当科について

形成・再建外科学分野
形成・美容外科について

教授挨拶

大学院医歯学総合研究科
形成・再建外科学分野

森 弘樹 教授

形成外科は身体に生じた組織の異常や変形、欠損に対して、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくする科であり、厚生労働省が標榜診療科と定めていますが、私が本学を卒業した平成5年には独立した講座がありませんでした。その時代に前皮膚科教授である西岡 清先生は「医科歯科大学にも形成外科を創りたい」と話され、開拓者となることに魅力を感じた私は平成4年に発足した皮膚科形成外科診療班の門を叩きました。その後、大学および関連施設での研修、北海道大学での国内留学を経て、形成外科の本質を理解し魅了されていきます。医学部を志す前は建築・都市工学を考えた時期もあり、「創造する」ことが好きだったともいえます。本学に戻った平成11年に西岡先生の言葉通りに初代教授 秦 維郎先生のもとで講座が開設され、以後は大学において臨床、研究、教育活動に従事してまいりました。当初は本学における形成外科への理解が低く、患者さんの数も少なめでしたが、秦先生、二代教授 岡崎 睦先生のご尽力で順調に発展し、手術件数は近年ではレーザー治療を含めて1000件を超えるようになりました。現在の特色として頭頸部再建、乳房再建、眼形成外科、難治性皮膚潰瘍、皮膚悪性腫瘍、手外科・四肢再建、顎顔面、顔面神経麻痺の領域が柱となっています。私は乳房再建、眼形成、皮膚悪性腫瘍、顎顔面の症例を多く担当し、「一刀入魂」の思いで患者さんと向き合い、その治療成績を報告してまいりました。
私の使命はこの教室をさらに発展させて世界の形成外科に負けない、キラリと光る存在にしていくことです。形成外科の魅力は美しく治す外科、創造する外科であること、それによってQOLを圧倒的に高めることです。日頃の教育でその魅力を伝え、多くの人に参加してもらいたいと思っています。そして腕の立つ外科医を育てるとともに優れた研究者・指導者を育て、センター病院や地域基幹施設からクリニックまで、様々な関連施設と相互に高め合うことで、求心力を高め、誇りの持てる組織を作っていきたいと考えています。診療の方向性としては現状を維持しつつ、各領域をミニセンター化する方向で進んでいきます。それぞれの領域において革新的な治療を開発するために、関連施設とも協力して研究を進めてまいります。基礎研究についてはこれまでの基盤をもとに今後も学内の基礎医学教室にご協力いただき、再生医療研究の一端を担いたいと考えています。

私を育ててくれた東京医科歯科大学、そして形成外科の発展ために持てる力を尽くしてまいりますので、皆様方の暖かいご指導とご支援を賜れれば幸いに存じます。