がんおよび慢性炎症における頭頸部微⼩環境の特性解明と治療法開発
頭頸部領域における粘膜組織は生理的に特有の機能を有し、呼吸や摂食などの日々の営みや喫煙などの生活習慣によって、外来から種々の刺激を受けている。頭頸部がんおよび難治性粘膜疾患の発症機序は複雑である。頭頸部がんにおいては、拡大手術やネオアジュバント療法により手術適応が広がったものの、再発・転移症例のコンロトールは今なお困難をきわめ、化学療法・放射線療法・免疫療法などの適切な複合療法による QOLを維持した低侵襲治療法の選択と開発が望まれる。本プロジェクトにおいては、難治性粘膜疾患および上皮発がんに関わる制御遺伝子・分子の同定や、頭頸部がんの微小環境ネットワークシグナルの解明を通じて、頭頸部領域の特殊性を明らかにするとともに、希少がんであり、外科療法によって患者のQOLの低下を招きやすい頭頸部がんの非/低侵襲治療法を開発することでアンメットメディカルニーズの課題解決を図る。
指定研究者一覧
公募班
頭頚部メカノストレスを再現する頭頚部がんin vitro 3Dモデル
生体材料工学研究所 精密医工学分野
頭頚部がんの発症機序は複雑であり、不明な点が多いです。解析が進んでいない理由の1つとして、in vitroでの研究環境が整っておらず、実験回数を重ねられない点があります。頭頚部組織は摂食を含む、多くの外因性メカノストレスを受けており、また、咽頭部においては、咳などによる不規則なタイミングでの急激な内因性メカノストレスを与えられる事も多く、このようなメカノストレスを含む、in vitroでの細胞、組織培養環境を整える事が非常に困難でした。そこで本領域研究では、そのようなメカノストレスを含め、頭頚部組織、及び頭頚部がんの3次元構造を完全摸倣したin vitro実験モデルの開発を行っていく予定です。