細胞染色
細胞染色用PBS:市販のPBS粉末(1袋1リットル分)をmilliQ水でとかしたもの
<1> 細胞の固定、permeabilize、blocking
<ホルマリン固定>
3.7%ホルマリン溶液:ホルムアルデヒド(36〜38%)をPBS(細胞染色用*以下同様)で10倍希釈
3.5 cm dishの場合
↓ | PBS 1.5ml/dishでwash×2回 |
↓ | 3.7%ホルマリン/PBS 1.5ml/dish、室温、15分 |
↓ | ホルマリンは回収して廃液入れに捨てる dishをPBS 1.5ml/dishでwash×2回 |
↓ | 50mM glycine/PBS 1.5ml/dish、室温、30分(アルデヒド基をブロック) *この状態で2、3日4℃で保存可. |
↓ | PBS 1.5ml/dishでwash×2回 |
<メタノール固定>
↓ | PBS 1.5ml/dishでwash×2回 |
↓ | cold メタノール(-20℃)1.5ml/dish、-20℃、15分 |
↓ | dishをPBS 1.5ml/dishでwash×2回 |
↓ | Permeabilizeするとき、 0.2% TX‐100/PBSを1.5ml/dish加える。室温、15分 Bovine Serum Albumin (BSA) を冷蔵庫から出し、室温にしておく この間に1%BSA/PBSと1%BSA/0.1%TX‐100/PBSを作製 Permeabilizeしないときは、この過程をとばして次のblockingの過程に入る |
↓ | dishをPBSでwash ×3回 |
↓ | Blocking Permeabilizeしたとき、 1%BSA/PBSを1.5ml/dish添加、室温、30分 Permeabilizeしないときは、blockingをきつくする 3%BSA/PBSを1.5ml/dish添加、室温、30分. |
↓ | PBSでリンス一回 |
<2> 1次抗体
↓ | 1.5cc tubeに各抗体+1%BSA/0.1%TX‐100/PBS (50μl/カバースリップ) Permeabilizeしないときは、1%BSA/PBS(TX‐100は入れない)。 |
↓ | 15cm dishのフタにパラフィルムを敷き、その上に抗体溶液を垂らし、カバースリップを乗せる. |
↓ | 水で濡らしたキムワイプを入れて加湿をしておく 4℃、overnight |
<3> 2次抗体 可能な限り遮蔽して行う
↓ | 1.5cc tubeに各2次抗体+1%BSA/0.1%TX‐100/PBS (2次抗体は1:200で使用、50μl/カバースリップ)抗体は遮蔽しておく Permeabilizeしないときは、1%BSA/PBS |
↓ | 混合した抗体の溶液を遠心15000rpm、10分、4℃ |
↓ | 12wellのdishに0.1%TX‐100/PBSを1.5ml/dish入れ、カバースリップを15cm dishから細胞面を上にして移す. PermeabilizeしないときはPBSのみ(TX‐100は入れない)。 |
↓ | 室温、5分 ×3回 |
↓ | 15cm dishにパラフィルムを敷き、その上に抗体溶液を垂らし、カバースリップを乗せる. 室温、2時間 or 4℃、4時間 (加湿をしておく) |
↓ | 12wellのdishに0.1%TX‐100/PBSを1.5ml/dish入れ、カバースリップを15cm dishから細胞面を上にして移す. PermeabilizeしないときはPBSのみ(TX‐100は入れない)。 |
↓ | 室温、5分×3回 |
↓ | PBS 1.5ml/dish、室温、5分 |
<4> 包埋
↓ | 蛍光染色用のカバーガラス上に30μl 95%glycerol/5%PBSを垂らし, カバースリップの水気を充分にきり, 細胞接着面を下にして乗せる.*気泡が入らないように注意. |
↓ | キムタオルの間にはさみ、上からチューブ立てなど均一に力のかかるものでしっかり押す. |
↓ | 透明マニキュアでカバースリップのまわりを封印して乾燥を防ぐ. |
↓ | 黒い箱など遮蔽できるものに入れて冷蔵庫保存する. |
TranswellでのMDCK細胞の培養、染色
(Costar 3413 : 6.5mm Transwell, Polycarbonate Membrane, 24well size)
<培養>
↓ | トランスウェルのフィルター上に生えている細胞は顕微鏡で見えない。 そこで、24wellサイズのトランスウェルのフィルターの面積は96ウェルプレートとほぼ同じ(0.33cm2)なので、96ウェルにも同じ細胞数まいて観察用とする。 コンフルエント(島ではなくウェルの底面全体が細胞におおわれている状態)になってからさらに3〜4日培養。 染色は固定後50 mMグリシン/PBSの状態で4℃保存できるので、コンフルエントになってから3日後、4日後、5日後とそれぞれ50 mMグリシン/PBSの状態にしておいて、一度に染色するのも可。 |
