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研究成果・プレスリリースFINDING / PRESS

研究成果・プレスリリース

「ビッグデータを用いた時系列トータルシミュレーションによって新しい病態・バイオマーカーを発見」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、北海道大学 佐々木秀直 名誉教授、同・矢部一郎教授、慶応義塾大学 岡野栄之教授との共同研究により、岡澤グループが開発した新たな時系列分子ネットワーク解析法(iMAD)を用いて、脊髄小脳失調症1型(spinocerebellar ataxia type 1, SCA1)のiPS細胞とモデルマウスのmRNA発現ビッグデータのスパコン解析結果を基に、発生初期から発症に至る分子病態進行を時系列シミュレーションし、SCA1の最初期に生じる新たな病態を明らかにしました。その研究成果は、Springer Natureの発行する国際科学雑誌Communications Biologyにおいて2024年4月9日にオンライン版で発表されました。本研究は、科学研究費補助金・基盤A・「脳老化・神経変性の連続性・非連続性の分子計算論的解明と予防医療への応用」ならびに、新学術領域「シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成」などの支援を受けたものです。

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「脾臓にmRNAを送り届け、ワクチンへ応用」【内田智士 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 先端ナノ医工学分野の内田教授の研究グループは、川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)、京都府立医科大学、杏林大学、東京大学との共同研究で、脾臓にmRNAを送り届けるナノ粒子を開発し、mRNAワクチンとしての有用性を実証しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、Wileyが発刊する国際科学誌Small Science誌に、2024年2月22日にオンライン版で発表されました。

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深層生成モデルを活用した細胞共局在ネットワーク解析ツール「DeepCOLOR」を開発【島村徹平 教授】

国立がん研究センター研究所計算生命科学ユニットの小嶋泰弘独立ユニット長(東京医科歯科大学難治疾患研究所計算システム生物学分野連携研究員)、東京医科歯科大学難治疾患研究所計算システム生物学分野の島村徹平教授(名古屋大学大学院医学系研究科システム生物学分野特任教授)、名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍病理学・分子病理学分野の三井伸二准教授、榎本篤教授、同大学院医学系研究科皮膚科学分野の秋山真志教授らの研究グループは、生体組織内の細胞間共局在関係を解析するための画期的な情報解析手法「DeepCOLOR」を開発しました。この手法は、一細胞トランスクリプトームデータと空間トランスクリプトームデータを統合し、深層生成モデルの枠組みを利用して、生体組織内の細胞間ネットワークを一細胞解像度で分析することを可能にする技術です。本解析手法をマウスの脳組織、ヒトの扁平上皮癌サンプル、SARS-CoV-2に感染したヒトの肺組織のデータに適用し、細胞間の共局在関係を網羅的に解析することにより、組織内で近接する細胞集団の同定や、細胞間コミュニケーションの分子機構の推定が可能となりました。細胞間コミュニケーションの理解は、細胞応答や疾患、組織の生物学的機能研究において不可欠です。DeepCOLORは、一細胞トランスクリプトームデータを用いて、細胞の組織内空間分布を復元し、一細胞レベルの共局在解析を実現することに成功しました。本解析手法は、細胞間コミュニケーションの分子メカニズムに関する網羅的なデータに基づく仮説の提案を可能にし、疾患の超早期段階からの予測や新規の創薬標的の探索に役立つと期待されます。本研究成果は、国際学術誌「Cell Systems」に2024年2月21日にオンライン掲載されました。

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「損傷ミトコンドリアがオートファジーで選択的に分解される作用機序を解明」【山野晃史 准教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所機能分子病態学分野の山野晃史准教授と松田憲之教授の研究グループは、名古屋大学、東京都医学総合研究所との共同研究で、筋萎縮性側索硬化症や緑内障の原因遺伝子産物であるOptineurinが損傷ミトコンドリアとオートファジー膜の接触部位に集積し、同じく筋萎縮性側索硬化症の原因タンパク質であるリン酸化酵素TBK1を活性化することで、損傷ミトコンドリアの分解を誘導することを発見しました。この研究は、文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア」、学術変革領域研究(A)「タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー」、日本医療研究開発機構AMED-CREST 「翻訳後修飾によるオルガネラ・ホメオスタシスの分子機構と生理作用の解明」、武田科学振興財団、難治疾患共同研究拠点経費の支援のものでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌EMBO Journalに、2024年1月29日にオンライン版で発表されました。

