組織・臓器構築
「GeM-2:組織・臓器構築」では、機能する細胞・組織・臓器の創生技術の開発を目指します。特に、発生・再生生物学や幹細胞生物学の知見に基づき、多能性幹細胞や組織幹細胞から in vitro で生物学的プロセスを再現することにより構造化・機能化された組織・臓器を生み出します。さらに、健常人に加えて、患者由来の細胞を用いることで、疾患臓器の病態現モデルを構築し、近年飛躍的に技術が進展を見せている1細胞解析技術・遺伝子編集技術・高精細イメージング技術などを取り入れることで、新たなメカニズムに基づくバイオマーカーの単離や創薬スクリーニング、治療法の開発を目指します。
指定研究者一覧
公募班
尿細管オルガノイドを用いた慢性腎臓病病態モデルの開発と病因細胞のプロファイリング
大学院医歯学総合研究科 腎臓内科学分野 テニュアトラック助教
慢性腎臓病(CKD)は、体内の老廃物と不要な水分を濾過し尿として排泄する腎臓の機能が、年単位の経過で悪化していく慢性の致死性疾患です。国民の8人に1人が罹患している新たな国民病であり、進行した場合に必要となる透析療法には年間1兆6千億円ほどの公費が投入されている状況にも関わらず、病態解明や創薬は十分には進んでいません。私たちのグループでは、腎癌などの疾患のために腎摘出術を受ける患者さんの腎臓の病気でない部分を頂いて培養し、尿細管オルガノイドと呼ばれる「ミニ腎臓」を作製しています。これを用いてCKDの病態を再現し、特に病気を進行させている細胞の性質を明らかにすることで、新たな治療法の開発を目指します。
過去の公募班
iPS細胞を用いた自己組織化による複合型機能性ヒト腸管組織グラフトの開発
大学院医歯学総合研究科 消化器病態学分野 講師
デザイン・オルガノイドを用いた腸から全身疾患を統べる挑戦
高等研究府 炎症性腸疾患研究室 特任助教
三胚葉由来複合型腸オルガノイドの創出による腸管再生医療の開発
大学院医歯学総合研究科 消化器病態学分野 プロジェクト助教