TMDU医・歯学部両附属病院は、それぞれ年間に累計約 50 万人もの患者さんが通院される大規模な病院です。東京医科歯科大学・疾患バイオリソースセンター(TMDU BRC)では、これら両附属病院の外来通院・入院患者を対象に、2013年11月より全学を挙げた協力体制のもと、電子カルテを通したバイオバンク事業に取り組んでいます。2019年 9月30日時点で、6,500 名の患者より包括同意を取得し、末梢血由来 DNA、唾液由来 DNA、血清、血漿、外科手術標本凍結試料、組織アレイ用 FFPE 等の高品質な生体試料を延べ 16,000 検体、収集と保管を行っております。
バイオ情報バンク基盤ユニットでは、未来医療コンソーシアムの各研究ユニットで取り組まれるAIホスピタル実現に向けた先端研究や統合的情報解析を推進するうえで必須となるバイオリソース支援の役割を果たします。
東京医科歯科大学・疾患バイオリソースセンター(TMDU BRC)では、生活習慣病や様々ながん種のみならず、本学の特色である自己免疫疾患や、さらに歯学部付属病院における歯周病、口腔心身症、口腔がんや歯科領域希少疾患など、医・歯両附属病院の分野横断型のバイオバンクが構築されています。同時に、診療科の専門性を生かしながら、高精度な臨床情報を備えた高品質の試料が収集されており、医療ビッグデータやAIなどのICT技術の利活用の基盤となるインフラを提供し未来医療に資する研究成果を支援します。また、我が国の3 大バイオバンク(6ナショナルセンター、バイオバンクジャパン、東北メディカルメガバンク)ならびに4大学バイオリソースセンター(東京医科歯科大、京都大、筑波大、岡山大)を中心にAMED研究開発事業により「バイオバンク横断検索システムの構築」を進め、2019年10月には初版検索システムが公開されており、「オールジャパンのプラットフォーム構築」にも貢献しています。
さらに、東京医科歯科大学生命倫理研究センター(TMDU BERC)では、バイオバンク試料・情報の利活用を進めるため、上記の横断検索システムに併せて「バイオバンク利活用ハンドブック」の作成を行うとともに、バイオバンク利用に関する倫理審査やMTAなどの契約関係の支援も行っています。