生涯免疫医療実装講座
2016年~2024年度の9年間、小児から成人・高齢者に至る免疫難病疾患の診療体制の確立、データベース構築・解析、診療指針策定および病態解明を全視野的に行うことを目的とした研究を行ってきた。その研究は、膠原病・リウマチ内科および小児科が連携して、「難病に小児科/内科の枠組みなし」の思想の下、免疫難病の研究・教育・診療体制の構築を進めるこれまで類をみない研究であり、国内の既存研究で、本研究に匹敵する研究はなく、国際的にも小児、成人、高齢者を、全人的に生涯を通じて連続性を保持したまま診療・研究しようとする試みもなかった。これまで蓄積してきた業績・成果をもとに、2024年7月1日から生涯免疫医療実装講座(ジョイントリサーチ講座)としてリニューアルし、小児から高齢者にわたる生涯診療の在り方を模索・提示するため、医療に実装していく研究を展開している。
臨床の概要
本研究によって、生涯を通じた難病全般の診療と基礎・臨床研究の刷新と充実を図り、その結果、免疫難病を扱う膠原病学、リウマチ学、臨床免疫学、炎症学の全分野でシームレス研究および診療体制の確立を目指すことができた。直近3年間の研究期間で、①小児から高齢者まで生涯にわたるリウマチ性疾患における分子標的薬等のファーマコビジランスの継続 を行いつつ、②小児リウマチ・膠原病疾患に対するデータベースの構築と解析および成人・高齢者症例との比較検討を兼ねた疫学研究を主軸として、継続的に精力的に行ってきた。
研究内容
本邦における小児リウマチ・膠原病患者に関する疫学研究やエビデンスに基づく診断基準・重症度分類の適正評価と診療ガイドラインの策定
疾患バイオリソースセンターを活用した全エクソン解析、次世代シークエンス解析、免疫マーカー研究による、小児から成人までにみられる免疫難病疾患全般の病態解明
小児から高齢者まで縦断的に難病を診られるハイブリッドリウマチ医の育成
膠原病・リウマチ内科および小児科の連携による診療体制の確立
臍帯由来間葉系細胞の免疫調整メカニズムを利用した自己免疫疾患に対する新規治療開発研究