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「シャルコー・マリー・トゥース病のゲノム編集による治療法シーズを開発」【岡澤 均 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、京都大学・井上治久教授、京都府立医科大学・中川正法名誉教授、横浜市立大学・松本直通教授との共同研究により、代表的な末梢神経変性疾患であるシャルコー・マリー・トゥース病の原因遺伝子・PMP22のゲノム編集を用いた新たな治療方法を開発しました。その研究成果は、ネイチャー・ポートフォリオが出版する新しい国際科学雑誌Communications Medicineにおいて 2023年11月28日午前10時(英国時間)にオンライン版で発表されます。

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「膵がん幹細胞の生存環境を擬態するバイオ機能性ハイドロゲルの開発に成功」【椨 康一 講師】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 幹細胞制御分野の室田吉貴助教、田賀哲也教授、椨康一講師の研究グループは、同大学大学院医歯学総合研究科 分子腫瘍医学分野と英国エジンバラ大学との共同研究で、ヒト膵がん幹細胞の微小環境(ニッチ)を高活性に擬態する高機能性ハイドロゲルの開発に成功し、それを用いた解析から患者予後と高い相関を示す新規のニッチ因子を複数同定することに成功しました。この研究は主にAMED次世代がん医療創製研究事業(P-CREATE)「がん幹細機能性ポリマーによるグリオーマの新規治療標的探索」ならびに文部科学省科学研究費国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))「がん幹細胞制御性高分子ハイドロゲルによる新しいがん治療戦略の開発」の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Inflammation and Regeneration(インフラメーション アンド リジェネレーション)に2023年9月27日にオンライン版で発表されました。

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「原始線条形成制御因子としてセラミドを同定」【小藤智史 講師、仁科博史 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 発生再生生物学分野の小藤智史講師と仁科博史教授の研究グループは、神戸大学と国立医薬品食品衛生研究所との共同研究で、心臓や筋肉などに分化する中胚葉と肝臓や膵臓などに分化する内胚葉の基になる組織である原始線条形成を制御する因子の探索を行いました。その結果、原始線条形成を制御する可能性がある812種類の遺伝子を見出しました。それら遺伝子の中で最も多い遺伝子は物質代謝制御遺伝子であった。そこで、物質代謝関連酵素に着目し、解析を進めた結果、スフィンゴ脂質であるセラミドが原始線状形成を抑制することをつきとめました。さらに、原始線条形成抑制により外胚葉からの神経分化が促進されることを見出しました。本研究は文部科学省科学研究費補助金、厚生労働科学研究費補助金、公益財団法人セコム科学技術振興財団などの支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Stem Cells(ステム セルズ)に、2023年10月11日にオンライン版で発表されました。

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「胎生期の造血幹細胞の増殖・維持に寄与する新規遺伝子の同定」【田賀哲也 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 幹細胞制御分野 メリグ ゲレル大学院生、田賀哲也教授と中村学園大学 栄養科学部 栄養科学科 信久幾夫教授(東京医科歯科大学 非常勤講師併任)の研究グループは、東京医科歯科大学 実験動物センター、東京大学医科学研究所および農学生命科学研究科、京都大学iPS細胞研究所との共同研究で、胎生期に初めて造血幹細胞が出現する時期の造血幹細胞の維持に関与する転写因子Sox17の新たな分子機構として、Ras interacting protein 1 (Rasip1)遺伝子の発現制御領域に直接作用し発現を誘導することが、造血能維持に必要であることを突き止めました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに難治疾患共同研究拠点経費の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Inflammation and Regeneration(インフラメーション アンド リジェネレーション)に、2023年8月8日にオンライン版で発表されました。

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「パーキンソン病原因タンパク質・αシヌクレインの新しい伝播様式」【岡澤 均 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、東京都健康長寿医療センターとの共同研究により、代表的神経変性疾患であるパーキンソン病の原因タンパク質・αシヌクレインの新たな伝播(拡散)様式を明らかにしました。その研究成果は、国際科学雑誌 Cell Reports (IF=9.9) において2023年8月16日にオンライン版で発表されました。

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「PARK22 遺伝子変異によるパーキンソン病の発症メカニズムの解明」【清水重臣 教授、鳥居 暁 プロジェクト准教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 病態細胞生物分野の鳥居暁プロジェクト准教授、清水重臣教授、順天堂大学大学院医学研究科神経学の佐藤栄人先任准教授、服部信孝教授の研究グループは、PARK22/CHCHD2変異によるパーキンソン病の発症メカニズムを明らかにしました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、日本医療研究開発機構などの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌EMBO Molecular Medicineに、2023年8月14日にオンライン版で発表されました。

