抗体精製
準備:
予め3rd bleedの血清で抗体のチェックをで行っておく。前日から血清(全採血、なければ3rd bleed)を溶かしておく。
(自家製抗体の場合は25〜30mlの血液から1/5程度の血清がとれる)
各精製fractionの確認用のメンブレンをあらかじめ用意しておく。
GST、抗原があるか確認。
1. NHS-activated columnに抗原をカップリングする
原理:
- 買った状態のときゲルの活性基はイソプロでブロックされている
- ゲルを活性化:1mM HClで活性化させてアミノ基をカップリング(共有結合)可能にする
- サンプルチャージ:サンプルとカップリング(全部は吸着されない)
- ブロック:BufferA(アルカリ、塩)エタノールアミンでゲルをブロック
- wash:BufferB(酸、塩)余分なタンパクを洗い流す。
Buffer
- 1mM HCl (35〜37%のはMW = 36.46なので10 N )
- 2 x Coupling Buffer
0.4 M NaHCO3 (MW; 84.01) 3.36 13.44 (g) 1 M NaCl (stock; 5M) 20 80 (ml) pH8.3に合わせてメスアップ 100 400 (ml)
- BufferA
0.5M ethanolamine(16.4M) 3.05 12.2 (ml) 0.5M NaCl (stock; 5M) 10 40 (ml) pH8.3に合わせてメスアップ 100 400 (ml)
- BufferB
0.1M acetate (1M) 10 40 (ml) 0.5M NaCl (5M) 10 40 (ml) pH8.3に合わせてメスアップ 100 400 (ml)
- Binding Buffer
20mM Tris-HCl pH7.4 (stock; 1M) 10 (ml) 0.5M NaCl (5M) 50 (ml) 500 (ml)
- BufferC
Binding Buffer + 0.1% sodium azide (NaN3)
10%sodium azide50μl/ 5ml
準備
あらかじめカラムが2本あることを確認 (抗原カラムとGSTカラムが必要)- 抗原サンプルをon iceで溶かす (時間がかかる)
- エッペンチューブを1サンプルにつき3本用意する。
- original
- FT 1 (Flow Through 1)
- FT 2 (Flow Through 2)
- 電気泳動用にゲルをたてておく (ゲル濃度確認する)
サンプル1μl + DW 13μl + 3xSDS 7μl
カラム作成(抗原カラムとGSTカラムが必要)
- サンプル(2mg/ml↑に濃縮)500μlと2xCoupling Buffer 500μlを混ぜる。
final 1xCoupling Buffer に抗原が1〜5 mg/ml 以上溶けている状態にする (1ml以内)
これを1 mlシリンジに吸っておく - サンプル+2x coupling bufferを10μlづつ準備したoriginalのエッペンにいれて電気泳動用にする
- カラムの準備
カラム:@ローターの冷蔵庫のルアーアダプターの箱
2.5 ml シリンジ、18G針- カラムにサンプル名をラベル
- ついているふた(アダプター) をとってシリンジのエアを抜き、1mM
HCl を空気が入らないようにルアーアダプターをつける。
ルアーアダプターの口にもエアが入らないように液を垂らし、0.22μmのフィルターをつけその上にシリンジをさす。 - エンド(下のふた)をはずす
- カラムの前処置(イソプロの除去)
1mM HClを5ml シリンジに6ml いれて2秒に1滴以下のペースでおとす - サンプルのチャージ
- で作ったサンプルを1mlシリンジにいれて(ロスがないようにシリンジ内のbuffer、エアを抜き、針を刺してサンプルを吸う)針をはずしてエアを抜く。アダプターの上に0.22μmのフィルターをつけ、その上にシリンジをとりつけ、注意深くチャージ(ゆっくりめに)
→FT1 のエッペン on ice
カラムはキャップをしてパラフィルムをかける(室温30分静置)
- で作ったサンプルを1mlシリンジにいれて(ロスがないようにシリンジ内のbuffer、エアを抜き、針を刺してサンプルを吸う)針をはずしてエアを抜く。アダプターの上に0.22μmのフィルターをつけ、その上にシリンジをとりつけ、注意深くチャージ(ゆっくりめに)
