たゆまぬ自己研鑽を通じて呼吸器病学の発展に貢献するAcademic physicianの育成
1) 呼吸器内科臨床医としての十分な診療技能を身に付けることを基本とする。
2) 大学・関連病院で行っている臨床研究を通してリサーチマインドを養成する。
呼吸器内科の扱う疾患は、感染症、悪性腫瘍(肺癌)、アレルギー(喘息)、喫煙関連肺疾患、間質性肺炎、関節リウマチなど全身性疾患の肺病変、睡眠時無呼吸症など非常に多くの病態が含まれ、呼吸器内科医は幅広い疾患に対する知識、臨床技能と呼吸器領域の診療を中心に、全身を診ることができるgeneral physicianとしての能力が必要です。また、年々進歩する疾患の治療に対し、常に最新の知見を身に付けるため自己研鑽する姿勢が求められます。
当科では、この2つの目標を実現するために、関連病院・連携病院での研修と、大学病院での研修を組み合わせた複数の研修プログラムを用意しており、将来の呼吸器病学の発展に貢献するacademic physicianを育成します。
詳細は 東京科学大学病院 総合教育研修センター医科教育研修部門のホームページをご覧ください。
1)新専門医制度に準拠した研修内容
2018年度より新専門医制度が開始され、本学も大学病院のほか複数の連携病院が基幹施設として認定され、各基幹施設を中心とした魅力のある研修プログラムを用意しています。
2)研修の実際
研修期間3年のうち基幹施設(1年以上)+関連施設(1年以上)で研修を行います。基幹施設は大学病院のほか複数の関連病院も基幹施設として認定されています。
大学病院プログラムで採用可能な専攻医の人数に制限があるため、関連病院(基幹施設)を主体としたプログラムでの研修も可能です。東京都を中心に神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県、長野県に関連病院があります。
関連病院の一覧はこちらをご覧ください。
呼吸器内科領域専門研修の施設群一覧は 日本呼吸器学会ホームページをご覧ください。
関連病院を基幹とした研修プログラムは、各地域の中核病院を中心としており、非常に多くの症例を経験することが可能です。肺炎、喘息、COPD、肺癌など呼吸器疾患領域のcommon diseasesを中心に、病棟診療に加え救急外来での初期対応など、多くの症例を経験できます。また、各病院で行っている気管支鏡検査の検査件数は多く、研修期間中に、EBUS-GS、EBUS-TBNAなど呼吸器内科医として必要な検査手技を身に付けることが可能です。さらに各施設の指導医は若手医師の教育に力を入れており、地方会や総会での学会発表や論文執筆の指導も行っています。
大学病院では間質性肺炎を中心に専門的な診療を経験します。東京科学大学 呼吸器内科は日本でもトップレベルの間質性肺炎の診療実績があり、クライオバイオプシーを積極的に実施しMDDカンファレンス(呼吸器内科医、放射線科医、病理医によるディスカッション)により一例毎に丁寧に診断しています。
特に環境が原因で生じる過敏性肺炎は、当科がリードして基礎、臨床とも知見を広げている疾患で、近年国際的にも注目されています。患者さんの生活環境(住居、職業、趣味など)を細かく情報収集し、薬物治療以外にも環境中の抗原因子の検索や環境調整を行い、病勢の抑制につとめています。
当科はOB・OGを含めて約150名(2022.4月現在)の医局員が在籍し、日本で最も大きな規模の医局です。全国に我々の仲間がおり、呼吸器病学の様々な分野で活躍しています。大学、関連病院を合わせると非常にたくさんの患者さんの診療を行っており、連携して複数の臨床研究を行い、当科から呼吸器病学のあたらしい知見を世界に発信しています。
3)他のサブスペシャリティとの連携
日本呼吸器学会 呼吸器専門医に加えて日本アレルギー学会、日本臨床腫瘍学会の専門医取得に必要な研修も行えるよう体制を整えています(2022.4月時点で準備中)。詳しくは各学会のホームページをご覧ください。
大学病院のほか、全国に24の関連病院があり、専門医取得後も臨床医としてキャリアを積むことが可能です。
後期研修(もしくは専門研修プログラム)修了後の医師を対象に大学院博士課程入学希望者を募集しております。大学院では間質性肺炎、肺癌、気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群などの研究を行っております。詳細は研究のページをご覧ください
メール:白井剛(医局長)tshipulm@tmd.ac.jp