「エムポックスウイルスの増殖を抑える遺伝子を発見」【高山和雄 教授】
東京科学大学(Science Tokyo) 総合研究院 難治疾患研究所 人体模倣システム学分野の仲田吉孝特別研究学生、高山和雄教授らの研究グループは、2022年のエムポックスウイルス(MPXV)アウトブレイク株(2022 MPXV)と従来株を用いた感染実験を行い、2022 MPXV感染細胞で高発現するウイルス遺伝子を解析しました。
エムポックスは、エムポックスウイルス(MPXV)感染によって引き起こされる急性発疹性疾患です。これまで主に中央・西アフリカ地域で流行していましたが、2022年には世界的なアウトブレイクが発生しました。アウトブレイクを引き起こしたウイルス株(2022 MPXV)は、従来株とは異なる系統に属することが知られていましたが、そのウイルス学的性状についてはほとんど明らかにされていませんでした。
そこで研究グループは、MPXV従来株および2022 MPXVを細胞に感染させ、ウイルス遺伝子の発現量を解析しました。その結果、2022 MPXV感染細胞ではOPG175遺伝子が高発現していることが明らかになりました。さらに、OPG175遺伝子の機能を解析したところ、この遺伝子はWntシグナルの活性化を介してMPXVの複製を負に制御している可能性が示唆されました。
本研究成果は、2022 MPXVのウイルス学的特徴に関する理解を深めるものであり、今後の感染機構解明や治療法開発への応用が期待されます。
本成果は、国際科学誌「iScience」オンライン版において、2025年11月19日(現地時間)に発表されました。
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