ご家族の方へ

家族のためのハンドブック

呼吸器系の病気

ジョンズ・ホプキンス病院 小児アレルギーおよび免疫部門
小児科・内科・病理学分野教授 ハワード M. レダーマン 医師・医学博士(2000年)

Howard M. Lederman, M.D., Ph.D., Professor of Pediatrics, Medicine and Pathology
Division of Pediatric Allergy and Immunology, Johns Hopkins Hospital

呼吸器疾患の治療は直接的に症状の緩和を目的にするものと、合併症を予防するためのものがあります。主治医は熱を下げ、痛みを和らげる薬を処方することがあります。また細菌性の感染を抑え、合併症を防ぐために抗菌薬を処方することがあります。粘液分泌物を溶かす去痰薬を処方するかもしれません。粘膜の腫れをひかせるための消炎薬(充血をとる薬)を使うこともあります。

呼吸器疾患にかかったら水分摂取が必要です。お子さんには飲み物を沢山与えてください。飲み物には砕いた氷を入れると、炎症を起こした喉でも飲みやすくなります。お茶のような暖かい飲み物は鼻の流出を促し、胸苦しさを和らげます。

どのような病気でも急性期には、初めは食欲がなくなります。食欲のないお子さんには無理に食べさせる必要はありません。スープや汁物、ドリンク類、また柔らかい食べ物を少量ずつ分けて与えてください。食欲が戻ってきたらカロリーが高く、タンパク質の豊富な食事を与え、病気で不足したタンパク質を補うことが必要です。

定期的に口を水でゆすぐなどして、お子さんの痛みや不快感を和らげてあげてください。口をゆすぐと、口内の乾燥を防ぎ、口の中の不快感を除くことができます。加湿器を使うと室内の乾燥を防げます。ただし加湿器を使う場合は、カビや細菌による汚染を防ぐため、きれいに掃除してから使ってください。唇や鼻がひりひりするときは、ワセリンを塗るとよく効きます。発汗により体温が上下することもあります。寝具や寝巻きはこまめに取り替えてください。隙間風にも気をつけて、部屋は暖かくしてください。

睡眠は十分取るように気をつけてください。咳が続き、鼻水がのどに落ちて眠れないときは、枕を高くして頭と肩の位置を上げると、多少楽になるでしょう。

マスクを着用したり、くしゃみや咳が出るときは口、鼻をハンカチなどで覆うよう気を付けてください。使ったティッシュペーパーはすぐに片付けましょう。手はこまめに洗い、感染が広まらないように気を付けることが必要です。

気管支炎や肺炎にかかってしまったら、時間を置いて繰り返しお子さんに咳をするよう促し、また深呼吸をさせてください。咳は粘液や気道から侵入する異物を除去し、肺を守ります。深呼吸は肺を大きく膨らませて、さらなる合併症のリスクを軽減します。体位ドレナージや胸部理学療法が必要な場合もありますので、医師の判断を仰いでください。

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