「アルツハイマー病の新規病態と遺伝子治療法の発見」【岡澤均 教授】
東京医科歯科大学・難治疾患研究所/脳統合機能研究センター・神経病理学分野の岡澤 均教授の研究グループは、アルツハイマー病のモデルマウスを用いて、アルツハイマー病超早期に生じるSRRM2タンパク質リン酸化の病的意義を明らかにしました。SRRM2リン酸化は核内部のSRRM2減少につながり、更にRNAスプライシング関連タンパク質(特に発達障害原因タンパク質PQBP1)の減少、シナプス関連タンパク質の発現低下、さらにシナプス障害を引き起こし、最終的に認知症状を引き起こしていることを明らかにしました。この研究は、東京医科歯科大学神経病理学分野の博士課程学生・田中ひかり、同・近藤和、助教・藤田慶太らが主に行ったもので、平成26年度から始まった文部科学省『革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト』(平成27年度から日本医療研究開発機構:AMEDへ移管)で実施されました。また、一部は、脳科学研究戦略推進プログラム課題E、新学術領域研究『シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成』の支援を受けました。その研究成果は、国際科学誌Molecular Psychiatry(モレキュラー・サイキアトリー)に、2018年10月3日にオンライン版で発表されました。
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