教授挨拶・診断科

放射線診断科 教授 立石宇貴秀

 放射線診断科は平成25年7月より、画像診断部門を担当する専門分野として誕生した。放射線診断学は、医療の実践や社会的、政治的環境の変化に対応するため放射線科学的知識や技術のみならず倫理的な知識、技術、能力も同様に維持していく必要がある学問分野である。医療の基本的理念である「患者本位の医療」や「医療安全管理の徹底」をこれまで以上に推進する診療分野でもあり、日常業務にはこのような観点からの能力維持を継続していくことが重要である。

 知の創造として生命現象の解明、病態の分析、新規診断法の開発は主として大学院における創造的研究が担うと考えている。一方、放射線診断学の進歩は各分野の先端的な技術を次々と生み出し、それらの基盤となる知識も進化・複雑化している。このような先進的技術を研究するためには一定期間の臨床経験を積む年月を要するため、専門医資格取得に向けたより早い取り組みが必要になる。現在の医師資格は基本領域の専門医資格を取得することが基本である。高齢化社会や地域における医療の担い手となるために、大学と総合修練施設が連携し研修施設群を形成し専門医を養成することを実施している。

  放射線診断学習得の基本構築の設定には、専門研修へのシームレスな一貫性を持った診療と多様なキャリア設計が必要である。放射線医学の多岐にわたる診療分野から専門研修を行うルートをとれるように定期的に全分野のローテーション研修を実施している。また、既に専門研修が決定している場合、選択する分野での研修を多く受けられるように、種々の形態でローテーション研修と専門研修を統合したカリキュラムを検討し、より専門性の高い研修プログラム樹立のために多様化と充実化を図っている。

 地域の医療機関と連携した研修施設群を形成し、大学が研修プログラム・ダイレクターとなって臨床と研究の両面からなる質の高い研修を総括する役割を果たしている。社会人大学院制度の拡充を行い、人工知能(AI)の高度専門医療人材育成大学院の設置を具現化し、地域医療、医師偏在へ貢献している。

 出産や育児を抱えた女性医師はやむを得ず非常勤を選択し、マンパワー不足や医師偏在を引き起こす契機となっている。放射線診断科では、早くから育児と仕事の両立が可能となる環境を模索し、ICTを活用した遠隔読影体制を配備し、育休中もスキルを落とすことなく研修を継続させ子育て支援を拡充することで医師不足の緩和に貢献している。

 医師は自律性と自己規制の特権を与えられた専門職である。その点においては放射線診断医も同様である。この特権が付与されるためには社会との契約がその基盤にあると考えられ、診断プロフェッショナルとしての能力維持が重要である。マスキング画像のクラウド化を行いe-learningやハンズオンセミナーを介して自らの生涯教育を自律性を持って構築することが求められている。このような観点から放射線診断学では教育リソースを構築し、社会の対する責任として質の担保を心がけている。


                            立石 宇貴秀


放射線診断科 非常勤講師 齋田幸久

 CTやMRI画像の作成、適応、評価は、放射線科医の重要な業務の一ですが、実はもう一つ大きな役割があります。院内の横軸組織として機能する放射線科にはInterdisciplinaryな役割が常に求められているのです。 画像情報を介して医療全体の質の向上に貢献し、最終的に患者さんのためになることが目標です。“画像と言葉の魔術師”と呼ばれる放射線科医を目指して、日夜、皆で、努力しています。