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研究成果・プレスリリースFINDING / PRESS

研究成果・プレスリリース

「インターフェロン応答を制御する経時的なアイソフォームスイッチングの役割」【高地雄太 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 バイオデータ科学研究部門 ゲノム機能多様性分野の高地雄太教授と上田真保子助教の研究グループは、慶應義塾大学、国立国際医療研究センターとの共同研究を通じて、高精度な長鎖RNAシーケンシング技術を用いて、ヒトB細胞におけるインターフェロン応答に伴う転写物アイソフォームの時間的変化を詳細に解析し、インターフェロン応答時に発現する特定のアイソフォームが、免疫システムのフィードバック調節に重要な役割を果たすことが明らかにしました。この研究成果は、文部科学省科学研究費補助金ならびに日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Cell Genomics (セルゲノミクス)に、2024年9月16日にオンライン版で発表されました。

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「深層生成モデルを活用した一細胞解像度での細胞状態遷移解析ツールの開発」【島村徹平 教授、小嶋泰弘 連携研究員】

名古屋大学医学部医学科学生の間島滉一郎、国立がん研究センター研究所 計算生命科学ユニットの小嶋泰弘独立ユニット長(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 計算システム生物学分野連携研究員)、東京医科歯科大学 難治疾患研究所 計算システム生物学分野/名古屋大学大学院医学系研究科 システム生物学分野の島村徹平教授らの研究グループは、生体組織内の細胞間共局在関係を解析するための画期的な情報解析手法「LineageVAE」を開発しました。この手法は、scRNA-seqとLineage Tracing法を統合し、深層生成モデルの枠組みと同一バーコードを有する細胞系統は共通の祖先細胞をもつ姉妹関係にあるという性質を利用して、実験的には観測することができない、観測された細胞の祖先の細胞状態や過去の逐次的な遺伝子発現、転写因子による遺伝子制御ネットワークを一細胞解像度で分析することを可能にする技術です。本解析手法をマウス骨髄由来前駆細胞の造血現象、線維芽細胞から内胚葉前駆細胞へのダイレクトリプログラミング現象のデータに適用し、多数の細胞種や運命へと分岐する複雑な生命現象における観測されたそれぞれの細胞の祖先の細胞状態や、一細胞解像度で過去の遺伝子発現を通じた細胞状態遷移制御機構の推定が可能となりました。細胞状態遷移を制御する機構の理解は、分化や発生、細胞応答、疾患、老化などの動的な生命現象の研究において不可欠です。LineageVAEは、scRNA-seqデータと Lineage Tracing データを用いて、それぞれの細胞の過去の状態遷移を復元し、一細胞解像度での共局在解析を実現することに成功しました。本解析手法は、細胞間相互作用の分子メカニズムに関する網羅的なデータに基づく仮説の提案を可能にし、再生医療の研究や新規の創薬標的の探索に役立つと期待されます。本研究成果は、国際学術誌「Bioinformatics」に2024年8月22日にオンライン掲載されました。

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「深層生成モデルを活用した一細胞レベルのmRNAスプライシングと分解の解析」【島村徹平 教授、小嶋泰弘 連携研究員】

名古屋大学医学部附属病院卒後臨床研修・キャリア形成支援センターの水越周良研修医、国立がん研究センター研究所 計算生命科学ユニットの小嶋泰弘独立ユニット長(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 計算システム生物学分野連携研究員)、東京医科歯科大学 難治疾患研究所 計算システム生物学分野/名古屋大学大学院医学系研究科システム生物学分野の島村徹平教授らの研究グループは、各遺伝子の代謝を解析するための新規の情報解析手法「DeepKINET」を開発しました。この手法は、一細胞トランスクリプトームデータと、RNA速度モデル、深層生成モデルの枠組みを利用して、遺伝子のスプライシングと分解の速度を一細胞解像度で分析することを可能にする技術です。本解析手法を神経細胞、乳癌、骨髄異形成症状群のデータに適用し、各遺伝子のmRNAのスプライシングや分解を網羅的に解析することにより、RNA結合タンパク質の機能や、スプライシング因子の変異の影響の推定を行いました。mRNAのスプライシングや分解の理解は、遺伝子発現制御メカニズムの解明において不可欠であり、特にがんの発生や進行について新たな知見を提供します。DeepKINETは、一細胞トランスクリプトームデータを用いて、一細胞レベルでmRNAの動態を解析することに成功しました。本解析手法は、遺伝子発現制御の分子メカニズムに関する網羅的なデータに基づく仮説の提案を可能にし、新規の治療標的の探索に役立つと期待されます。本研究成果は、国際学術誌Genome Biologyに2024年9月6日にオンライン掲載されました。

