幹細胞・オルガノイドユニット

幹細胞・オルガノイドユニット

組織幹細胞・オルガノイド制御機構の解明とその応用

メッセージ

難治疾患研究所
幹細胞医学分野
教授 西村 栄美

難治疾患研究所
発生再生生物学分野
教授 仁科 博史

統合研究機構
再生医療研究センター
准教授 油井 史郎

超高齢化社会を迎え、人生100年時代の到来が迫っている今日、健康長寿の実現は極めて重要な課題となっています。そこで、幹細胞・オルガノイドユニットでは、組織幹細胞ならびにオルガノイドの制御機構の解明とその応用をもとに、臓器の再生、新生、若返り技術の開発へと繋げ、疾患治療ならびに先制医療を実現することを目指します。

研究プロジェクト紹介

わたくしたちは皮膚や腸管などの組織幹細胞に着目し、臓器の再生ならびに老化のしくみの解明、難治性疾患の治療法の開発に取り組んでいます。

西村らは、皮膚の組織幹細胞の同定やその制御機構の研究をすすめるなかで、幹細胞を中心とした再生・老化プログラムや幹細胞同士が互いに競り合う細胞競合の存在とその役割について明らかにしており(Matsumura H et al. Science, 2016)(Liu N et al. Nature, 2019)、臓器の再生ならびに抗老化に向けて新しい切り口で研究を進めています。

油井・中村らは、世界に先駆けて腸管オルガノイドを用いた移植に成功(Yui S et al. Nature Medicine 2012など)するとともに、上皮細胞の性質が柔軟に変化し若返ることを示し(Yui S et al, Cell Stem Cell, 2018)、消化器創生ユニットとの緊密な研究連携のもと、ヒト腸管再生・新生や可塑性に関する研究をすすめています。

また、仁科ら(発生再生生物学分野)は、臓器の自己組織化に重要なシグナルとしてHippo-Yapシグナルに着目し3次元臓器の張力維持やサイズの制御機構の解明に取り組んでいます(Porazinski S et al. Nature 2015ほか)。また、本シグナル系が組織の品質管理の制御にも関与していることも明らかにしています(Miyamura N et al. Nature Communications 2017)。

これらの基礎研究をもとに、組織幹細胞の自己複製の制御技術の開発に加えて、臓器内リプログラミングの仕組みの解明と技術開発を推進することにより、オルガノイド培養やオルガノイド移植、ならびに移植後の臓器の維持において品質や安全性の向上を目指します。これらの開発をもとに臓器新生 ・再生・若返りへと繋げていきたいと考えています。

主要論文

連携企業・研究機関

支援事業(競争的資金)一覧

関連リンク・補足情報