再生医療等安全性確保等法の下で、細胞培養加工を行う施設では、定期的な清掃や清浄度検査、また大規模適格性検査(時にバリデーションなどと呼んでいます)などに、悩まされ、また大きな労力を割いているところも多いのではと思います。
一方、細胞培養加工施設の清浄度を保つ仕組みや、清浄度の日常管理のイロハについて解説したものや、施設・機器の定期適格性検査(時にバリデーションなどと言っています)の考え方、コストダウンの方法などについてわかりやすく解説した教材はあまり見当たりません。
この教材は、東京医科歯科大学の輸血・細胞治療センター(関矢センター長)、関連施設などでの実例を紹介しながら、皆さんが Q&A を読み進め るうちに、施設の運用・管理についての基本的な部分について理解が進むようにと願って作られました。
クオリプスの田中雅教様、大阪大学(現在 Hyperion Drug Discovery)の嶽北和宏様などの、細胞培養加工施設のプロと何度も議論を重ねて作成したもので、共同研究を進める大日本印刷の皆様の多大なる尽力の下で2018年に完成したものです。
しばし、内部での資料としておりましたが、わかりやすい冊子となっているとの自負からも、このたびWebでの公開とさせていただきました。
施設の運用・管理には色々な考えがありますが、「私たちはこう考えて、このように実施しています」という1つの考え方の体系を示すことを目的として作成しています。この冊子が、細胞培養加工施設の運用・管理に悩む皆さんに、少しでもお役に立てるようにと願っています。