頭頸部癌は、いまだ原因遺伝子や悪性化因子が同定されていない難病です。加えて、罹患数も少なく、2014年の本邦の統計では、口腔・咽頭・喉頭癌患者は約2万4000人と報告されていますが、一方で、本邦では高齢化も相まって頭頸部癌の罹患数および死亡率も年々増加しています。「がん」の増殖・浸潤・転移のメカニズムを解明する基礎的研究と、新規治療法開発などの臨床的側面から、頭頸部癌に対する新たな戦略を講じてまいりたいと考えております。
希少腫瘍ユニットでは、本学の豊富な症例を活用して、大規模な患者データベースを作成しつつ、がん細胞・腫瘍血管などを同時に標的とした多角的な新規治療法の開発を目指します。さらに、これらを免疫療法や放射線療法との併用など、多方面での新規治療法を検討します。また、臨床面では新たな低侵襲手術法などの開発にも取り組みます。