ENGLISH

研究成果・プレスリリースFINDING / PRESS

研究成果・プレスリリース

「がん抑制型miR-634核酸抗がん薬によるシスプラチンの治療効果の増強」【井上純 准教授、稲澤譲治 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞遺伝分野のチャン・スアン・フォン大学院生、井上純准教授、稲澤譲治教授らの研究グループは、本学・顎口腔外科学分野 原田浩之教授との共同研究により、マイクロRNA miR-634を創薬シーズとして用いたmiR軟膏製剤の局所投与が口腔扁平上皮がんの化学療法に対する感受性を顕著に増強させることを明らかにしました。この研究成果は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) 「次世代がん医療創生研究事業」 (P-CREATE)、文部科学省新学術領域研究(15H05908)「がんシステムの新次元俯瞰と攻略」、文部科学省科学研究費補助金(21H02781、18H02688)、東京医科歯科大学・難治疾患研究所・難治疾患共同研究拠点の支援のもと遂行され、国際科学雑誌Molecular Therapy - Oncolytics誌に、2022年3月8日にオンライン版で発表されました。

がん抑制型miR-634核酸抗がん薬によるシスプラチンの治療効果の増強

研究内容をみる

「抗体産生不全を呈する免疫不全症での内在性機能回復の仕組みの発見」【鍔田武志 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所免疫疾患分野の鍔田武志教授と赤津ちづる助教らの研究グループは、岐阜大学、藤田医科大学、デューク学、エアランゲン大学のグループとの共同研究により、抗体産生不全を呈する免疫不全症では、抗体産生に関わるBリンパ球が成熟する際に、部分的な機能回復がおこることを明らかにし、その仕組みを解明しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌でサイエンス誌の姉妹誌であるScience Signaling(サイエンスシグナリング)誌に、2022年3月1日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「DNAに傷が入った老化幹細胞を皮膚から選択的に排除する現象を発見」【西村栄美 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野の西村栄美教授(東京大学医科学研究所・老化再生生物学分野教授兼任)と加藤智起 大学院生らのチームは、ハーバード大学や慶應義塾大学との共同研究により、上皮が持つ幹細胞の品質管理機構を発見しました。この研究は 2021年12月20日、国際科学誌Developmental Cellに発表されました。本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)『老化メカニズムの解明・制御プロジェクト』や文部科学省科学研究費学術変革領域研究『多細胞生物自律性』などの支援のもと行われました。

研究内容をみる

「ポリジェニックリスクスコアは関節リウマチの関節破壊進行を予測する」【高地雄太 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム機能多様性分野の高地雄太教授の研究グループは、東京女子医科大学、理化学研究所生命医科学研究センターとの共同研究で、ポリジェニックリスクスコアが、関節リウマチのX線画像の進行と関連することを世界で初めて示しました。その研究成果は、国際科学誌Arthritis & Rheumatologyに、2022年1月20日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「疾患関連リン脂質の新規測定技術の開発」【佐々木雄彦 教授、佐々木純子 准教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所病態生理化学分野 大学院医歯学総合研究科脂質生物学分野の森岡真技術補佐員、山本利義技術補佐員、佐々木純子准教授、佐々木雄彦教授の研究グループは、秋田大学、神戸大学、愛知県がんセンターとの共同研究で、疾患関連リン脂質群であるホスホイノシタイドの包括解析法を世界に先駆けて開発しました。この技術を、がん抑制遺伝子を欠損する発がんモデルマウスに適用し、がんに特有なホスホイノシタイドバリアントを見出し、また、ホスホイノシタイドがエクソソームに含まれて細胞外に放出されていることをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金(基盤A・B)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)『疾患実態を反映する生体内化合物を基軸とした創薬基盤技術の創出』ならびに文部科学省科学研究費補助金(新学術領域・脂質クオリティが解き明かす生命現象)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Nature Communications誌に、2022年1月10日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「焦点性てんかんの新しいモデルマウスの作成に成功」【田中光一 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子神経科学分野の石田紗恵子助教(現 東京大学医科学研究所先進動物ゲノム研究分野 助教)と田中光一教授の研究グループは、東京大学医科学研究所先進動物ゲノム研究分野 真下知士教授との共同研究で、焦点性てんかんの新しいモデルマウスを作製し、このモデルマウスでは他の焦点性てんかんモデルと異なり、抗てんかん薬候補であるラパマイシンの効果が持続しないことを明らかにしました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに公益財団法人金原一郎記念医学医療振興財団の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Human molecular genetics(ヒューマンモレキュラージェネティクス)に、2021年11月20日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「細胞小器官同士が接する微小空間の新しい機能を発見」【佐々木雄彦 教授】

