AROとはAcademic Research Organizationの略で、医療機関内で所属する医師歯科医師および研究者による臨床研究に関連する業務を支援する部門を指し、世界の有力病院は例外なく強力なAROを擁しています。従来当院には、主に治験実施の支援を行う臨床研究コーディネーター(CRC)を配置した臨床試験管理センターが設置されていました。いっぽうで臨床研究の立案や計画作成や調整業務などを支援する組織として、2015年に統合研究機構に医療イノベーション推進センター(2023年にヘルスサイエンスR&Dセンターに改称)を設置しました。両組織ともAROの機能の一部であることから、2024年10月より病院内組織として統合することになりました。
新生HeRDは臨床研究の計画や実施調整を担うプロジェクトマネジメント、研究データの管理を行うデータマネジメント、実際に治験をはじめとする臨床研究実施の支援を行うCRCを配置するリサーチコーディネートなどの部門に分かれ、研究計画ごとに必要な支援業務を実施します。今回の統合を機に、特に本学研究者による研究成果を実用化するための支援体制強化を目指していきます。
これからの大学病院は質の高い医療を提供するだけでなく、医歯学の進歩に直結する技術の開発や診療ガイドラインの根拠となるデータの構築などに貢献していく必要があります。東京科学大学のすべての教職員の皆様にHeRDの存在と役割を理解していただき、convergence scienceを基盤として医歯学の進歩や発展への貢献を目指してHeRDを活用していただけることを期待しております。