「食道扁平上皮癌の治療標的としての代謝関連分子PDHXの同定」【稲澤譲治 教授】
東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞遺伝分野の井上純准教授、岸川正大大学院生、稲澤譲治教授らの研究グループは、本学頭頸部外科学分野 朝蔭孝宏教授との共同研究で、食道扁平上皮癌における新たな治療標的として、代謝関連分子PDHX(pyruvate dehydrogenase [PDH] component X)を同定しました。さらに、PDHXは、CD44と共遺伝子増幅により活性化し、協調的に機能することで癌幹細胞の増殖に寄与すること、そして、PDH 阻害剤 CPI-613 の投与は、食道扁平上皮癌に対する有効な治療戦略となることを示しました。この研究成果は、文部科学省新学術領域研究(15H05908) 「がんシステムの新次元俯瞰と攻略」、文部科学省科学研究費補助金(18K06954、18H02688)、東京医科歯科大学難治疾患研究所難治疾患共同研究拠点の支援のもと遂行され、国際科学雑誌 Cancer Science 誌に、2021年5月24日にオンライン版で発表されました。
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