胆管がんの手術

 胆管がんの手術術式は、腫瘍のできた場所や広がりよって異なります。例えば、下の図を参考にしてみてください。

(図は全て、日本消化器外科学会ホームページ(2015年3月)から引用)

肝切除+肝外胆管切除について

 肝臓は左と右に大きく分かれていますが、肝門部で肝臓に流入する血管(肝動脈・門脈)も左右に分かれます。肝門部は肝臓の中心であるために、そこにできてしまった腫瘍はなかなか「困った」場所にできてしまった腫瘍と言えます。たいていは肝門部にできたとはいえ、右か左かのどちらかに偏って広がっているので、広がっている方の肝臓を切除します。

肝切除+肝外胆管切除

このとき中心部にできた腫瘍を取るために、肝臓を部分的に切除することはできませんので、左か右かの肝臓を切除しなければならないのです。さらに肝臓の外の上部〜中部胆管までを切除します。

膵頭十二指腸切除について

 胆管の下流は、膵臓を貫いて十二指腸に至ります。こちらの方にがんができてしまった場合は、膵臓への浸潤や、膵臓の周囲へのリンパ節への転移を起こすようになりますので、膵臓の頭部と、そこに付着する十二指腸を一緒に切除しなければなりません。

膵頭十二指腸切除について

肝切除+肝外胆管切除+膵頭十二指腸切除について

 胆管にそって広範囲に広がっている場合、上記の2つの手術を組み合わせないと切除できない場合があります。しかし、この手術は合併症が多い手術であり、切除範囲が大きいので体への負担があることも事実です。また残念ながら「広範囲に広がっている」=「進行している」ことも多いため、この手術の適応を考える場合は慎重でなければなりません。

chevron-small-up