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「老化と神経変性疾患の関係性を、核小体分子PQBP3が説明する」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、金沢大学・安藤敏夫・特任教授らとの共同研究を通じて、老化と神経変性疾患の関連性の分子基盤を明らかにしました。その研究成果は、国際科学雑誌The EMBO Journalにおいて2024年8月5日にオンライン版で発表されました。本研究は、科学研究費補助金・基盤A・「脳老化・神経変性の連続性・非連続性の分子計算論的解明と予防医療への応用」ならびに、AMED革新的先端研究開発支援事業「革新的AI 開発による分子ストレス-個体ストレスの統合的理解と新規ストレス病態発見」(AMED-CREST)などの支援を受けたものです。

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「関節リウマチの治療薬の作用機序の一端を解明」【小松紀子 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 免疫制御学分野の小松紀子教授は、東京大学大学院 医学系研究科 免疫学の高柳広教授の研究グループならびに慶應義塾大学、埼玉医科大学、東京大学医学部付属病院との共同研究により、関節リウマチの治療薬である JAK阻害剤のおもな標的の一つが線維芽細胞のオンコスタチンMシグナル経路であることをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、AMED 免疫アレルギー疾患実用化研究事業ならびに JST 創発的研究支援事業の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Inflammation and Regenerationに、2024年7月31日午前1時(中央ヨーロッパ時間)にオンライン版で発表されます。

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「単球を介した急性炎症期の新しい炎症制御機構を発見」【樗木俊聡 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生体防御学分野の樗木 俊聡(おおてき としあき)教授、金山 剛士(かなやま まさし)准教授らの研究グループは、東京医科歯科大学 血液内科学分野との共同研究により、全身性炎症の急性期では、炎症の重篤度に依存して末梢組織から単球が排除されることを、敗血症のマウスモデルやキメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T細胞)療法後にサイトカイン放出症候群(CRS)を発症した患者において発見し、このシステムが過度な炎症を抑制する安全弁の役割を果たすことを明らかにしました。この研究成果は、内藤記念科学振興財団、かなえ医薬振興財団、第一三共生命科学研究振興財団の支援のもとで行われたもので、Frontiers in Immunology誌の2024年7月8日にオンライン版で公開されました。

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「長鎖シーケンスによるヒト免疫細胞のRNAデータベースの構築」【高地雄太 教授、稲毛純 非常勤講師】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 バイオデータ科学研究部門ゲノム機能多様性分野の高地雄太教授・稲毛純特別研究員-PDと、京都大学大学院薬学研究科の石濱泰教授と、慶應義塾大学医学部内科学(リウマチ・膠原病)教室の金子祐子教授と、理化学研究所生命医科学研究センターの鈴木亜香里上級研究員、石垣和慶チームリーダー、山本一彦センター長との共同研究グループは、転写産物の多様性が複雑疾患の発症に関与するメカニズムの解明のために、長鎖RNAシーケンス技術を用いてヒト免疫細胞に特化した転写産物のデータベース(TRAILS)を開発しました。TRAILSを活用した解析によって、自己免疫疾患などの新規発症メカニズムが明らかとなりました。その研究成果は、国際科学誌Nature Communicationsに、2024年5月28日にオンライン版で発表されました。

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「自己免疫疾患全身性エリテマトーデス(SLE)の発症抑制の仕組みの解明」【鍔田武志 名誉教授】

