長寿健康社会実現ユニットでは、個人のゲノム情報と年齢、環境因子に基づいてトータルに健康を維持できる社会の実現を目指し、新しい医療の社会実装を試みます。具体的には、がんや糖尿病などのコモン・ディジーズ、高齢化によって表れてくるサルコペニア、口腔機能低下、認知機能低下といったコモン・コンディションを予防するためのより良い対処法を、学内外組織との共同研究を通して開発し、新しい医療を実現する取り組みを行います。
未来医療開発コンソーシアムでは、情報統合コアユニットとの連携を進め、例えば糖尿病リスク判定を、バイオ情報バンクとの連携で解析し、インフォマティクス実現ユニットの協力を仰いでリスク判定法を同定します。次にAIを用いて薬剤や栄養管理、運動療法といった介入を行います。そして、その集積成果から糖尿病予防の新しい予防法を提案します。このような取り組みをコモン・コンディションについてもテーマを絞り展開していく予定です。新しい遺伝子検査によるがんや糖尿病などのコモン・ディジーズのリスク判定と、口腔機能低下、認知機能低下に関する検査を長寿・健康人生推進センターで2020年度後半から開始する予定です。
長寿・健康人生推進センターなどを受診した健常高齢者において、口腔機能、摂食嚥下機能、認知・活動機能の維持や機能向上を促すことで、高齢者の栄養改善や社会参加が促進され、健康長寿社会の実現に資することができるかを検証していきたいと考えています。