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「脂肪酸代謝を介した脳の修復メカニズムを発見 」【七田 崇 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 神経炎症修復学分野の中村朱里大学院生、酒井誠一郎助教、七田崇教授らと、東京大学大学院医学系研究科の村上誠教授らの研究グループは、東京都医学総合研究所、慶應義塾大学との共同研究で、脳梗塞後に産生される脂肪酸代謝物が脳梗塞巣周辺部に生き残った神経細胞に作用してシトルリン化酵素PADI4の発現を誘導し、PADI4によるヒストンタンパク質がシトルリン化されることによって神経修復で働く遺伝子の発現が増加する新たな神経修復メカニズムを発見しました。また、PADI4の発現を誘導する神経修復性の脂質を脳梗塞モデルマウスに投与すると、脳梗塞後の神経症状が改善されることを示しました。この研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的先端研究開発支援事業AMED-CREST「生体組織の適応・修復機構の時空間的解析による生命現象の理解と医療技術シーズの創出」およびAMED-PRIME「画期的医薬品等の創出をめざす脂質の生理活性と機能の解明」、文部科学省科学研究費補助金、東レ科学振興会、武田科学振興財団、上原記念生命科学財団、MSD生命科学財団、千里ライフサイエンス振興財団、小野医学研究財団の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Neuronに、2023年7月24日にオンライン版で発表されました。

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「オートファジー活性測定が可能な蛍光試薬の開発」【清水重臣 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 病態細胞生物学分野の桜井一助教と清水重臣教授の研究グループは、オートファジー進行度を可視化できる蛍光試薬を、株式会社同仁化学研究所の岩下秀文研究員、石山宗孝試薬開発本部長との産学連携研究によって開発いたしました。また、開発した試薬は、通常のオートファジーの他に、ゴルジ体を利用してタンパク質分解を行うGolgi-membrane associated degradation (GOMED)も標識することを明らかにしました。これまでオートファジーやGOMEDの進行度を可視化するためには遺伝子導入が必須でしたが、本研究の成果により生体負荷の少ない手法での評価が可能になりました。また、培養細胞のみならずゼブラフィッシュにおいてもオートファジーを認識できることを見出し、今後の生体への応用が期待されます。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌iScience(アイサイエンス)に、2023年6月27日にオンライン版で発表されました。

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「DNA損傷ストレスによる新たな細胞応答メカニズムの解明」【清水重臣 教授、辻岡政経 プロジェクト講師】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 病態細胞生物学分野の清水重臣教授と辻岡政経プロジェクト講師の研究グループは、兵庫医科大学 大村谷昌樹教授、近畿大学 早坂晴子准教授、大阪大学 水島恒和教授、金沢大学 福間剛士教授の研究グループとの共同研究で、DNA損傷ストレスに対する細胞応答の新規メカニズムを明らかにしました。この応答では、DNA損傷ストレスに反応した細胞が、FRNKと呼ばれるタンパク質の作用により接着を増強します。さらに研究グループは、この応答が、DNA損傷ストレスから生体組織を守る一方、がんの悪性化を促進することをつきとめました。FRNKを標的とした新たながん治療への応用が期待されます。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Cell Death & Diseaseに、2023年4月8日にオンライン版で発表されました。

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「新たな眼の難治疾患を発見」【東 範行 非常勤講師】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 発生再生生物学分野の東 範行博士(前・国立成育医療研究センター病院眼科診療部長・研究所視覚科学研究室室長)と仁科博史教授の研究グループは、国立成育医療研究センター分子内分泌研究部の深見真紀部長、システム発生・再生医学研究部の高田修治部長、東京工業大学 生命理工学院の山口雄輝教授らとの共同研究で、多彩な眼の先天形成異常を示す新たな疾患を見いだし、その原因がmRNA の形成に関わる遺伝子の突然変異によって、mRNA 形成の仕組みが阻害されることを明らかにしました。当研究所の目的である難治疾患の原因解明と治療において、新しい眼の難治疾患が見つかり、新たな発生機転が明らかになったことは大きな意義があります。
 なお、本研究はJSPS基盤研究A (17K19738)、AMED難治性疾患研究事業 (17ek0109217h0001)、成育医療開発研究 (28-2) (いずれも研究代表者 東 範行).等の支援により行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Human Molecular Geneticsに、2023年3月27日オンライン版で発表されました。