新潟大学大学院医歯学総合研究科神経生化学分野の河嵜麻実特任講師、五十嵐道弘教授、中津史准教授らのグループは、東京医科歯科大学難治疾患研究所の佐々木雄彦教授、佐々木純子准教授、長谷川純矢助教らとの共同研究で、この細胞小器官同士が近づいて作られる微小空間(膜接触部位と呼ぶ)で脂質が交換されていること、そしてこの脂質の交換によって細胞小器官の膜の分裂が制御されていることを突き止めました。これは、細胞生物学の分野で近年注目されている膜接触部位の新機能を解明した大きな成果です。本研究成果は、2021年11月24日(アメリカ東部時間)、Journal of Cell Biology誌(オンライン版)に掲載されました。本研究は、文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「細胞機能を司るオルガネラ・ゾーンの解読」(領域代表:難治疾患研究所 清水重臣教授)の支援の下に行われました。

研究内容をみる

「標的分子への抗体産生を増強する多糖をベースとした担体の開発」【鍔田武志 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所免疫疾患分野の鍔田武志教授と大学院生のWang Long、國武慎二の研究グループは、京都大学工学系研究科の秋吉一成教授、澤田晋一助教との共同研究で、多糖ベース担体を用いた標的分子への抗体産生を顕著に増強する技術を開発しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、三菱財団ならび東京医科歯科大学難治疾患共同研究拠点の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Vaccine(ワクチン)に、2021年11月29日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「認知症の原因タンパク質が脳炎症を起こす仕組みを解明」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所/脳統合機能研究センター神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、富山大学、創価大学との共同研究で、アルツハイマー病をはじめとして、前頭側頭葉変性症、パーキンソン病、ハンチントン病など複数の神経変性疾患の病態に関与するタウ蛋白質が、脳内ミクログリアにおいて、エイズウィルスの細胞内受容体として知られている PQBP1 に認識されて、脳炎症を誘発する分子メカニズムを発見しました。この成果は、ウィルス感染症と神経変性疾患が自然免疫において共通性を持つことを示唆するものであり、神経変性を自然免疫の面からコントロールする可能性を開くものです。この研究は文部科学省科学研究費補助金(新学術領域・シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成)、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤 A)、文部科学省「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」などの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学雑誌Nature Communicationsにおいて、2021年11月15日午前10時(英国時間)にオンライン版で発表されます。

