医学英語演習(II

Medical English (II)

 

中 川 千 帆

 

1 科目の概要

医療において根源的な問題である「痛み」に焦点を当てた英文を読む。医学的見地から論じたものだけでなく、文化的・哲学的観点から、または政治的側面から見た「痛み」についての文章をあわせて読み、「痛み」について包括的に考えていく。

 

2 教育方針・教育目標

医療の現場に携わる限り、絶えず「痛み」に接していかなければならない。なぜ「痛み」は起こるのか? 「痛み」に対して私たちはどう対応するべきなのか? 前期は、アメリカの神経外科医であるDr. Frank Vertosick, Jr.がこれらの問いに対して医学的な視点から答えているものを読む。Why We Hurt: the Natural History of Painのなかで、Dr. Vertosickは痛みの引き起こす心理的影響などを実際の症例や歴史的考察を交えてわかりやすく語っている。病気、身体の部位など医療に関する英語だけでなく、痛みの表現をあわせて学んでいく予定である。

後期は主にNew Scientistなどの英米の科学雑誌に載せられている医学関係の記事を重点的に読んでいく。新しい医学的用語を学びながら、最新の情報を理解することを目的とする。こういった訓練を積むことにより、英語で書かれた新聞やウェブ上の科学記事を自分自身で読むことができるようになり、最終的には自分自身で英米の科学雑誌を読むことができるようになるはずである。下に挙げてあるのはあくまでも予定であり、適宜、医療に関連する興味深い記事がNature, New Scientistに掲載された場合は、教材として使っていくつもりである。

 

3 教育内容

[前期]

回数

日 時

内  容

担当者

1

4/11()

4

ガイダンス

英語の読解と予習の仕方について

中川千帆

2

4/18()

4,

Why We Hurtより“Introduction: The Megaphone of God”

3

4/25()

4

同 上

4

5/12()

4

同 上

5

5/9()

4

同 上

6

5/16()

4

Why We Hurtより第一章 “Head Pains and Candy Canes”

7

5/23()

4

同 上

8

5/30()

4

同 上

9

6/6()

4

Why We Hurtより第四章 “The Human Affliction”

10

6/13()

4

同 上

11

6/20()

4

同 上

12

6/27()

4

Why We Hurtより第十一章  “The Shadowlands of Pain”

13

7/4 ()

4

同 上

14

7/11()

4

同 上

15

7/18()

4

前期テスト

 

[後期]

回数

日 時

内  容

担当者

16

10/3()

3

テスト返却

中川千帆

17

10/10()

3

New Scientistより”Personal Effects”

18

10/24()

3

同 上

19

10/31()

3

同 上

20

11/7()

3

New Scientistより”The Party Gene”

21

11/14()

3

New Scientistより”More Than a Cosmetic Change”

22

11/21()

3,

同 上

23

11/28()

3

New Scientistより”All in the Mind of a Mouse”

24

12/5()

3

    

25

12/12()

3

New Scientistより”When Looks Can Kill”

26

12/19()

3

    

27

1/9()

3

New Scientistより”Just Can’t Get  Enough”

28

1/16()

3

    

29

1/23()

3

    

30

1/30()

3

後期テスト

〔単位〕必修2単位

〔場所〕保健衛生講義室3(医歯学総合研究棟8階)

 

4 教科書・参考書

 Frank T. Vertosick, Jr., Why We Hurt: the Natural History of Pain (San Diego: Harcourt), 2000. 

 その他のテキストはプリントで配布予定。

 

5 他科目との関連

医学全般と深く関わる。「痛み」に関してより深い理解を得ることにより、「痛み」を感じる人々に対する対応がより配慮の行き届いたものとなるはずである。

 

6 受講上の注意

語学の授業なので、当然予習して授業に臨むこと。単語を調べ、自分で理解できる限り文章を読んであることを想定して授業を行う。

 

7 成績評価方法

期末テストのほか、適宜行う単語を中心にした小テスト、出席日数、授業参加態度を総合して成績を評価する。

 

8 その他

語学の授業として当然のことだが、普段の努力を最大限に評価する。また知識を与えられることを待つのではなく、積極的に興味を持って英文に当たってもらいたいと希望する。従って、特に授業で読みたいと希望する雑誌記事等あれば、喜んで提案は受け入れる。