徴とケアの原則(ケアの根拠)を理解する |
大久保 |
6 |
母乳栄養 |
妊娠中・分娩後の内分泌環境の変化と母乳の分泌の機序を理解する。 |
井村真澄 (国際医療福祉大学) |
7 |
授乳に関する看護 |
母乳栄養確立のための母親・新生児双方のアセスメント・看護援助の考え方を理解する |
井村真澄 (国際医療福祉大学) |
8 |
新生児の看護 |
新生児の胎外生活への適応課程のアセスメントと看護の実際を理解する。 |
島美奈子 (賛育会病院) |
〔単位〕必修1単位
〔場所〕保健衛生学講義室2(医歯学総合研究棟8階)
4 教科書・参考書
・松岡 恵 編著:やさしく学ぶ看護学シリーズ6 母性看護学,日総研.
・Doenges,M.E.&Moorhouse,M.F.(柴山森二郎監訳):看護診断にもとづく母性・新生児看護ケアプラン,医学書院,1998.
・Karen M Stolte,(小西恵美子・太田勝正訳):健康増進のためのウェルネス看護診断,南江堂
・
本庄英雄,宮中史子:周産期エキスパートナーシング 改訂第2版,南江堂,2003.
・
堀内成子:産褥・退院支援ガイドブック,ぺリネイタルケア2003年夏季増刊,メディカ出版,2003.
・
マレー・エンキン,他:妊娠・出産ケアガイド,医学書院,1999.
・
平山宗宏:母子健康・栄養ハンドブック,医師薬出版,2000.
その他,講義の進行の伴い,参考文献を提示する。
5 他科目との関連
この科目は,母性看護学演習と同時に受講することを前提として計画され,後期の母性看護学実習を行う上で必須の基礎知識を学ぶ科目である。他の看護専門科目で学習した看護理論,看護過程の考え方などを十分理解した上で参加していただきたい。
6 受講上の注意
講義では,学生に問題を投げかけ,学生がそれについて意見を出し合う時間を多く持つ予定である。自分の意見を積極的に述べ,他者に論理的に説明する能力を高める努力をしてほしい。
7 成績評価方法
学期末試験,平常点から総合的に評価する。