「アルツハイマー病の原因遺伝子を新しく同定」【角田達彦 教授】
理化学研究所(理研)生命医科学研究センター医科学数理研究チームの角田達彦チームリーダーらの共同研究グループは、マウスとヒトのデータを統合的に解析することで、アルツハイマー病の原因遺伝子を新たに同定しました。本研究成果は、アルツハイマー病の発症メカニズムのさらなる解明、そして疾患関連遺伝子探索のためのヒトとモデル動物とのトランスレーショナル研究の発展に貢献すると期待できます。今回、共同研究グループは、アルツハイマー病の原因となる未知の遺伝子を同定するために、マウスの遺伝子発現と表現型の関連データと、ヒトのアルツハイマー病のゲノムワイド関連解析(GWAS)のデータとを統合的に解析しました。その結果、これまでにアルツハイマー病との関係が知られていない遺伝子を新たに検出しました。このように、ヒトとモデル動物からの異なるタイプのデータを統合解析することで、これまでヒトのGWASだけでは検出されなかった新しい疾患関連遺伝子を発見できる可能性があることが明らかになりました。今回開発した手法は、他の疾患の研究にも応用できると考えられます。本研究は、国際科学雑誌『Human Genetics』(7月号)の掲載に先立ち、オンライン版(7月13日付け)に掲載されました。
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