肝細胞癌に対する切除可能性分類とは
近年肝細胞癌の薬物療法は飛躍的な進歩を遂げ、手術以外の治療選択肢が大きく広がりました。肝細胞癌の最良の治療は手術による切除ですが、技術的には手術による切除が可能であっても、手術後早期に再発を起こしてしまい、手術のみでは十分な治療効果が得られないケースもあります。このようなケースに対しては、手術治療と薬物治療の組み合わせ(集学的治療)が大きく期待されています。
一方で、「切除が可能かどうか」「切除を行うべきかどうか」の判断は、手術を行う医師や施設によって大きく異なる状況にあり、その判別を行うための共通した指標を確立することが大きな課題となっています。
このような背景を受け、当教室の赤星講師は日本肝癌研究会および日本肝胆膵外科学会の合同プロジェクトにおいて、「肝細胞癌の腫瘍学的切除可能性分類」を提唱しました。この新分類では、肝細胞癌を画像検査に基づき R: resectable、BR1: borderline resectable 1、BR2: borderline resectable 2 の3つに区分し、手術治療を行うことが可能か・適切かを判断します。今後の肝細胞癌集学的治療への貢献が期待されています。
肝細胞癌の腫瘍学的切除可能性分類(BR-HCC Expert Consensus 2023)
| R resectable |
切除単独で他治療より明らかに良好な治療効果を見込める条件 |
|---|---|
| BR1 borderline resectable 1 |
切除単独では一般に治療効果は不良だが、集学的治療の一環としての切除により治療効果が期待できる条件 |
| BR2 borderline resectable 2 (initially unsuitable for resection) |
切除による治療効果について十分な科学的根拠がなく、集学的治療の中で手術を行うべきかを慎重に判断すべき条件 |
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Akahoshi K, et al. Liver Cancer 2024