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「胎生期の神経幹細胞が低酸素環境に適応して自己複製する仕組みを解明」【田賀哲也 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 幹細胞制御分野 田賀哲也教授の研究グループは東京医科大学 医学部医学科 組織・神経解剖学分野 柏木太一助教(東京医科歯科大学 非常勤講師併任)との共同研究で、胎生期のマウス脳において血管が未発達な時期の低酸素環境下では、神経幹細胞が血管内皮細胞増殖因子(VEGF-A)を分泌し自らに作用させて自己複製を促進するという生存戦略によって脳の形成に寄与することをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに難治疾患共同研究拠点経費の支援のもと、主に高沢友輝大学院生(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 幹細胞制御分野:研究当時)によって行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Inflammation and Regeneration(インフラメーション アンド リジェネレーション)に、2023年2月1日にオンライン版で発表されました。

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「感染時に出現する調節性B細胞が自然免疫細胞の供給を高めることを発見」【樗木俊聡 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 生体防御学分野の樗木俊聡(おおてき としあき)教授、金山剛士(かなやま まさし)助教らの研究グループは、慶應義塾大学医学部微生物・免疫学教室、ドイツハイデルベルグ大学免疫研究所との共同研究により行った研究成果として、感染時に出現する調節性B細胞の産生するインターロイキン10(IL-10)が骨髄系細胞の供給を増強することを発見しました。この研究成果は、国際科学誌Journal of Experimental Medicine (ジャーナルオブエクスペリメンタルメディシン)の2023年1月31日にオンライン版で発表されました。

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「オートファジー成熟過程を可視化する新規手法の開発」【桜井一 プロジェクト助教、清水重臣 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 病態細胞生物学分野の清水重臣教授と桜井一プロジェクト助教の研究グループは、新たなアプローチでオートファジーを可視化する手法を開発いたしました。開発した新規手法によって、2種類の異なる仕組みからなるオートファジーが細胞内で使い分けられていることを証明することに成功しました。本研究成果により、2種類のオートファジー経路を別々に制御できるような新薬の検討が可能となり、オートファジー関連疾患の新規治療薬開発につながるものと期待しています。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Scientific Reports(サイエンティフィックリポーツ)に、2022年12月27日にオンライン版で発表されました。

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樗木俊聡教授らの「プラズマサイトイド樹状細胞は自然リンパ球である」という提起がNature Reviews Immunologyに掲載されました

樹状細胞は生体内で最も優れた抗原提示能力をもつ細胞です。タンパク質抗原を取り込んだ後、リンパ管を通って所属リンパ節に移動、取り込んだタンパク質抗原をペプチド断片に分解後にMHC分子と共に提示してT細胞を活性化します。樹状細胞は大きく従来型樹状細胞とプラズマサイトイド樹状細胞に分類されると言われてきましたが、樗木俊聡教授らが欧米の研究者と共にさまざまな研究報告を分析した結果、大部分のプラズマサイトイド樹状細胞は抗原提示能力に乏しく血流を介してリンパ節に移動することから樹状細胞としての条件を満たしておらず、むしろNK細胞やILC細胞と同じ自然リンパ球に属する細胞であることを提起しました。

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「核小体の構造形成の仕組みを解明」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所/脳統合機能研究センター神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、金沢大学などとの共同研究で、細胞にとって必須の細胞内小器官である核小体の構造の形成・維持において、PQBP5が主要な働きをしていることを発見しました。この成果は、細胞の本質的理解に重要であるばかりでなく、がん、老化、神経変性などの様々な生命現象を理解し、コントロールする可能性を開くものです。この研究は日本学術振興会科学研究費補助金(基盤 A)、文部科学省科学研究費補助金(新学術領域・シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成)、文部科学省「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」などの支援のもとでおこなわれ、その研究成果は、国際科学雑誌Nature Communicationsにおいて 2023年1月4日午前10時(英国時間)にオンライン版で発表されます。

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「遺伝性の神経障害を引き起こすWNK1/HSN2変異体の機能解明」【澁谷浩司 教授、清水幹容 助教】

東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞生物学分野の澁谷浩司教授と清水幹容助教の研究グループは、遺伝性運動感覚ニューロパチーⅡ型の原因とされる患者由来WNK1/HSN2変異体が、正常なWNK1/HSN2やGSK3βと結合することでその機能を阻害し、下流のシグナル伝達経路を抑えることで、神経分化を阻止することを明らかにした。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Scientific Reports に、2022年9月23日にオンライン版で発表されました。

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