東京医科歯科大学の鍔田武志名誉教授(難治疾患研究所分子構造情報学分野非常勤講師、日本大学歯学部客員教授)と難治疾患研究所 分子構造情報学分野の伊藤暢聡教授は、新潟大学、日本大学歯学部との共同研究で、代表的な自己免疫疾患の1つ全身性エリテマトーデス(SLE)の発症を疾患特異的に抑制する仕組みをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Journal of Autoimmunityに、2024年5月15日にオンライン版で発表されました。

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「ビッグデータを用いた時系列トータルシミュレーションによって新しい病態・バイオマーカーを発見」【岡澤均 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、北海道大学 佐々木秀直 名誉教授、同・矢部一郎教授、慶応義塾大学 岡野栄之教授との共同研究により、岡澤グループが開発した新たな時系列分子ネットワーク解析法(iMAD)を用いて、脊髄小脳失調症1型(spinocerebellar ataxia type 1, SCA1)のiPS細胞とモデルマウスのmRNA発現ビッグデータのスパコン解析結果を基に、発生初期から発症に至る分子病態進行を時系列シミュレーションし、SCA1の最初期に生じる新たな病態を明らかにしました。その研究成果は、Springer Natureの発行する国際科学雑誌Communications Biologyにおいて2024年4月9日にオンライン版で発表されました。本研究は、科学研究費補助金・基盤A・「脳老化・神経変性の連続性・非連続性の分子計算論的解明と予防医療への応用」ならびに、新学術領域「シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成」などの支援を受けたものです。

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「脾臓にmRNAを送り届け、ワクチンへ応用」【内田智士 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 先端ナノ医工学分野の内田教授の研究グループは、川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)、京都府立医科大学、杏林大学、東京大学との共同研究で、脾臓にmRNAを送り届けるナノ粒子を開発し、mRNAワクチンとしての有用性を実証しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、Wileyが発刊する国際科学誌Small Science誌に、2024年2月22日にオンライン版で発表されました。

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深層生成モデルを活用した細胞共局在ネットワーク解析ツール「DeepCOLOR」を開発【島村徹平 教授】

国立がん研究センター研究所計算生命科学ユニットの小嶋泰弘独立ユニット長(東京医科歯科大学難治疾患研究所計算システム生物学分野連携研究員)、東京医科歯科大学難治疾患研究所計算システム生物学分野の島村徹平教授(名古屋大学大学院医学系研究科システム生物学分野特任教授)、名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍病理学・分子病理学分野の三井伸二准教授、榎本篤教授、同大学院医学系研究科皮膚科学分野の秋山真志教授らの研究グループは、生体組織内の細胞間共局在関係を解析するための画期的な情報解析手法「DeepCOLOR」を開発しました。この手法は、一細胞トランスクリプトームデータと空間トランスクリプトームデータを統合し、深層生成モデルの枠組みを利用して、生体組織内の細胞間ネットワークを一細胞解像度で分析することを可能にする技術です。本解析手法をマウスの脳組織、ヒトの扁平上皮癌サンプル、SARS-CoV-2に感染したヒトの肺組織のデータに適用し、細胞間の共局在関係を網羅的に解析することにより、組織内で近接する細胞集団の同定や、細胞間コミュニケーションの分子機構の推定が可能となりました。細胞間コミュニケーションの理解は、細胞応答や疾患、組織の生物学的機能研究において不可欠です。DeepCOLORは、一細胞トランスクリプトームデータを用いて、細胞の組織内空間分布を復元し、一細胞レベルの共局在解析を実現することに成功しました。本解析手法は、細胞間コミュニケーションの分子メカニズムに関する網羅的なデータに基づく仮説の提案を可能にし、疾患の超早期段階からの予測や新規の創薬標的の探索に役立つと期待されます。本研究成果は、国際学術誌「Cell Systems」に2024年2月21日にオンライン掲載されました。

