RD希少疾患・難病 RD
[Rare Disease]

RD-4

頭蓋顎顔面は、感覚器を有し、脳の保護、栄養の取り込み口として機能するとともに、社会における個人のアイデンティティーを付与する重要な体のパーツです。頭蓋顎顔面における機能・形態不全の原因の多くは多因子疾患で、希少疾患として、解明にはさらなる研究が必要です。本研究領域では、1) メカニカルストレスやホルモン、サイトカインなどの刺激に反応して骨の恒常性を維持する制御の生体レベルでの理解、2) 五感の中でも脳に送られる情報量が多いと考えられる眼の疾患で、失明する可能性のあるぶどう膜炎、網膜・脈絡膜疾患、強度近視などの病態の理解を目指します。また、他臓器との関連にも着目しながら、これらの理解を通じて頭蓋顎顔面の構造と機能の発生のメカニズムや先天異常を含めた病態基盤を解明し、治療、ひいては予防などにつなげていくことを目標としています。

RESEARCH MEMBERS

RD-4

井関 祥子

大学院医歯学総合研究科 分子発生・口腔組織学分野 教授

RD-4

中島 友紀

大学院医歯学総合研究科 分子情報伝達学分野 教授

RD-4

大野 京子

大学院医歯学総合研究科 眼科学分野 教授

PUBLICLY OFFERED RESEARCH PROJECTS

顎顔面異常症の理解のための頭部・心臓形成の分子メカニズムの研究

足立 礼孝

大学院医歯学総合研究科 分子発生・口腔組織学分野 助教

ヒト先天性疾患において、口蓋・咽頭・心臓異常は高確率で併発し重症化する。この理解のために各器官共通に発現する遺伝子解析がなされてきたが、未だ課題が残されている。1つは、頭部顔面と心臓のもととなる共通前駆細胞の細胞系譜の詳細な解析であり、2つめとして、エピジェネティックな作用変化による遺伝子転写環境の異常と重症度の関係である。よって本研究では、新たな細胞系譜追跡を構築して解析するとともに、その共通起源である前駆細胞から各器官への分化を制御するエピジェネティック因子に焦点を当て、頭部・心臓形成異常・重症度の理解および頭部・心臓形成共通の機構の理解を目指す。