研究内容をみる

「妊婦の遺伝的高血圧リスクは胎盤への影響を介して児の出生体重を低下させる」【佐藤憲子 准教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子疫学分野の佐藤憲子准教授は、本学大学院医歯学総合研究科生殖機能協関学分野の宮坂尚幸教授らとの共同研究プロジェクトである出生前コホート研究BC-GENISTデータ等を解析し、妊婦の高血圧生涯リスクが遺伝的に高い場合、血管臓器である胎盤の発育低下を通じて、児の出生体重を低下させることをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌BMC Medicineに、2021年11月4日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「神経変性が加速する分子メカニズムを解明」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所/脳統合機能研究センター神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、理化学研究所、産業技術総合研究所、東京都医学総合研究所、イタリア・サンラファエル科学研究所などとの共同研究で、アルツハイマー病態におけるHMGB1を介した神経変性加速の分子メカニズムを解明し、神経変性と老化に共通する細胞死メカニズム、ならびに細胞繊毛のアルツハイマー病態への関与を合わせて発見しました。これによって、神経変性と老化の関係性に重要な知見を加えるとともに、岡澤教授の研究グループが進めてきたHMGB1抗体によるアルツハイマー病等への認知症治療開発の科学的根拠がさらに固まりました。この研究は文部科学省科学研究費補助金(新学術領域・シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成)、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤 A)、文部科学省「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」、日本医療研究開発機構「産学連携医療イノベーション創出プログラム」セットアップスキーム(ACT-MS)などの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、Springer Natureが発行する国際科学雑誌Communications Biologyにおいて、2021年10月11日午前10時(英国夏時間)にオンライン版で発表されます。

研究内容をみる

「ウイルスに由来するPEG10遺伝子は胎盤の血管構造維持に必須である」【石野史敏 名誉教授】

山梨大学大学院総合研究部生命環境学域 志浦寛相助教・幸田尚教授、東京医科歯科大学難治疾患研究所エピジェネティクス分野 石野史敏教授(現 東京医科歯科大学名誉教授)、東海大学医学部金児-石野知子教授らの研究グループは、哺乳類だけが持つ Peg10遺伝子のプロテアーゼ活性が胎盤の血管構造の維持に必須であり、妊娠中期から後期における正常な胎児の成長に重要な役割を持つことを、マウスモデルの実験で明らかにしました。この研究は、文部科学省科学研究費助成事業 基盤研究A(16H02478、19H00978)ならびに持田記念医学薬学振興財団研究助成による支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学雑誌Developmentに2021年9月24日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「加齢による皮膚再生能力低下の仕組みを解明」【難波大輔 准教授、西村栄美 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野の難波大輔准教授と西村栄美教授(東京大学医科学研究所・老化再生生物学分野教授兼任)の研究グループは、大阪大学の土岐博特任教授、国際医療福祉大学の松崎恭一主任教授、愛媛大学の佐山浩二教授および白石研講師との共同研究で、加齢による皮膚再生能力低下の原因が、XVII型コラーゲンの分解による表皮幹細胞の運動能低下であることをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、新学術領域研究「数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解」、武田科学振興財団、ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)『老化メカニズムの解明・制御プロジェクト』の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、米国科学誌Journal of Cell Biologyに、2021年9月22日午前10時(米国東部時間)にオンライン版で発表されます。

研究内容をみる

「神経障害の原因となるATP11A の亜致死性変異は、細胞膜ホスファチジルコリンの異常な反転を引き起こす」【瀬川勝盛 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所医化学分野の瀬川勝盛教授、大阪大学IFReC免疫・生化学研究室の長田重一教授らのグループは、哺乳類の細胞膜フリッパーゼとして同定していた ATP11A 遺伝子のヘテロ接合性点変異 (Q84E) を見出し、この点変異と神経障害と発達障害の関係を示しました。

研究内容をみる

「日本人食道扁平上皮癌のゲノム・エピゲノム・トランスクリプトーム異常の解明」【稲澤譲治 教授、谷本幸介 助教】

東京医科歯科大学疾患バイオリソースセンターの竹本暁特任助教、難治疾患研究所ゲノム解析室の谷本幸介助教、稲澤譲治センター長/教授らの研究グループは、公益財団法人がん研究会がん研究所の野田哲生所長、がんプレシジョン医療研究センターの森誠一プロジェクトリーダーとの共同研究で、日本人食道扁平上皮癌のエクソーム解析を行い、食道癌の予後に関連する遺伝子やその変異を同定しました。さらに、網羅的DNAメチル化解析、遺伝子発現解析を加えた統合的な解析を行うことで、遺伝子発現に相関を示すエピゲノム異常や、癌に特異的な対立遺伝子の発現不均衡(Allelic Expression Imbalance; AEI)といったトランスクリプトーム異常を明らかにし、その発癌機構の一端を解明しました。この研究成果は、文部科学省新学術領域研究(15H05908) 「癌システムの新次元俯瞰と攻略」、文部科学省科学研究費補助金(16K14630)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム(P-DIRECT)」、東京医科歯科大学難治疾患研究所難治疾患共同研究拠点の支援のもと遂行され、国際科学雑誌Cancer Science誌に、2021年8月12日にオンライン版で発表されました。