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「損傷ミトコンドリアがオートファジーで選択的に分解される作用機序を解明」【山野晃史 准教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所機能分子病態学分野の山野晃史准教授と松田憲之教授の研究グループは、名古屋大学、東京都医学総合研究所との共同研究で、筋萎縮性側索硬化症や緑内障の原因遺伝子産物であるOptineurinが損傷ミトコンドリアとオートファジー膜の接触部位に集積し、同じく筋萎縮性側索硬化症の原因タンパク質であるリン酸化酵素TBK1を活性化することで、損傷ミトコンドリアの分解を誘導することを発見しました。この研究は、文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア」、学術変革領域研究(A)「タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー」、日本医療研究開発機構AMED-CREST 「翻訳後修飾によるオルガネラ・ホメオスタシスの分子機構と生理作用の解明」、武田科学振興財団、難治疾患共同研究拠点経費の支援のものでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌EMBO Journalに、2024年1月29日にオンライン版で発表されました。

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「シャルコー・マリー・トゥース病のゲノム編集による治療法シーズを開発」【岡澤 均 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、京都大学・井上治久教授、京都府立医科大学・中川正法名誉教授、横浜市立大学・松本直通教授との共同研究により、代表的な末梢神経変性疾患であるシャルコー・マリー・トゥース病の原因遺伝子・PMP22のゲノム編集を用いた新たな治療方法を開発しました。その研究成果は、ネイチャー・ポートフォリオが出版する新しい国際科学雑誌Communications Medicineにおいて 2023年11月28日午前10時(英国時間)にオンライン版で発表されます。

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「膵がん幹細胞の生存環境を擬態するバイオ機能性ハイドロゲルの開発に成功」【椨 康一 講師】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 幹細胞制御分野の室田吉貴助教、田賀哲也教授、椨康一講師の研究グループは、同大学大学院医歯学総合研究科 分子腫瘍医学分野と英国エジンバラ大学との共同研究で、ヒト膵がん幹細胞の微小環境(ニッチ)を高活性に擬態する高機能性ハイドロゲルの開発に成功し、それを用いた解析から患者予後と高い相関を示す新規のニッチ因子を複数同定することに成功しました。この研究は主にAMED次世代がん医療創製研究事業(P-CREATE)「がん幹細機能性ポリマーによるグリオーマの新規治療標的探索」ならびに文部科学省科学研究費国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))「がん幹細胞制御性高分子ハイドロゲルによる新しいがん治療戦略の開発」の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Inflammation and Regeneration(インフラメーション アンド リジェネレーション)に2023年9月27日にオンライン版で発表されました。

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「原始線条形成制御因子としてセラミドを同定」【小藤智史 講師、仁科博史 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 発生再生生物学分野の小藤智史講師と仁科博史教授の研究グループは、神戸大学と国立医薬品食品衛生研究所との共同研究で、心臓や筋肉などに分化する中胚葉と肝臓や膵臓などに分化する内胚葉の基になる組織である原始線条形成を制御する因子の探索を行いました。その結果、原始線条形成を制御する可能性がある812種類の遺伝子を見出しました。それら遺伝子の中で最も多い遺伝子は物質代謝制御遺伝子であった。そこで、物質代謝関連酵素に着目し、解析を進めた結果、スフィンゴ脂質であるセラミドが原始線状形成を抑制することをつきとめました。さらに、原始線条形成抑制により外胚葉からの神経分化が促進されることを見出しました。本研究は文部科学省科学研究費補助金、厚生労働科学研究費補助金、公益財団法人セコム科学技術振興財団などの支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Stem Cells(ステム セルズ)に、2023年10月11日にオンライン版で発表されました。

