東京医科歯科大学では早くから口腔、免疫細胞、膝関節や腸管などの領域で、再生医療研究に取り組んでおり、さらに附属病院や難治疾患研究所との連携のもと、再生医療の品質向上や基盤技術の革新に向けた取り組みを続けてまいりました。
「再生医療」を意味するRegenerative Medicine ということばは、1992 年にKaiser 博士が発表した”The future of multihospital systems”と題する病院を変える未来の技術に関する論文で初めて使われたと言われています。
ES 細胞やiPS 細胞をはじめとする幹細胞の研究が発展を遂げていくにつれて、「再生」ということばも次第に研究者だけではなく、一般の人々にもよく知られるようになり、「再生」をテーマに掲げる研究室は今や世界中に数多く存在します。このように皆さんが聞き慣れた「再生」という段階から、本学で培った再生医療研究の実績を礎に、さらに歩を進めた全く新しいパラダイムの確立を目指し、「創生」ということばを掲げ、平成29年9月1日に「創生医学コンソーシアム」が誕生いたしました。
「創生医学コンソーシアム」は、9つの研究ユニットから構成され、ユニット内・ユニット間さらにはコンソーシアムに参加する他の研究機関・企業との連携のもと、「創生」へと発展させることを狙いとし、さらには国際的に活躍する次世代医療人を育成する場として活用してまいります。
本コンソーシアムの最終目標は、「創生医学」の成果を多くの患者様に届けることにあり、基礎研究から研究成果の実用化に至るまで、省庁・企業との連携・支援が不可欠であると考えております。皆様のご期待にお応えできるよう、関係者一同、全力を尽くす所存にございますので、何とぞ一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
森尾 友宏