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研究成果・プレスリリースFINDING / PRESS

研究成果・プレスリリース

「心臓発生を再現する試験管内心臓オルガノイド作製法の開発」【李知英 准教授、石野史敏 教授】

東京医科歯科大学大学難治疾患研究所エピジェネティクス分野の石野史敏教授と李知英准教授の研究グループは、同研究所生体情報薬理学分野、同大学医学部循環器内科、同大学院発生発達病態学分野、山梨大学生命環境学域のグループとの共同研究で、マウスES細胞から心房と心室構造を持つ心臓オルガノイドの作製技術の開発に成功しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金および東京医科歯科大学学長特命プロジェクト研究による支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Nature Communications(ネイチャーコミュニケーション)に、2020年9月3日午前10時(英国夏時間)にオンライン版で発表されました。

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「指定難病の鏡-緒方症候群はRTL1遺伝子の過剰発現で発症する」【石野史敏 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所エピジェネティクス分野の石野史敏教授の研究グループは東海大学の金児-石野知子教授および国立精神・神経医療研究センターおよび日本医科大学との共同研究で、ゲノムインプリンティング疾患であるテンプル症候群と鏡-緒方症候群における筋肉形態異常がそれぞれRTL1遺伝子の欠損あるいは過剰発現によることをマウスモデルを用いて実証しました。この研究は文部科学省科学研究費助成金ならびに旭硝子財団、上原記念生命科学財団助成金の支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学雑誌Developmentに2020年9月2日午前9時30分(英国夏時間)にオンライン版で発表されます。

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「PD-L1のアセチル化による核内移行制御の分子標的薬は抗PD-1抗体による癌免疫治療の効果を向上させる」【三木義男 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子遺伝分野の三木義男教授らの研究グループは、ハーバード大学医学大学院ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターのWenyi Wei教授、同大学ダナ・ファーバー癌研究所のGordon J. Freeman教授、Piotr Sicinski教授、国立がん研究センター研究所の尾野雅哉博士との共同研究によって、PD-L1が乳癌をはじめとする様々な癌細胞の核内にて免疫応答や炎症反応に関わる遺伝子の転写誘導を制御していることを明らかにし、その制御機構をつきとめました。また、マウスを用いた解析により、PD-L1の核内移行制御を標的とした阻害剤の投与が抗PD-1抗体による抗腫瘍効果を増強させることを明らかにしました。この研究は文部科学省の科学研究費補助金や日本学術振興会人材育成事業、早石修記念海外留学助成のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Nature Cell Biology誌に2020年8月24日にオンライン版で発表されました。また、本研究は雑誌内のnews&viewsに取り上げられました。

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「インターフェロンシグナル制御が腸幹細胞の維持に重要なことを発見」【樗木俊聡 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学分野の樗木俊聡教授らの研究グループは、慶應義塾大学医学部消化器内科学、本学医歯学総合研究科包括病理学、人体病理学、消化器病態学分野との共同研究により行った研究成果として、持続的なインターフェロン刺激が腸幹細胞の枯渇や機能低下の原因になることを発見しました。この研究成果は、国際科学誌Nature Cell Biology(ネイチャーセルバイオロジー)の2020年7月20日午後4時(英国夏時間)にオンライン速報版で発表されます。

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「片頭痛の前兆に関与する遺伝子をマウスで発見」【田中光一 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子神経科学分野の相澤秀紀 前准教授(現広島大学大学院医系科学研究科教授)と田中光一 教授の研究グループは、グルタミン酸輸送体GLT-1遺伝子が片頭痛の前兆における感受性に関与することを動物実験で明らかにしました。この研究は、日本医療研究開発機構(AMED)脳科学研究戦略推進プログラムならびに文部科学省科学研究費補助金の支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学誌GLIA(グリア)のオンライン版で発表されました。

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「疾患発症に関わる日本人の遺伝的特徴の解明」【稲澤譲治 教授】

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター統計解析研究チーム(研究当時)の鎌谷洋一郎チームリーダー、石垣和慶特別研究員、久保充明副センター長(研究当時)、東京大学の門脇孝名誉教授、山内敏正教授、東京医科歯科大学の稲澤譲治教授らの国際共同研究グループは、バイオバンク・ジャパンのゲノムデータを用いて、東北メディカル・メガバンク計画、JPHC研究、J-MICC研究と共同で日本人約21万人のゲノム解析を行い、27疾患に関わる320の遺伝的変異を同定し、そのうち重要な遺伝的バリアントについて、国立がん研究センターバイオバンク、国立長寿医療研究センターバイオバンクならびにOACIS研究の協力で再現性を確認しました。本研究成果は、疾患の病態の理解、疾患発症リスクの民族差の理解、個々人の遺伝子情報に基づく個別化医療の発展に貢献すると期待できます。今回、共同研究グループは、42疾患を対象とした東アジアにおける最大規模のゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施し、320の遺伝的変異を同定しました。そのうち25変異は、欧米での研究では検出されなかった新しい変異であり、虚血性心疾患に関連するATG16L2、肺がんに関連するPOT1、ケロイドに関連するPHLDA3などの遺伝子のタンパク質のアミノ酸配列を変える変異が含まれていました。また、このGWASの解析結果と転写因子の結合部位を統合する解析を実施し、疾患発症に関与する転写因子と疾患の378の組み合わせを同定しました。本研究は、科学雑誌『Nature Genetics』オンライン版(6月8日付:日本時間6月9日)に掲載されます。

