診療科・センター・部門

遺伝子診療科

科長のご紹介

遺伝子に関する疾患についてのご相談に
専門スタッフが対応します

科長 吉田 雅幸 -Masayuki Yoshida-
専門医 日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医
日本循環器学会認定 循環器専門医
日本老年医学会認定 老年病専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医
専門分野 循環器学
遺伝学
老年病学
研究領域 分子遺伝学・血管生物医学
専門外来 遺伝カウンセリング外来
電話番号 03-5803-5670 (4階合同内科外来 平日9〜17時)

近年、遺伝学の進歩によって、多くの病気の原因遺伝子が発見されています。その結果、生後まもなく発症する先天性の遺伝性疾患から、成人になって問題となる生活習慣病に至るまで 多くの病気に遺伝子の関与があることが分かってきました。特に、親から子に遺伝する疾患(遺伝病)では、検査を受けた方の遺伝情報から本人や家族の将来を予見できてしまう可能性があります。遺伝性疾患や先天異常などに関連した患者さんのさまざまなニーズにこたえるため、遺伝子診療科では 臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーを中心としたスタッフが患者さんのご相談におこたえしています。

診療科の概要

遺伝についての疑問や不安にお答えしています。
臨床遺伝専門医および認定遺伝カウンセラーを中心としたスタッフが遺伝カウンセリングを通して、遺伝子検査の結果開示や遺伝に関する情報提供と支援を行っています。
※なお、親子鑑定は実施しておりません。

詳細は遺伝子診療科・外来のご案内をご確認ください。

取り扱うおもな疾患

下記に記載するような遺伝性疾患・染色体異常

おもな診断・治療法

  1. 遺伝性腫瘍: 84遺伝子パネル検査(保険外診療)

  2. 染色体異常症: NIPT検査、クアトロ検査、羊水検査(周産女性診療科)(保険外診療)

  3. 家族性高コレステロール血症(保険診療)

  4. 先天性難聴(耳鼻咽喉科:保険診療)

  5. マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群(保険診療)

  6. 先天性QT延長症候群(保険診療)

  7. 先天性免疫不全症(小児科:保険診療、遺伝子診療科: 保因者診断/保険外診療)

  8. 自己炎症性疾患(保険診療)

  9. 脊髄小脳変性症(発症前診断:保険外診療)

など、患者さん向け検査(確定診断/保険・非保険検査)及び血縁者向け検査(発症前診断、保因者診断/非保険検査)を多数実施しています。

  • 保険外診療について
    内容

    【1.遺伝性腫瘍: 84遺伝子パネル検査(保険外診療)】
    遺伝性腫瘍に関する84遺伝子(AIP, ALK, APC, ATM, AXIN2, BAP1, BARD1, BLM, BMPR1A, BRCA1, BRCA2, BRIP1, CDC73, CDH1, CDK4, CDKN1B, CDKN2A, CHEK2, CTNNA1, DICER1, EGFR, EPCAM, FH, FLCN, GREM1, HOXB13, KIT, LZTR1, MAX, MBD4, MEN1, MET, MITF, MLH1, MSH2, MSH3, MSH6, MUTYH, NF1, NF2, NTHL1, PALB2, PDGFRA, PMS2, POLD1, POLE, POT1, PRKAR1A, PTCH1, PTEN, RAD51C, RAD51D, RB1, RET, SDHA, SDHAF2, SDHB, SDHC, SDHD, SMAD4, SMARCA4, SMARCB1, SMARCE1, STK11, SUFU, TMEM127, TP53, TSC1, TSC2, VHL)を採血で調べる検査です。

    【2.染色体異常症: NIPT検査、クアトロ検査、羊水検査(周産女性診療科)(保険外診療)】
    NIPT検査は胎児が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを持つ可能性を採血で調べる検査です。クアトロ検査は21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形の可能性を採血で調べる検査です。羊水検査は羊水穿刺により胎児の染色体について調べる検査で、当院では1泊2日の入院が必要となります。

    【7.先天性免疫不全症(小児科:保険診療、遺伝子診療科: 保因者診断/保険外診療)】
    保因者診断は、常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)性疾患、X連鎖性疾患の非発症保因者・症候性保因者であるかを採血で調べる検査です。家系内で病的バリアントが同定されていることが必要です。

    【9.脊髄小脳変性症(発症前診断:保険外診療)】
    発症前診断は、現時点では症状がない人を対象に、将来の発症可能性を採血で調べる検査です。家系内で病的バリアントが同定されていることが必要です。

    検査費用 1.遺伝性腫瘍: 84遺伝子パネル検査:99,000円
    2.染色体異常症: NIPT検査:82,500円、クアトロ検査:20,900円、羊水検査:20万~35万(入院費含む)
    7.保因者診断:23,100~81,400円
    9.脊髄小脳変性症:80,000円
    リスク・副作用情報 リスク・副作用はございません。

高度な先進医療

さまざまな遺伝性疾患・染色体異常などの発症前診断や出生前診断に際し、単なる遺伝情報の提供にとどまらず、検査のメリット・デメリットや心理的負担、家族や社会生活への影響など丁寧にご説明し、患者さんの意思決定のお手伝いをしています。また、国内外の検査会社及び学内外の研究者に依頼して遺伝子検査を行っています。

診療科における研究テーマ

  1. 遺伝性乳がんに関連する教育プログラムの開発
  2. 動脈硬化症・生活習慣病の遺伝的素因についての基礎・臨床研究
  3. 不整脈疾患に対するゲノムワイド関連研

その他

遺伝性疾患では身体のいろいろな臓器に問題が起こることがあります。このような病態に対応するため院内臨床各科と連携・情報共有し、包括的な診療を行っています。