Glia primary culture
*海馬初代培養用のグリア細胞は、初代培養を行う2週間前に調製しておく。
用意するもの
- 初代培養一式(ピンセット、ハサミ、ガラスシャーレ、ビーカーはオートクレーブしておく。)
- 10 % Horse serum / MEM
- 0.25 % Tripsin(EDTAは入っていない。)
- 1 mg/ml DNase
- Horse serum (37℃で解かしておく。)
- L15 medium
- レンズフィルター(オートクレーブしておく。)
手順
P0またはP1のラット(5匹〜6匹)。
↓ 氷中に5 min 程度入れて麻酔する。
以下の作業は、全てクリーンベンチ内で行う。
↓ 取り出して、70 %エタノールの入ったビーカーに丸ごと沈める。
↓ ハサミで断頭し、ガラスシャーレの上で全脳を取り出す。
↓ 取り出した脳は、L15入りガラスシャーレへ。ガラスシャーレは氷上。
↓ 全ての脳を取り終わったら、クリーンベンチ内に顕微鏡を持ち込む。
↓ 顕微鏡下で、大脳皮質をメスで切り取る。
↓ 髄膜をピンセットで取り除く。全体的に白っぽくなる。
↓ ピンセットで細かくする。(パスツールピペットで吸えるぐらいまで。)
↓ パスツールで吸って、L15が10 ml入った50 mlチューブに移す。
50 mlチューブは氷上。
↓ 全ての皮質を取り終わったら、50 mlチューブの上清をピペットで取り除く。−@
↓ 10 ml PBSを加える。(沈殿が浮く。)−A
↓ 氷上で2〜3 min静置。−B
↓ @〜Bを5回繰り返す。
↓ 沈殿に0.25 % Tripsinを5 mlと1 mg/ml DNaseを50 μl(final 10 μg/ml)
加える。
↓ 37℃で15 min incubate
↓ Horse serumを5 ml(Tripsinと等量)加えて、Tripsinを失活させる。
↓ 遠心。600 rpm, 5 min
↓ 上清はピペットで取り除く。
*沈殿はやわらかいので吸わないように注意する。ぎりぎりまで吸う必要はない。
↓ | 10 % Horse serum / MEMを10 ml加えて、ピペッティング。 |
↓ | 10回程度ピペッティングして沈殿の大きな塊がほぐれてきたら、10 mlのピペットの先にブルーチップをつけて更に30回程度、塊がなくなるまでピペッティング。 |
↓ | レンズフィルターを新しい50 mlチューブの上にセットし、その上に10 mlのシリンジを取り付けて、フィルターにかける。 |
↓ | 自然にぽたぽた落ちるのでそのまま静置。 |
↓ | フィルターが済んだら10 cm dishにまく。10 cm dishにあらかじめ10 mlづつ10 % Horse serum / MEMを入れておく。目安は10 cm 1枚/匹。適宜調整する。 |
↓ | 37℃、5 % CO2インキュベーターへ。 |
↓ | 3〜4日後、medium change(neuronなどの非接着細胞が浮いてくる。) |
↓ | グリア細胞がきちんと接着して広がるまで更に2〜3日かかる。 |
↓ | プレップ後、1週間程度たったら1:2にスプリットする。 |
↓ | スプリット後、グリア細胞がきちんと接着して広がったら(2日後ぐらい)、まき直して海馬初代培養に使用する。 |
グリア細胞のスプリット
↓ medium除去。
↓ 1 ml 0.25 % Tripsin/10 cm dish加える。
*PBSで洗わなくて良い。
↓ 37℃、5 min程度。
↓ 細胞がはがれてきたら、10 % Horse serum / MEMで回収。
*Total 10 mlになるようにmediumを加えると良い。→50 mlチューブへ。
↓ 遠心。600 rpm, 5 min
↓ 上清除去。
↓ 沈殿に10 mlのmediumを加えて、10 mlのピペットの先にブルーチップをつけてピペッティング。10回。
↓ 1:2になるように10 cm dishにまく。
↓ 以降、4〜5日に1回スプリットを繰り返して1ヶ月ぐらいは良い状態で培養できるが、だんだん増えが悪くなってくる。
*海馬初代培養を週に1回行うとしたら、グリアの培養は2週〜3週に1回行えば良い。