プログラムの特徴
当科のプログラムの特徴
近年、病院の中で、手術の占めるウエートは非常に大きくなっており、麻酔科医の需要は高くなっております。麻酔科に魅力を感じている皆さん、ぜひ当院で後期研修を行ない、安全かつ高水準な周術期管理ができる麻酔科医を目指しませんか?
当科での研修の特徴
大学病院ならではの高度で専門的な症例の経験
大学病院ならではの困難な症例も多く経験することができます。術前評価から麻酔計画、術中の管理を指導医とともに行うことで、深い知識と技術が身につきます。また2024年には麻酔科管理のPACU(postanesthesia care unit、麻酔後ケアユニット)もオープンし、術前から術後まで周術期の患者管理を経験することができます。
※当科のPACUについてはこちらをご覧ください。
東京近郊の関連病院との連携
主要な関連施設が本学から1時間以内に集中しています。また、武蔵野赤十字病院、横浜市立みなと赤十字病院、東京ベイ・浦安市川医療センターなど規模が大きく、教育体制が充実した関連施設と連携した研修を行っています。これらの関連病院でも研修を行うことで、大学病院ならではの複雑な症例とともに市中病院での症例も数多く経験することができます。
また関連施設には、国立循環器病研究センターや国立成育医療研究センターなど心臓や小児の専門施設があり、専門分野の研修も可能となっています。
豊富な症例数
麻酔科専門医取得に必要な脳外科、呼吸器外科、心臓血管外科も活発に手術を行なっており、また小児外科、帝王切開術も十分にあるので、後期研修4年間のうち、最初の2年間で専門医取得に必要な症例が十分集まります。
必須症例数 | 2023年度 (12月まで) |
2022年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|
帝王切開 | 10 | 85 | 118 | 100 |
小児 | 25 | 85 | 116 | 113 |
胸部外科 | 25 | 214 | 339 | 291 |
心臓血管外科(Ⅰ群) | 25 (うちⅠ群15症例以上) |
111 | 107 | 89 |
心臓血管外科(Ⅱ群) | 57 | 54 | 44 | |
脳外科 | 25 | 178 | 243 | 209 |
※心臓血管外科、小児については1症例2名まで麻酔科医を登録できます。
サブスペシャルティ
当院では、心臓麻酔、小児周産期麻酔、区域麻酔、集中治療といったサブスペシャルティの教育体制も整っております。
心臓血管麻酔
当院は心臓血管麻酔専門医認定施設であり、心臓血管麻酔を指導できる専門医も複数います。成人の手術だけでなく、小児先天性心疾患の手術も定期的に行われており、心臓血管麻酔専門医取得も可能です。最近では、低侵襲心臓手術(MICS)、ロボット支援下胸腔鏡下弁形成術(Da vinci MICS)、体外式補助人工心臓装着術(Heartmate)、補助循環用ポンプカテーテル挿入(Impella)、経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)、経皮的僧帽弁クリップ術(Mitraclip)を活発に行なっており、これらの麻酔管理を学ぶことができます。
小児・周産期麻酔
小児麻酔認定医の資格を持つ指導者の下、幅広く小児麻酔研修を行なっています。定期的に先天性心疾患手術も行われております。また、MRI検査や放射線治療など手術室外処置に対する麻酔も経験できます。
産科麻酔については、2020年度より無痛分娩を開始しております。無痛分娩の数は急速に増加しており、2023年度は年間約800件(経膣分娩の約9割)となりました。大学病院ならではの全身合併症を抱えた患者の難しい麻酔管理を経験することができます。
区域麻酔
末梢神経ブロックなどの区域麻酔に習熟したスタッフがおり、十分な指導体制が整っています。区域麻酔認定医制度(J-RACE)合格者も複数おります。当院では、肩の手術、膝の手術、下肢の切断・デブリードマンなど末梢神経ブロックを行う機会も多くあります。
集中治療
集中治療を学ぶ機会として、当院のICUでの短期・長期(年単位)の研修や、関連病院である横浜市立みなと赤十字病院のICUでの研修といった選択肢があります。
詳細は東京科学大学病院集中治療部をご覧ください。
最新の知識・知見に触れる機会
さらなる麻酔管理の向上の追求のために 当教室では毎朝のカンファレンス内での最新の論文の抄読会や、月に1回の科内勉強会を行い、知識のアップデートを行なっています。学外からの講師を呼んでの勉強会や、関連病院のスタッフが集まっての勉強会を行うこともあります。
臨床業務と並行して、レジデントのうちから臨床研究も行っており、日々の臨床だけでなく、アカデミックなことにも触れることができます。プログラム専攻中の大学院進学も薦めていますので、興味のある先生にはぜひ挑戦してもらいたいと思います。