本学科は豊かな教養と高い倫理観に裏付けられた医療人としての感性を有し,自ら学び研究し,創意工夫することができる人間の形成を目指す。その視点に立ち看護学,検査技術学の2つの領域において,それぞれの専門的領域の知識,技術を教授することにとどまらず,学際的視野に立ち自ら問題を提起し,これを解決する能力を備えた医療人を養成する。
現代医療における臨床検査の役割を理解し,専門的知識と科学的思考能力および医療人としての倫理観を身につけた,臨床検査および関連領域における将来の研究者,教育者,指導者となりうる人材を養成する。
1 臨床検査学の基礎から最先端に至る知識と技術を修得する。
2 検査管理能力を修得する。
3 医療や医学研究に携わる者としての基本的な教養,倫理観,責任ある態度を身につける。
4 新しい臨床検査技術の開発や関連分野における独創的研究の基礎となる,科学的な思考法を身につける。
保健衛生学科検査技術学専攻の専門課程のカリキュラムは,前述の教育の目的,目標に沿って編成されており,平成13年度から大綱化された新カリキュラムでは特に以下の点に注意している。
1)情報教育に関して,情報処理技術を修得することの必要性に鑑み,第1学年において第1段階の教育,第2学年において検査技術学専攻,情報処理センター及び生体材料工学研究所との連携による第2段階の情報処理演習の授業が行われるようになった。今後はさらに附属病院の医療情報部とも協力して,病院内の処理情報システムの実際について,第3段階の学習ができる授業に発展させることを検討している。
2)厚生労働省の臨床検査技師学校養成所指定規則に定める科目を網羅する他,薬理学,総合講義等を必須とし,さらに遺伝学,免疫応答の原理,電子顕微鏡学,癒しの生化学・分子生物学,生体医工学,染色体検査学,パフォーマンス論,分子生物学,実験動物学,科学の中の化学,心臓生理学,細胞のエネルギー獲得と利用のしくみ,救急医療の臨床検査・日常検査の緊急値,生体分子認識,骨と軟骨の疾患分子生物学,バイオサイエンス等の多彩な選択科目を開講している点が特徴である。実現には,大学院医歯学総合研究科,医学部附属病院,歯学部附属病院,難治疾患研究所,生体材料工学研究所,情報処理センター,疾患遺伝子実験センター,機器分析センター,アイソトープ総合センター等の教官の協力によるところも大きく,本学が医歯学系の総合大学であり,かつ本学科が医学部に設置されていることのメリットを最大限に生かしたカリキュラムであるといえよう。
3)専門教育のカリキュラムが全体として一貫的となるために,「臨床検査及び関連領域における将来の研究者,教育者,指導者となりうる人材を養成する」等の上述した教育目的に添う形で,各教官が個々の担当科目の教育内容,到達目標などを明記したシラバスを作成し,保健衛生学科教育委員会において,さらに検討を加えたものを毎年度改定している。
4)第2学年は基礎医学・検査学,第3学年は臨床医学・検査学という流れでカリキュラムを配慮し,学生が無理なく理解できるよう配慮している。
5)第4学年の前期には卒業研究として学内・学外の様々な分野に関係する研究室に1〜2名ずつ分散して,臨床検査あるいは関連領域の研究の実際を体験し,ここで,新しい分野への学問的好奇心をも育成されることになる。
6)第4学年の後期には,再び,現在の臨床検査の現場を学習する臨地実習と総合講義とを受講し,ここで,第3学年までに学んだ臨床検査の知識を整理し,実際の現場を体験し,かつ,卒業研究等で身につけた科学的視点から,高度先進医療に対応でき,かつ新しい臨床検査の開発等に関しても考えをめぐらせ,教官とディスカッションできるよう,工夫している。
学生諸君は以上の趣旨をよく理解した上で学習していただきたい。
N2 |
講義室4 |
医歯学総合研究棟7階 |
N3 |
講義室2 |
医歯学総合研究棟8階 |
N4 |
講義室1 |
医歯学総合研究棟18階 |
MT2 |
講義室5 |
医歯学総合研究棟7階 |
MT3 |
講義室3 |
医歯学総合研究棟8階 |
MT4 |
講義室1 |
医歯学総合研究棟18階 |
合同講義 |
講義室1 |
医歯学総合研究棟18階 |
1年間の教養教育における学習をとおして,本学の学生に望まれる基本理念『自ら問題を提起し,それらを自らの工夫によって解決できる』学生としての素地を身につけられた保健衛生学科検査技術学専攻の諸君は,この要項に記載されている『保健衛生学科の教育カリキュラムの基本理念ならびに検査技術学専攻の教育目的と教育目標』をまず,十分に理解していただきたい。
その上で,第2学年の前期から新たにスタートする大綱化された新カリキュラムの専門基礎科目を学ぶこととなる。人体構造学,生理検査学(T),生化学,病理検査学,病原体検査学(T)などの人体の正常な構造や機能から,人体の病気にかかわる原因・病態について,医療人としての基礎知識を習得する。これらの科目は,それぞれに独立した科目というのではなく,相互に密接に係わり合っているので,総合して体系的な知識として習得する事が必要とされ,臨床検査学の専門科目を学ぶための礎石となることであろう。
専門基礎科目の次のステップとして専門科目の教育となるが,ここではさらに高度な教育科目を履修するのみならず,将来の臨床検査技師として患者さまと対応できるように,臨床検査技師職に係わる社会人としての常識,医療人としての倫理観,専門職としての責任感を,講義ならびに臨地実習等をとおして学んでいかなければならない。
専門教育は本教育要項に示すように,各指導教官がシラバスを踏まえて体系立てて教授するのであるから,欠席したり,授業中に集中力を欠如している場合には,3年間で履修することは困難といわざるを得ない。
基礎知識と技能を有し,論理的,科学的に問題を解決できる能力を習得するにとどまらず,患者さまから信頼される臨床検査技師として専門性と倫理観あふれる感性を身につけることを心から望んでいる。
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
人体構造学講義・実習
病理検査学講義
病理検査学実習
生化学講義
生化学実習
分析化学検査学講義(I)
医用システム情報学講義(I)
医用システム情報学実習(I)
生理検査学講義(I)・実習(I)
病原体検査学講義(I)
病原体検査学実習(I)
遺伝子・染色体検査学講義
検査管理学
医学情報処理演習(I)
公衆衛生学講義・実習
医療概論・関係法規
臨床病態学(I)
医学英語演習(I)
TOEFL/ITP
血液検査学講義
血液検査学実習
分析化学検査学講義(II)
分析化学検査学実習
医用システム情報学講義(II)
医用システム情報学実習(II)
生理検査学講義(II)
生理検査学実習(II)
病原体検査学講義(II)・実習(II)
免疫検査学講義
免疫検査学実習
遺伝子検査学講義
遺伝子検査学実習
医学英語演習(II)
TOEFL/ITP
医学情報処理演習(II)
臨床病態学
総合講義
臨地実習
卒業研究
遺伝学
神経科学
生体医工学
臨床心理学
パフォーマンス論
分子生物学
細胞のエネルギー獲得と利用のしくみ
科学の中の化学
心臓生理学
実験動物学
癒しの生化学・分子生物学
電子顕微鏡学
骨と軟骨の疾患分子生物学
バイオサイエンス
健康食品総論【自由選択科目】
薬理学講義【自由選択科目】
3年次編入学学生は,各学期に履修する「必修科目」及び「選択必修科目」の両方について,各学期の始めに,『履修届』を記入し,学務課に提出すること。 ※「全学共通科目(教養科目)」及び「専門科目」の両方を記入すること。