口腔・顎顔面領域は、摂食・嚥下、発音、呼吸といったヒトの生命活動の根幹をなす機能に加え、コミュニケーションを図る上でも重要な役割を担っています。顎顔面発達異常症ユニットでは、口腔・顎顔面領域に表現型を呈する様々な先天性疾患患者由来の遺伝子解析を行い、変異遺伝子の同定やin vitro、in vivoでの機能解析を行うとともに、頭蓋顎顔面領域の骨格や歯に形態異常を呈する先天性疾患の病態解明や新規治療法開発に取り組みます。
そして、ブラジルサンパウロ大学や理化学研究所等の国内外の研究機関との共同研究基盤を構築しながら、口腔・顎顔面領域に生じる希少疾患の遺伝子情報を解析するとともに、ゲノム編集技術の応用によりヒト疾患遺伝情報を反映したモデル動物の作出を行い、臨床応用に向けたトランスレーショナルリサーチを推進します。
また、国際研究ネットワークを組織して橈骨異常を伴うcraniofacial microsomia (CFM)患者の医療情報・DNAサンプルの解析・統合を行い、その網羅的ゲノム解析を通じて疾患候補遺伝子の同定ならびにモデルマウスの解析による疾患発症シグナルの同定を行い、創薬シーズの創出を目指します。さらに、本疾患のバイオマーカーの確立ならびに新規診断・予防および治療戦略の基盤を創成し、医療の質向上に貢献していきたいと考えています。