(5)パフォーマンス論

Performance Theory

 

工 藤 守 利

 

1 科目の概要

パフォーマンスという言葉は,今やどこでも耳にするようになりました。ごく一般的な意味でのパフォーマンスは,即座に,「芸術分野におけるパフォーマンス」と「スポーツ系のパフォーマンス」を思い浮かべられるでしょう。それらのパフォーマンスは,特別に訓練された人々の「汗と涙の結晶のパフォーマンス」といっても過言ではありません。「パフォーマンス」という言葉は,演技,演奏,興業,遂行,実行,成就,仕事,善行,性能等と言う意味があります。今まででしたら,いち観客でしかなかったあなたでも,実は、今まで生きてきた中で,何らかのパフォーマンスはなされていました。今までの意識から考えれば,大勢の人々の前でのパフォーマンスがパフォーマンスであるという捕らえ方をしておられたでしょう。ごくありふれた日常や社会の中で,繰り広げられているパフォーマンスを,もっと意識してドラマ化してみましょう。ちょっとした工夫と訓練で,あなたの潜在能力が開花して行くことができます。つまり、「自己を上手に表現すること」が「パフォーマンス」です。あなたも、もっと素敵なパフォーマンスを繰り広げることができる人になります。即ち,多くの人々に「勇気と感動と喜びを与える素敵なパフォーマンスを繰り広げる」ことができるパフォーマーを養成する講座です。

 

2 教育方針・教育目標

日常生活や社会生活で成功するためには,成功へ導くための道程があります。つまり「こうすればこうなる」という論理です。成功するためにはどのような,作業,行動,思考,鍛錬が必要なのかを,まず知ることから始まります。私たち人間は,言語を巧みに操ってコミュニケーションを図ることができます。「言語におけるコミュニケーション」です。そして眼や身体を使ってのコミュニケーションは,「非言語によるコミュニケーション」です。一人一人が素晴らしいパフォーマンスを繰り広げるためには,これら「言語と非言語によるコミュニケーション」を良く理解し,円滑で心地よい快適なパフォーマンスを展開することです。幾つかの特別な訓練を行うことによって,「一流のパフォーマー」を目指します。

 

3 教育内容

「素晴らしいパフォーマンス」を繰り広げてゆくためには,まず「丈夫で健康な体」が必要です。それにはご自分がどのような状態であるかを良く知っていなければなりません。この講座では,まず骨と筋肉,そして関節を改めて理解しなおし,どのように機能してゆくかを、ご自分の目で確かめてゆきます。実際に体を動かしてみて,いかに不自由にしているかを感じていただきましょう。そして「体を自由自在にコントロールする術」を身に付けていただきます。全身の血流をよくすることによって,体全体のリラクゼーションをはかり,脳の集中力を高めてまいります。「健全なる精神は健全な肉体」から養われてまいります。顔の筋肉は忘れられがちですが,この現代社会においては,最も重要なコミュニケーションとなります。表情筋を訓練することによって,豊かな表情を手に入れることができます。手相や足相と同じように顔相も大切です。表情豊かなお顔は,人々を幸せにしてくれます。自ずと己の心も開放されてきます。声の良し悪しも,顔と同様、重要です。素敵な声を作るために発声法を学びます。そして、格好いい立ち方,安定した座り方,美しい歩き方,ポーズの決め方を体得します。知識教養は新聞,雑誌,本,インターネット等から取得します。更に、知識人との会話も大切です。服装のセンスも忘れてはなりません。

回数

日 時

項  目

内   容

担当者

1

4/()

1

パフォーマンス論

パフォーマンスの基礎を学ぼう

工藤守利

2

4/1()

1

パフォーマンス論

ストレッチングエクササイズの効用を知ろう

3

4/2()

1

パフォーマンス論

バレエ解剖学を学ぼう

バレエエクササイズを通して強くてしなやかで美しい肉体を創造する方法を体得しよう

4

4/2()

1

パフォーマンス論

休講

5

5/1()

1

パフォーマンス論

顔の表情でこんなに違う(表情筋を訓練する)

工藤守利

6

5/1()

1

パフォーマンス論

素敵な声を出そう(発声方法を学ぼう)

7

5/2()

1

パフォーマンス論

音楽の与える影響を知ろう(様々な音楽のテンポとリズムをつかもう)

8

6/1()

1

パフォーマンス論

素晴らしいパフォーマーとして飛び立とう

〔単位〕選択1単位

〔場所〕第1回目 保健衛生学講義室3(医歯学総合研究棟8階) 

     第2回目以降 柔剣道場(5号館4階)

 

4 教科書・参考書

「アナトミカル・ドロウイング・オブ・ヴェサリウス」や「カパンディの関節生理学」。「バレエ教則本」や「バレエ解剖学」等が参考になりますが,毎回プリントを配布いたします。

 

5 他科目との関連

解剖学,音楽,発声学,演劇,服飾学等とも関連しています。

 

6 受講上の注意

軽く運動ができる服装を用意してください。覚えたこと学んだことを忘れないように毎日継続して行うことが上達の秘訣です。体で体得しましょう。鏡でのチェックを必ず。

 

7 成績評価方法

柔軟な肉体と高い知性と教養,センスのよさ,身のこなし方,歩き方,声のよさ,豊かな表情等を総合評価いたします。短期間ですので訓練はご自分で継続されなければなりません。週間ごとの成長を楽しみにしております。第7回目にレポートを提出してください。「世の為、人の為になる」,「人に迷惑をかけない」「素晴らしいパフォーマーに成る為」の意気込みを書いていただきます。