↓ | 新しい24wellにmediumを600 ml入れる。 24wellサイズのトランスウェルをピンセットで無菌的に取り出し、mediumを入れた24wellに入れる。 細胞を1x106 cell / mlになるように調整して、upper chamber へ100 ml(1x105cells)。 (イエローチップで、フィルターを傷つけないように、トランスウェルの壁面をつたわらせて入れる。)同様に96wellにも100 mlまく(観察用)。 |
↓ | 残りのトランスウェルはビニールテープで封をし、アルミホイルに包んで、クリーンベンチの中に入れておく。 |
<染色>
PBSリンス2回
↓ 3.7 %ホルムアルデヒド/PBS 室温、15分
↓ 50 mMグリシン/PBS 室温、30分
↓ PBS wash 5分×2回
↓ 0.2% TritonX-100/PBS 室温、15分
↓ PBS wash 5分×3回
↓ 1% BSA/PBS 室温、30分
↓ 一次抗体/1% BSA/0.1% TritonX-100/PBS 4℃、overnight
↓ 0.1% TritonX-100/PBS wash 5分×3回
↓ 二次抗体/1% BSA/0.1% TritonX-100/PBS 室温、2〜3時間
(二次抗体溶液を15000rpmで15分遠心するのを忘れずに)
↓ 0.1% TritonX-100/PBS wash 5分×3回
↓ PBS wash 5分×1回
↓ 包埋
トランスウェルフィルターを乾かさないように注意。
PBS wash、固定、グリシンブロック、permeabilize、BSAブロッキングは使いまわしの24well内で行う。
(24well内にあらかじめ固定液やPBS wash 3回分とか入れておく。トランスウェルをピンセットで持ち上げ、フィルター内の液をイエローチップで捨て、次の液の入ったウェルに移す。トランスウェルの中にイエローチップでそっと液を入れる。アスピレーターは使わないほうが無難。)
一次抗体とインキュベートするときは、12ウェル内にパラフィルムを敷き抗体溶液を少量たらし、その上にトランスウェルを置き、トランスウェル内にも抗体溶液を添加する。乾燥対策を忘れずに(となりのウェルにミリQ水をいれておく、12ウェルのフタをしパラフィルムでシールする)。
washは24well内で。
二次抗体とインキュベートするときもパラフィルムの上で行う。乾燥対策。
<包埋>
- スライドガラスに95% glycerol / 5% PBSを少量たらしておく。
- フィルターをトランスウェルからくりぬく。
- フィルターを底からウェルの丸型に沿ってカッター(ディスポのでよい)で切り抜く。
- この時全部くりぬかずにちょっと残しておいて、ピンセットでフィルターをつかんで引きちぎるようにはずす。
- そのまま細胞面が上(カバーガラスの染色の時とは逆なので注意)になるように、フィルターをスライドガラスへ。
- フィルターの上にさらに95% glycerol / 5% PBSを少量たらす。
- カバーガラスで蓋をし(airを入れないように)、マニキュアで封入する。
- したがって、プレパラートはスライドガラス、グリセロール、フィルター(細胞面上)、グリセロール、カバーガラス、となる。
- *観察のとき、apical面とbasal面が通常と上下が逆になることに注意。
細胞染色用poly-L-Lysine coated coverslipの準備
poly-L-Lysine hydrobromide(培養室の冷凍庫)(Sigma P-2636)1M Borate buffer pH 8.5(培養室の冷蔵庫)
- 1.24g boric acid
- 1.9g borax (sodium borite)
- 400 ml milliQ水→オートクレーブ
↓ | 0.1% poly-L-Lysine / 0.1M Borate buffer pH 8.5の作製. |
↓ | Poly-L-Lysineを冷凍庫から出し室温に10min.。 |
↓ | poly-L-Lysineを0.1M Borate buffer pH 8.5で溶解し1mg/1cc=0.1%にする。 |
↓ | よくピペッティングすること。溶けたと思ってからさらに10回はピペッティング。 |
↓ | 溶液を0.22μmのフィルターに通して滅菌。 |
↓ | 6cm dishにカバースリップ(硝酸処理後、水洗し、180℃、4hrs乾熱滅菌したもの)を専用のピンセットを火で炙って並べる。6cm dishに5枚のカバースリップが並べられる。 |
↓ | 0.1%poly-L-Lysine / 0.1M Borate pH 8.5を3ml。 |
↓ | アルミホイルをかけて、クリ−ンベンチ内でover night。 |
↓ | カバースリップを6cm dishに並べたままDWで3回、mediumで1回洗う。 |
↓ | 3.5 cm dishに入れて、細胞をまく。 |