診療内容・診断科

 診断科は各々の分野の専門家がなるべく少ない侵襲による確実な診断、治療を担当している。
主にCT, MRIを対象とする画像診断部門、IVR(血管内治療)部門、核医学部門、乳腺部門にわかれ、若手とともに相互に連携して診療、研究にあたっている。
 2015年10月から全件読影し、2019年より画像診断加算3を取得している。

CT,MRI

 CT装置 5台 (192列 1台、128列 1台、80列 1台、64列 1台、16列 1台)を有している。2019年にdual energy CT装置を2台導入している。また、新型コロナウイルス肺炎患者用のコンテナCTを2020年9月に導入している。
 MRI装置 4台 (1.5T 1台、3.0T 3台)を有している。2020年2月に新たに3.0T MRIを1台導入している。

 2022年度の年間読影件数はCT 33,209件、MRI 15,284件に及んでおり、コロナ禍の影響で減少していた件数が徐々に増加している。CT、MRIは存在診断,鑑別診断,経過観察,治療効果判定など臨床において不可欠な検査法であり、ほとんどの臓器、疾患が画像診断の対象となる。またCT・MRI装置を使った新たな撮像方法や画像診断方法の研究を進めている。

IVR

 各科との連携のもと、様々な疾患に対する低侵襲な治療、手技に取り組んでいる。
2022年度の年間症例数は376例であり、肝細胞癌に対するTACE(肝動脈化学塞栓術)、副腎静脈サンプリング、出血に対する塞栓術、血管形成術など様々な症例の治療、診断を行っている。
 また、CT装置を使った体の深部にある病変の生検やドレーナージも行っており、診療に貢献している。2014年9月からは最新のIVR-CT装置が導入され、より質の高い医療の提供を目指している。

核医学

 安全で質の高い検査・読影を心がけている。2022年度の年間検査数は、シンチグラフィ 1,171件、PET/CT 3,278件であった。シンチグラフィ検査は骨、脳血流、心臓、腎、肺血流、甲状腺、唾液腺、リンパ管など様々なものを扱っている。
 PET/CTは、18F-FDGを用いた検査を主に行っており、腫瘍の質的診断や広がり診断、治療後の効果判定や経過観察に大きな力を発揮している。院外からの依頼も受けており、地域の医療レベルの向上に役に立っている。 下記のような最新の機器やFDG以外の核種を使った研究や新しい薬の治験を積極的に行っている。

・デジタルPET/CT
 デジタルPET/CTCTは従来型検出器の光電子増倍管をSiPMで置換したものをさします。 シンチレータで生じた可視光を電気信号に変換します。このため画質が著明に向上しています。
 装置にはPure Vision Opticsという被ばく低減と高画質を追求した機能が搭載されています。 最新CT検出器で光出力40%向上、電気ノイズ28%低減できています。

・PET診断薬(FDG以外)
 認知症のAβImaging、心筋血流、拡散代謝FLT、低酸素FAZA、脂質代謝Acetate、前立腺PSMAなど

・核医学治療薬
 Lu-177 DOTATATE

乳腺

 当院では乳腺外科との連携のもと放射線科が画像の読影や超音波検査や生検、術前の術前マーキングなどを行っている。他の医療機関からの直接の精査依頼も受けている。2022年度の症例数(放射線科施行)はマンモグラフィ 1,090件、乳腺超音波検査 819件、乳房MRI 262件であった。生検は細胞診、針生検の他、ステレオガイド下吸引式組織診や超音波ガイド下吸引式組織診にも対応している。またMRIガイド下生検も実施している(※MRIガイド生検は乳腺外科の受診が必要です)。画像診断セカンドオピニオンも行っている。