研究内容をみる

「スーパーエンハンサーを標的とするmiRNAを用いた核酸抗癌薬の可能性」【稲澤譲治 教授、玄泰行 助教】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞遺伝分野の玄泰行助教、稲澤譲治教授らの研究グループは、miR-766-5pがスーパーエンハンサー活性の抑制を介してMYCの発現を癌細胞特異的に抑制し、抗腫瘍効果を発揮することを見出しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金 (18H02688

研究内容をみる

「ペプチド中分子、ヘプタ・ヒスチジンによるタウ凝集阻害」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所/脳統合機能研究センター神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、広島大学などとの共同研究で、岡澤教授グループがハンチントン病の治療シーズとして報告したヘプタ・ヒスチジンが、タウタンパク質の凝集を阻害することを発見し、これによって、この中分子ペプチドがハンチントン病に加えて、アルツハイマー病や前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺(PSP) などのタウオパチーと呼ばれる複数の神経変性疾患の治療に向けて治療薬開発シーズとなりうることを示しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金(新学術領域・シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成)、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤 A)などの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、アメリカ化学会(American Chemical Society

研究内容をみる

「神経芽腫におけるマイクロRNAを用いた新規治療戦略の可能性」【稲澤譲治 教授、玄泰行 助教】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞遺伝分野の玄泰行助教、劉暢大学院生、稲澤譲治教授らの研究グループは、神経芽腫細胞に対して核酸抗癌薬のシーズであるmiR-3140-3pが抗腫瘍効果を発揮し、特にMYCN増幅神経芽腫細胞においてBET阻害剤耐性を克服する可能性があることを見出しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金 (18H02688

研究内容をみる

「高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムの解明」【西村 栄美 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野の西村栄美教授(東京大学医科学研究所・老化再生生物学分野 教授兼任)と森永浩伸プロジェクト助教らのチームは、ミシガン大学や東京理科大学などとの共同研究により、肥満を引き起こす要因が毛包幹細胞に働きかけ脱毛を促進する仕組みを突き止めました。この研究は、国際科学誌Nature(ネイチャー)に、2021年6月23日午後4時(英国夏時間)にオンライン版で発表されます。本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)『老化メカニズムの解明・制御プロジェクト』やアデランス社による実用化研究支援などの支援のもと行われました。

研究内容をみる

「代謝産物がRNAのメチル化を介して代謝酵素の量をフィードバック制御する」【黒柳秀人 准教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所の黒柳秀人准教授(現・琉球大学大学院医学研究科教授)と渡部栄地大学院生(現・株式会社日立製作所)らの研究グループは、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻の鈴木勉教授と石神宥真特任研究員、同大学院新領域創成科学研究科、筑波大学生存ダイナミクス研究センターとの共同研究で、メチル基供与体である S-アデノシルメチオニン(SAM)の合成酵素のメッセンジャーRNA(mRNA)が、メチル化修飾を受けて加工のパターン(選択的スプライシング)を切り替えることで、酵素の量がフィードバック制御される新しい遺伝子発現制御機構を明らかにしました。この研究は日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究および新学術領域研究「先進ゲノム支援」・「RNA タクソノミ」・「代謝統合オミクス」)の支援のもとで行われたもので、国際科学誌The EMBO Journalに、2021年6月21日正午(中央ヨーロッパ夏時間)にオンライン版で発表されます。

研究内容をみる