「ヒトiPS細胞由来呼吸器オルガノイドを用いたRSウイルス感染症研究」【高山和雄 教授】
橋本里菜研究員(京都大学 CiRA増殖分化機構研究部門・研究当時、現・東京科学大学 総合研究院 難治疾患研究所)、高山和雄講師(京都大学 CiRA同部門・研究当時、現・東京科学大学 同研究所)、渡邉幸夫研究員(京都大学 CiRA同部門・研究当時)らの研究チームは、ヒトiPS細胞より分化誘導した呼吸器オルガノイドを用いて、RSウイルス感染時における宿主応答を解析しました。また、ヒト呼吸器オルガノイドを用いてRSウイルスに対するモノクローナル抗体および米国でRSウイルス感染症の治療薬として認可されている リバビリンの抗ウイルス効果を評価しました。研究チームが開発したヒト呼吸器オルガノイドは、呼吸器上皮細胞だけでなくマクロファージや線維芽細胞、血管内皮細胞を含んでいるため、炎症などをより正確に再現することができます。本研究では、RSウイルスを感染させたヒト呼吸器オルガノイドを用いて、RSウイルス感染時のヒト呼吸器における宿主応答を詳細に解析しました。また、ヒト呼吸器オルガノイドを用いてモノクローナル抗体およびリバビリンの抗ウイルス効果の比較を行いました。以上より、ヒト呼吸器オルガノイドはRSウイルス感染症病態解析および創薬研究のための有用なツールとなる可能性が示唆されました。
この研究成果は2025年4月23日に「Life Science Alliance」でオンライン公開されました。
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