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「障害を受けた腸の再生の中心的な役割を担う細胞を発見」【佐藤卓 講師、樗木俊聡 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学の樗木俊聡教授らの研究グループは、慶應義塾大学医学部、自治医科大学医学部との共同研究により行った研究成果として、障害を受けた腸再生の中心的な役割を担う細胞を特定しました。この研究成果は、国際科学誌Scientific Reports(サイエンティフィックレポート)の2020年5月22日午前10時(英国夏時間)にオンライン速報版で発表されます。

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「感染や炎症時、真の造血応答を観察できる新規解析法を開発」【金山剛士 助教、樗木俊聡 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学の樗木俊聡教授らの研究グループは、感染や炎症などの生体ストレス下でも正確に造血系の変化を解析できる方法を開発しました。この研究成果は、Blood(ブラッド)に 2020年5月21日にオンライン速報版で公開されました。

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「脳腫瘍のがん幹細胞が自らを犠牲にして再発に向かわせる新たな仕組みを発見」【椨康一 助教、田賀哲也 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞制御分野の椨康一助教、田賀哲也教授らの研究グループは、悪性脳腫瘍に生じる新しいプログラム細胞死を同定し、がん幹細胞の死産物が腫瘍促進性のマクロファージを誘導するという新たながん再発の仕組みを発見しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Stem Cells(ステムセルズ)に 2020年5月に出版予定で、それに先立ち2020年4月28日にオンライン版で発表されました。

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「難治性がんに腫瘍抑制効果を示すマイクロRNAを同定」【稲澤譲治 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞遺伝分野の玄泰行助教、稲澤譲治教授と大学院医歯学総合研究科顎口腔外科学分野の髙川祐希大学院生らの研究グループは、機能的マイクロ RNA ライブラリースクリーニングにより、多様な難治性がんに対して抗腫瘍効果のあるマイクロ RNA を同定しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金 (18H02688, 19K07709)、文部科学省新学術領域研究 (15H05908)「がんシステムの新次元俯瞰と攻略」などの支援のもと遂行され、その研究成果は、国際科学誌Molecular Therapy(モレキュラー セラピー)に、2020年4月11日にオンライン版で発表されました。

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「二種類のオートファジーを使い分けるメカニズムの解明」【清水重臣 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所病態細胞生物分野の鳥居プロジェクト講師、清水教授らの研究グループは、大阪大学、東邦大学との共同研究で、二種類のオートファジーの誘導を使い分けるメカニズムを初めて解明しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、日本医療研究開発機構などの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌 Nature Communications に、2020年4月9日午前10時(英国夏時間)にオンライン版で発表されます。

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「エストラジオール/GPERはin vitroで乳管構造の完全性に影響を与える」【三木義男 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子遺伝分野の三木義男教授、中西啓准教授、同大学院生の?宇らの研究グループは、三次元培養で作製した乳管モデルを用いて、エストラジオールが、IL-1βやMMP3を分泌させて基底膜や乳管を崩壊させるメカニズムをつきとめました。この研究は文部科学省の科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌 Scientific Reports に、2020年1月28日にオンライン版で発表されました。

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「アルツハイマー病の超早期細胞死の解明と新たな治療標的を発見」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所/脳統合機能研究センター神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、東京都健康長寿医療センター、名古屋大学、自治医科大学、慶応義塾大学、国立精神神経医療研究センター、国立シンガポール大学、バロー神経学研究所などのグループとの共同研究で、アミロイドベータ細胞外凝集の出現前の超早期段階に生じる細胞死が、その後のアルツハイマー病態進展の鍵を握ること、また、この細胞死を標的とする治療法(発症後にも適応可能)の開発が可能であることを実験的に示しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金(新学術領域・シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成)、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤A)ならびに平成26年度~平成30年度・文部科学省『革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト』(平成27年度から日本医療研究開発機構:AMEDへ移管)などの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Nature Communicationsに、2020年1月24日午前10時(英国時間)にオンライン版で発表されます。

