血管内治療科についてAbout Us

診療科長からのメッセージ

東京医科歯科大学血管内治療科は2010年に脳神経外科から独立し、脳および脊髄の疾患に対するカテーテル治療を専門とする科として誕生いたしました。初代教授として、根本繁先生が就任し、これまで多くの最先端の診療、研究を行なってまいりました。近年の血管内治療の進歩は目覚ましいものがあり、病態の解明、技術の進歩、使用器材の開発によりこれまで治療困難であった病気も完治できるようになってきており、血管内治療に対する社会的需要は年々高まっています。我々東京医科歯科大学血管内治療科では、このような最先端の技術を取り入れ、脳および脊髄に関連する血管の病気でつらい思いをされる患者さん、ご家族を一人でも減らせるよう努力しています。

我々が力をいれて取り組んでいる脳卒中は、我が国の三大疾病の一つであり、高齢化社会の大きな問題点となっています。2019年には「脳卒中・循環器病対策基本法」も制定され、脳卒中の克服は社会全体で取り組むべき問題となっています。当院では、2016年に救命救急科、脳神経外科、脳神経内科、血管内治療科が協力して診療を行う脳卒中センターが設立され、救急搬送時の対応から開頭手術、血管内治療、内科的治療から再発予防のためのフォローまで安心して治療を受けていただけるようそれぞれの専門医師が全力で治療を行っています。

その他、当院では他院で治療が困難であった患者さんからのご相談も多く、珍しい病気の治療経験も豊富です。とくに巨大脳動脈瘤や硬膜動静脈瘻の治療に力を入れており、最良、最新の治療を提供し、すべての患者さんが安心して生活していただけることを目標としています。

最近は脳神経血管内治療医を志す若い医師が増えており、本学では脳神経外科、脳神経内科に入局された先生方だけでなく、他施設からの見学なども広く受け入れています。若い先生たちと一緒に学び、本邦における脳神経血管内治療の発展のために今後も努力していく所存です。

壽美田 一貴