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「胎生期の造血幹細胞の増殖・維持に寄与する新規遺伝子の同定」【田賀哲也 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 幹細胞制御分野 メリグ ゲレル大学院生、田賀哲也教授と中村学園大学 栄養科学部 栄養科学科 信久幾夫教授(東京医科歯科大学 非常勤講師併任)の研究グループは、東京医科歯科大学 実験動物センター、東京大学医科学研究所および農学生命科学研究科、京都大学iPS細胞研究所との共同研究で、胎生期に初めて造血幹細胞が出現する時期の造血幹細胞の維持に関与する転写因子Sox17の新たな分子機構として、Ras interacting protein 1 (Rasip1)遺伝子の発現制御領域に直接作用し発現を誘導することが、造血能維持に必要であることを突き止めました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに難治疾患共同研究拠点経費の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Inflammation and Regeneration(インフラメーション アンド リジェネレーション)に、2023年8月8日にオンライン版で発表されました。

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「パーキンソン病原因タンパク質・αシヌクレインの新しい伝播様式」【岡澤 均 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 神経病理学分野の岡澤均教授の研究グループは、東京都健康長寿医療センターとの共同研究により、代表的神経変性疾患であるパーキンソン病の原因タンパク質・αシヌクレインの新たな伝播(拡散)様式を明らかにしました。その研究成果は、国際科学雑誌 Cell Reports (IF=9.9) において2023年8月16日にオンライン版で発表されました。

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「PARK22 遺伝子変異によるパーキンソン病の発症メカニズムの解明」【清水重臣 教授、鳥居 暁 プロジェクト准教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 病態細胞生物分野の鳥居暁プロジェクト准教授、清水重臣教授、順天堂大学大学院医学研究科神経学の佐藤栄人先任准教授、服部信孝教授の研究グループは、PARK22/CHCHD2変異によるパーキンソン病の発症メカニズムを明らかにしました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、日本医療研究開発機構などの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌EMBO Molecular Medicineに、2023年8月14日にオンライン版で発表されました。

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「脂肪酸代謝を介した脳の修復メカニズムを発見 」【七田 崇 教授】

東京医科歯科大学難治疾患研究所 神経炎症修復学分野の中村朱里大学院生、酒井誠一郎助教、七田崇教授らと、東京大学大学院医学系研究科の村上誠教授らの研究グループは、東京都医学総合研究所、慶應義塾大学との共同研究で、脳梗塞後に産生される脂肪酸代謝物が脳梗塞巣周辺部に生き残った神経細胞に作用してシトルリン化酵素PADI4の発現を誘導し、PADI4によるヒストンタンパク質がシトルリン化されることによって神経修復で働く遺伝子の発現が増加する新たな神経修復メカニズムを発見しました。また、PADI4の発現を誘導する神経修復性の脂質を脳梗塞モデルマウスに投与すると、脳梗塞後の神経症状が改善されることを示しました。この研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的先端研究開発支援事業AMED-CREST「生体組織の適応・修復機構の時空間的解析による生命現象の理解と医療技術シーズの創出」およびAMED-PRIME「画期的医薬品等の創出をめざす脂質の生理活性と機能の解明」、文部科学省科学研究費補助金、東レ科学振興会、武田科学振興財団、上原記念生命科学財団、MSD生命科学財団、千里ライフサイエンス振興財団、小野医学研究財団の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Neuronに、2023年7月24日にオンライン版で発表されました。

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「オートファジー活性測定が可能な蛍光試薬の開発」【清水重臣 教授】

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 病態細胞生物学分野の桜井一助教と清水重臣教授の研究グループは、オートファジー進行度を可視化できる蛍光試薬を、株式会社同仁化学研究所の岩下秀文研究員、石山宗孝試薬開発本部長との産学連携研究によって開発いたしました。また、開発した試薬は、通常のオートファジーの他に、ゴルジ体を利用してタンパク質分解を行うGolgi-membrane associated degradation (GOMED)も標識することを明らかにしました。これまでオートファジーやGOMEDの進行度を可視化するためには遺伝子導入が必須でしたが、本研究の成果により生体負荷の少ない手法での評価が可能になりました。また、培養細胞のみならずゼブラフィッシュにおいてもオートファジーを認識できることを見出し、今後の生体への応用が期待されます。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌iScience(アイサイエンス)に、2023年6月27日にオンライン版で発表されました。

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