科長からのご挨拶 - 国立大学法人 東京医科歯科大学 総合診療医学 総合診療科

科長からのご挨拶


総合診療科 教授
橋本 正良

皆様へ

総合診療医はgeneralと言う名のspecialistです。全人医療を行い日本の医療・医学に貢献します。症状や疾患にかかわらず様々な身体や心の問題に対して、患者さんとその家族中心の医療を提供します。必要とあれば臓器別診療科や多職種専門家と提携して継続医療を提供します。患者さん一人一人の専門医を目指します。大学病院として高度先進医療分野で必要とされる難病や複合疾患の診療からcommon diseaseまで幅広い臨床能力を身に着ける事を目標としています。
2018年度より開始された日本専門医機構が認定する「新専門医制度」において、第19番目の基本領域として「総合診療専門医制度」が新設されました。時を同じくしてここ東京医科歯科大学病院 医科(医系診療部門)に当時の老年内科から引継ぎ当科が設立されました。医学生や初期・後期先生方の教育や研究の場ともなります。患者さんのみならず、家族や地域も考慮し、日本の医療に必要な理想的医療体系を模索しています。

研究活動

特定領域に限ることなく、以下の様な疾患や疾病に関する研究から健康増進や医学教育に関係する研究など多方面の研究を行っています。
1.臨床的動脈硬化 2. 高齢者診療 3. Telemedicineを用いた訪問診療 4. 医学教育 5. 超音波を⽤いた多職種シミュレーション教育 6.フレイルやサルコペニアと横隔膜機能 7.患者診療における効率的医療連携 8.在宅診療でのスキル研究 9.呼吸機能とフレイルの関連 10.性差医学 11.未病の管理 12.プライマリ・ケアに影響する地域の医療資源

教育活動

大学での診療は教育と一体であり、卒前・卒後を通じて全人医療の臨床教育を行っています。学生や初期臨床研修はもちろんの事、総合内科専門医、総合診療専門医の受け入れを行っています。更に病院総合診療専門医、新家庭医療専門医、老年科専門医取得が可能です。

教育方針

病人は文字通り「病を持つ人」としてとらえ、Bio・Psycho・Socialの観点から診療を実施します。どんなことでも相談を受け、断らない医療を実践できる医師の養成を行っています。同時にEBMに準拠した医療を実践し、研究において新たなevidenceを発信したいと考えています。

臨床活動および学外活動

幸い昨年度までは東京都からの研究資金援助、また茨城県並びに私企業からは継続して当教室に研究助成を受けています。そのお陰で本年4月には木村琢磨教授、8月には石田岳史教授をお迎えすることができ、地域・産学連携体制を構築し、診療・教育・研究を実施しています。地域の医療関係者共々の勉強会として総合診療セミナーinお茶の水を月1回実施中(2023年8月で計44回)です。

医療において地域連携は必須であります。他大学、地域医療を担う多くの病院やクリニックの皆様との連携を通じて教室員の成長を期待しています。2024年には東京医科歯科大学は東京科学大学として生まれ変わります。「多様性」がキーワードの一つです。総合診療に興味がある人は出身大学に関係なく、我々と共に日本の医療の変革に参加頂きたいと考えています。

一覧へ戻る