スポーツ医歯学診療センター
スポーツに関わる外傷・障害・疾病の診療を通して、早期復帰やハイパフォーマンスの活躍をめざすアスリートをサポートいたします。
一般外来、スポーツ歯科外来、アスリートメンタルケア外来の外来部門とスポーツ理学療法部門により、スポーツによる怪我などの外傷、使いすぎなどの過労性障害(いわゆるオーバーユース)、歯科領域のスポーツ外傷・障害・疾病およびスポーツ選手のお口の環境を維持するメインテナンス診療のほか、アスリートのメンタル、睡眠などについて医学的な診療をいたします。スポーツ医学・歯学やリハビリテーションに関する研究を応用し、スポーツに関わる外傷・障害・疾病の診療を通して、早期復帰やハイパフォーマンスの活躍をめざすアスリートをサポートいたします。
おもな診断・治療法
スポーツによる急性外傷(靭帯損傷、捻挫、肉離れ、骨折、打撲、脳震盪など)、スポーツによる運動器過労性障害(ジャンパー膝、アキレス腱付着部炎、足底腱膜炎、シンスプリント、疲労骨折、野球肩、テニス肘、腰椎分離症など)、アスリートのメンタルに関する診療、アスリートの口・歯の機能の維持管理や歯科の疾患などを診療いたします。特にスポーツ理学療法部門による膝関節術後のリハビリテーションと再損傷予防、バレエダンサーなどのオーバーユース障害、本学特有の高気圧酸素治療を用いたアスリート外傷の診療と研究について重点的に進めています。
高度な先進医療
- 高気圧酸素治療(16 名同時治療可能な日本最大級の装置を使用):急性外傷の早期回復を目的とします。
- アスリートの膝関節外傷後のスポーツ理学療法:オーダーメイドのリハビリテーションにより再損傷予防を目指します。
- スポーツ歯科:外傷予防のマウスガード(マウスピース)、フェイスガードをカスタムメードで迅速に作製します。
高気圧酸素治療について
■治療について
内容 |
「捻挫・打撲・肉離れ等のスポーツ外傷に対する高気圧酸素治療」
高気圧酸素治療は、2.0~2.8気圧で純酸素を60分以上吸入する治療法で、国際的にも確立した治療法です。
捻挫・打撲・肉離れ等のスポーツ外傷急性期における腫脹による患部の低酸素環境を改善し、早期回復が期待されます。 |
費用 | 自由診療:(1回につき)通常20,000円、チーム契約4,000円(いずれも税別)
一連につき1~5回 |
リスク・副作用情報 |
気圧外傷(胸・耳・鼻):肺外傷、気胸、鼓膜外傷、滲出性中耳炎、副鼻腔スクイーズなど
→症状が出現した場合、慎重に加減圧操作を行います。耳症状が出現する頻度は約15%です。
酸素中毒:非常に稀(1万に1人)ですが、息苦しさ、呼吸困難、めまい、痙攣、嘔気、視力・視野障害など
→症状出現時は、酸素吸入を中止して症状の改善を待ちます。基本的には可逆性です。
保険適応での高気圧酸素治療法と同一の治療方法であり、安全性や対応は確立しています。 |
■未承認機器・医薬品の掲載に関して
未承認医薬品等である事の明示 |
高気圧酸素治療は、末梢組織の低酸素環境の改善、気体の圧縮作用のほか創傷治癒促進効果などがあり、減圧症、末梢循環不全による足趾潰瘍、放射線照射後の晩期障害などに保険適応疾患として実施しています。スポーツ外傷急性期での有効性が報告されてはいるものの保険病名収載とはなっておらず未承認であり、自由診療として治療しています。 |
入手経路等の明示 | 2001年より設置されている東京科学大学病院高気圧治療部内の高気圧酸素治療装置で治療を行います。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 |
高気圧酸素治療は下記の疾患に関して、保険診療として行っております。
減圧症又は空気塞栓 、急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む。) 、重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍 、 急性末梢血管障害、重症の熱傷又は凍傷 、広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害 、コンパートメント症候群又は圧挫症候群 、 脳梗塞 オ、重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫 、 重症の低酸素脳症 、 腸閉塞、 網膜動脈閉塞症 、 突発性難聴 、 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍 エ、難治性潰瘍を伴う末梢循環障害 オ、皮膚移植 、 脊髄神経疾患 、 骨髄炎又は放射線障害 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
高気圧酸素治療は世界的にも確立した治療法で、高い安全性が確認されています。
スポーツ外傷に対しては、一部の国で適用しています。 |
医薬品副作用被害救済制度の救済の対象にはならないことの明示 |
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |
スポーツサイエンスセンター
スポーツサイエンスセンターでは、スポーツ科学研究と、運動機能評価を基本としたトレーニングによるアスリートケアを行います。
スポーツ科学では動作解析研究や、トレーニングプログラムと身体運動機能の自己評価法の開発など新たな研究事業を展開します。スポーツ理学療法部門と連携することに
より、高いレベルでの運動パフォーマンスの実現を目指し、ライフパフォーマンスの向上に向けて、運動機能改善のエクササイズ指導に役立てます。