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「がん抑制型miRNA-634 を創薬シーズとした核酸抗がん製剤を開発」【稲澤譲治 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞遺伝分野の井上純准教授、稲澤譲治教授ならびに同大学院生の五木田憲太朗らの研究グループは、がん抑制型 miR-634 を LNP に内包した“miR-634-LNP 製剤”を開発し、膵臓がんの担がんマウスにおいて、miR-634-LNP 製剤の全身投与による顕著な抗腫瘍効果を確認しました。この研究成果は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) 「次世代がん医療創生研究事業」(P-CREATE)、文部科学省新学術領域研究(15H05908) 「がんシステムの新次元俯瞰と攻略」および文部科学省科学研究費補助金(18K06954、18H02688)の支援のもと遂行され、国際科学雑誌 Molecular Therapy -Nucleic Acids に、2019年11月26日にオンライン版で発表されました。

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「バイオバンク横断検索システムの運用開始」【稲澤譲治 教授】

日本国内のバイオバンクで保有する試料・情報を一括して検索可能な「バイオバンク 横断検索システム」の開発を行い、運用を開始しました。本システムで検索対象なのは、わが国の3大バイオバンク(バイオバンク・ジャパン(BBJ)、東北メディカル・メガバンク計画(TMM)、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN))及び中核的な大学病院等の診療機関併設型バイオバンクである京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンター(KUB)、東京医科歯科大学疾患バイオリソースセンター(TMDU-BRC)、筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター(THB)、岡山大学病院バイオバンク(OBB)が保有する試料・情報です。

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「人工知能でゲノミクスを」【角田達彦 教授】

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター医科学数理研究チームの角田 達彦チームリーダー(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻医科学数理研究室教授、東京医科歯科大学難治疾患研究所医科学数理分野教授)らの国際共同研究グループは、人工知能技術の一つである「深層学習」で扱えるように、ゲノミクスデータなどの非画像データを画像データに変換する方法を開発しました。本研究は、英国のオンライン科学雑誌『Scientific Reports』(8月6日付け:日本時間8月6日)に掲載されます。

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「胎児成長パターンの多様性を発見」【佐藤憲子 准教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子疫学分野の佐藤憲子准教授と大学院医歯学総合研究科生殖機能協関学分野の宮坂尚幸教授は、胎児の成長速度には生理的に多様性があることを初めて明らかにしました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌 Scientific Reports に、2019 年8 月5 日午前10 時(英国時間)にオンライン版で発表されます。

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「好塩基球におけるアレルギー関連サイトカインIL-4の産生メカニズムを解明~これまで長らく不明確であったSTIM2の新たな機能を発見~」【安達貴弘 准教授】

東京医科歯科大学医歯学総合研究科免疫アレルギー学分野の吉川宗一郎助教(現岡山大学医歯薬学総合研究科細胞生理学分野)、烏山一特別栄誉教授と安達准教授らによる難治疾患共同研究拠点における共同研究の成果がScience signaling に発表(2019.4.9)されました。

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「遺伝子パネル解析より変異陰性であった乳幼児てんかん性脳症におけるゲノムコピー数異常の解析」【稲澤譲治 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 分子細胞遺伝分野 稲澤譲治教授と同・大学院医歯学総合研究科 顎顔面矯正学分野 森山啓司教授ならびに福岡大学てんかん分子病態研究所・医学部小児科教室の廣瀬伸一教授らの研究グループは、平林恭子大学院生、Daniela Tiaki Uehara特任助教らにより実施された研究において、乳幼児期に発症した後に重篤かつ進行性の脳機能障害を引き起こす乳幼児てんかん性脳症 (early-onset DEE;用語説明参照) の患者 83 例を対象とした解析を行い、潜在的なゲノムコピー数異常 (CNV) の解析とその病因性の評価の重要性を明らかにしました。本研究成果は、国際科学雑誌 Journal of Human Genetics (日本人類遺伝学会誌) に、2019年8月30日にオンライン版で発表されました。当該成果は文科省全国共同利用・共同研究拠点「難治疾患共同研究拠点」事業および文科省科研費若手研究(B) (ウエハラ ダニエラ チアキ)等の支援により得られたものです。

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「皮膚の若さの維持と老化のメカニズムを解明」【西村栄美 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野の西村栄美教授、松村寛行助教、劉楠氏らの研究グループは、同大学院皮膚科学分野の並木剛准教授らとの共同研究で、皮膚の老化の仕組みが、幹細胞競合による恒常性維持機構の疲弊によることをつきとめました。この研究はAMED『老化メカニズムの解明・制御プロジェクト』、ならびに文部科学省科学研究費補助金の支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Nature(ネイチャー)に、2019年4月3日午後6時(英国時間)、4月4日午前2時(日本時間)にオンライン版で発表されました。

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