患者さんへPatient Care

脳卒中救急について

脳卒中を疑ったら、ためらわず直ちに119番で救急車を呼びましょう!
出来るだけ、可能な限り、一刻も早く専門病院を受診することが大切です!

正確な診断と治療の開始が早ければ早いほど、良い治療結果が期待できます。
特に脳梗塞の場合には、発症してから数時間以内に治療を開始すれば、症状を早期に回復させ、後遺症を最小限にくいとめることができる可能性があります。

Q. どうやって疑うのですか?

A. 特に下記の5つの症状があると脳卒中の疑いがあります。

  1. 突然出現した顔や手足のしびれ、脱力感。
    特に脳卒中では右側の手足、あるいは左側の手足といったふうに片側だけに起こることが多いです。

  2. 突然出現した話の通じにくさ、混乱状態。
    舌がもつれてよく聞き取れない感じ、言いたいことが言えない、相手の言葉が理解できないなどの症状が出ることがあります。

  3. 突然出現した片目が黒く蓋をされたように全く見えない、見えにくくなる症状。
    頸動脈から枝分かれし眼球を栄養する血管が閉塞しかけた可能性があります。

  4. 突然出現しためまい、歩行障害
    小脳や脳幹を栄養していた血管の障害によるものです。脳梗塞が進行すると意識障害や麻痺なども呈することもあります。

  5. 突然出現した原因不明の激しい頭痛
    「ちょうど○○していたときに激しく頭が痛くなった」というように、頭痛を発症したときの状況を具体的な時間とエピソードで話せるような頭痛は、くも膜下出血が疑われます。この場合は麻痺や意識障害がなくても、自分で運転して病院に行ったりせずに救急車を呼んでください。

Q. 医療従事者でなくても脳卒中に気が付くことが出来るサインはありますか?

A.「ACT FAST」という概念を是非知ってください。

F: 顔(Face)の麻痺

ニーッと笑って下さい。片方の顔が下がっていませんか?口角が下がっていませんか?ゆがんでいるような感じがしませんか?

A: 腕(Arms)の麻痺

両手をそろえて「前ならえ」をしてみてください。難しければ「ばんざい」でも結構です。片方の手が下がってきませんか?

S:しゃべり(Speech)の麻痺

簡単な言葉でやりとりしてください。呂律が回っていますか?文章を正しく言えていますか?言っている内容が理解できますか?

T:時間(Time)

これらの症状がひとつでも当てはまれば脳卒中の可能性があり、あとは時間との勝負です。脳卒中では1分1秒と時間がたつほど脳細胞が死滅していくので、一刻も早く病院で診断と治療を開始しましょう。

脳卒中を起こしてしまったら後遺症を最小限に抑えるために、「可能な限り早く」「脳卒中を診断、治療できる病院へ」「ためらわずに救急車を呼んで」受診することが重要です。
当院では24時間体制で脳卒中の診断およびカテーテルを含めた治療を行っています。上記のような症状が出て、少しでも脳卒中が心配になった方は、いつでも当院へいらしてください。