基礎看護学演習T

Seminar of Fundamental Nursing T

 

齋 藤 や よ い

 

1 科目の概要

全ての人に共通する看護実践の基礎的知識と技術を学習する科目である。ここでは日常生活行動の援助を中心に,看護技術を構成する知識,技能,態度の3要素を,演習を通して身につける。

 

2 教育方針・教育目標

基礎看護学T・Uで学んだ,看護の概念や看護ケアの方法を,実際のケアに活かせるよう演習する。演習はグループ単位に行い,看護を必要とする人々の生活理解に基づき,ニーズをアセスメントし必要なケアを計画,実施する。また,援助の科学的根拠を追求する姿勢を養い,知識を活用して,考えながら行動するための基本的な技能と態度を身につける。

 

3 教育内容

回数

項  目

内  容

担当者

1

2

3

コミュニケーション

身体の観察

バイタルサインの観察

生命の徴候を客観的に観察し,情報を収集する方法を学ぶ。

呼吸・体温・血圧・脈拍測定の方法を学び,測定値の示す意味とその変動条件について理解する。

城生弘美

齋藤,二宮,後藤,林、他

4

5

6

環境調整

ベッドメーキング

身体の機能的・効率的な活用の仕方の基盤となる知識を人間工学的に学習し,看護ケアの中で活用する能力を養う。

入院患者の病床環境の調整を行なうための方法と,ベッドメーキングの方法を学ぶ。

伊藤綾子

齋藤,二宮,後藤,林、他

7

8

9

運動と休息

体位変換

移動

リラクセーション

活動と休息に関連する援助技術として基本的な安楽な体位の保持,体位変換,移動(移送)の方法を学ぶ。また,休息(睡眠)を妨げる要因を知り,援助方法を学ぶ。

井上映子

齋藤,二宮,後藤,林、他

10

11

12

寝衣交換

リネン交換

適切な衣服選択と衣服着脱の援助方法,就床患者のリネン交換の方法を学ぶ。

齋藤,二宮,後藤,林、他

13

14

15

清潔

全身清拭,足浴

身体各部位の構造・機能に基づいた清潔ケアの方法を学ぶ。

齋藤,二宮,後藤,他

16

17

18

清潔

洗髪,手浴

身体各部位の構造・機能に基づいた清潔ケアの方法を学ぶ。

早尾弘子

齋藤,二宮,後藤,林、他

19

20

21

食生活

食事介助,口腔ケア

食生活としての食事の意義と栄養補給,健康について理解し,食事援助方法と口腔の清潔を保持する方法を学ぶ。

齋藤,二宮,後藤,林、他

22

23

24

排泄

尿器・便器の取り扱い,導尿・浣腸

陰部洗浄

健康および生命維持における排泄の意義を理解し,排泄に関する観察方法と,ニーズに応じた援助方法を学ぶ。

小泉仁子

齋藤,二宮,後藤,林、他

25

26

27

安全 

手洗い,無菌操作

ガウンテクニック

 

Infection Controlの実際を学び,事故を防止し,安全を確保するための基礎能力を養う。手洗い,滅菌手袋の装着,ガウンテクニック,滅菌物の取り扱いの方法を学ぶ。

小野和代

齋藤,二宮,後藤,林、他

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29

30

フィジカルアセスメント

看護活動に必要な全身の系統的な観察方法とアセスメント方法を学ぶ。

千明政好

齋藤,二宮,後藤,林、他

 

技術試験

習得した技術の到達レベルを評価する。

齋藤,二宮,後藤,林,

早尾,森戸他

*日時は変更する場合がある。4/10(金)に配布する,基礎看護学開講科目日程表を参照のこと。

〔単位〕必修2単位

〔場所〕保健衛生学講義室4(医歯学総合研究棟7階),実習室1(同17階)ほか

 

4 教科書・参考書

坪井良子他:考える基礎看護技術T,ヌーヴェル・ヒロカワ、2005

   坪井良子他:考える基礎看護技術U,ヌーヴェル・ヒロカワ、2005

   川村佐和子他:基礎看護学,ヘルスアセスメント,MCメディカ出版、2006

   その他,基礎看護学―学内演習の手引き―,テーマに関連した資料を配付

   テーマに関連した参考図書は随時紹介

   

5 他科目との関連

既習の基礎看護学T・U,解剖学,生理学,薬理学,微生物学,生化学,栄養学などの科目との関連性が高い。また,これから開講されるすべての看護専門科目で学ぶ看護技術の基礎となる。

 

6 受講上の注意

1)演習には指定されたユニフォームを着用し,身だしなみを調えてから参加すること。

2)未熟な技術は医療事故の大きな原因となる。看護技術は1回の演習で習得できるものではなく、繰り返しの学習や実践での応用によって身につくものである。したがって,1つ1つの技術の熟達度を高めるよう自助努力が必要である。視聴覚教材の活用や,実習室での自己・グループ学習に,積極的に参加すること。申し出があれば,必要に応じて実習室での自習も許可する。

3)すべての演習は,目的に応じた物品の準備と環境の調整から,実施,後かたづけ,評価の一連のプロセスで構成する。実習室内の環境を整備し、使用後の物品を放置することのないよう、常に現状復帰を心がけること。

4)出席を重視する。欠席などで未履修の単元は,友人の協力を得て自主的に学習すること。必要があれば,申し出により補習指導を受けることもできる。

 

7 成績評価方法

演習の事前・事後レポート,実技試験,筆記試験,出席状況と演習参加の姿勢により総合的に評価する。