- Buffer A : 6 ml x 1 → はじめの1cc をFT2
- Buffer B : 6 ml x 1
- Buffer A : 6 ml x 1
- 15 〜20分 RT (下にキャップをつけてシリンジはつけっぱなし)
*ここで電気泳動を開始 → original > FT1 > FT2 と薄くなるはず - Buffer B : 6 ml x 1
- Buffer A : 6 ml x 1
- BufferB : 6 ml x 1
- Binding Buffer : 5ml
2. 抗体精製
原理 (作成した抗体から抗GST抗体を取り除く)
血清には抗GST抗体が混じっている- GSTカラムに抗GST抗体をつける
- 1)のFTを抗原カラムに通してカラムに目的の抗体をつける
- 目的の抗体をelution する
準備
エッペンチューブ (origin、FT1、FT2)用意血清7mlとBinding Buffer3mlを混ぜ、0.22μmのフィルターを通して50 cc tubeへ → ***originとして(10μlをとっておく)***
* 1回の精製に7ml使用。残りの血清は7mlづつ分注し、-80℃保存。
手順(低温室で作業する)
- ペリスタポンプ
ペリスタポンプは細いチューブのほうを使用
レバー(流れる向き)を確認
ラインにFLOW RATEx10で2分間Binding Bufferを通して洗浄する。
*連結部が無事か、リークがないか確認
- GSTカラム、抗原カラムの平衡化
GSTカラム、抗原カラムそれぞれににBinding Bufferを通す。
FLOW RATEx1、目盛り5.5 ml/h (0.5 ml/min)で20分。
*カラムを連結するときは上を先に開けて、チューブをつないでから下を開
ける。この際、絶対に空気をいれないこと。エアが入らないように連結部に
は液を垂らす。
*抗原カラムは使用するまでエンド、アダプターをつけて保存
- GSTカラムに血清をチャージ
3回チャージした後1.5 時間循環させる
- 抗原カラムにチャージ
抗原カラムにかえる。
最初の10μlをFT1(タンパクに対する抗体があるかチェック用)として保存。
3回チャージしてovernightで循環させる
- 抗原カラムの洗浄
FTをFT2(orgin / FT)として30μl 保存
*残りは万が一のため保存しておく
Origin/FTからBinding Bufferにチューブの先を急いでうつして2時間ロードする
3. Elution
準備
- 15 cc コーニングチューブ8本に1〜8の番号を打ち、
1〜4の4本には800μl 1.5M Tris-HCl(pH8.8) をいれておく (on ice) - pH試験紙を小さく切って白い紙の上においておく
- WBのメンブレンをブロックまでしておく
手順
- ラインの先を1Mのプロピオン酸につけて2分(チューブ容量)、別のチ
ューブに廃液をいれる - 1本目(fraction)のチューブに3mlになるまで集める
- 2,3,4本目も次々に3mlになるまで集めてその間に前のチューブを
1.5M Tris-HCl (ph8.8)でpH7.0〜7.4にあわせる
チューブはon iceにおいておく - 4本目が始まったら先を4.3M MgCl2にかえる。5本目からMgCl2になる。
- 5〜7fractionを3mlになるまで集めてその間に前のチューブを1.5M
Tris-HCl (ph8.8)でpH7.0〜7.4にあわせる - WB開始。Origin、FT1、FT2、fractiopn1 ̄8を1:100でWBし、どのfraction
がよいかみる
ラインの先をBinding Bufferにつけて30分wash
*1〜8のfractionのvolumeをメモしておく
*濃縮のためにセントリコンを洗い始める
WB
どのfractionがいいかを決定。Fraction2が通常もっともよい。
4. 精製抗体の縮濃
- BSAをfinal 0.1 mg/mlになるように加える(最終的に500μl程度になるように濃縮するので、10mg/mlのBSAを5μl加える)。
- セントリコンで500μl程度になるまで濃縮(rotor no.46、5000rpm、4℃、30min位ごとにcheckして上をからさないように注意)
- 50μlづつ10本に分注(チューブのふたには抗体名とfraction番号をかく)
すぐつかう抗体を4℃の冷蔵庫の「精製抗体」の箱に入れて残りは-80℃保存