キャリアアップ教員名称付与授与式
【代表者挨拶】隅田 由香 准教授(キャリアアップ)

隅田由香准教授イメージ

本学初の制度である「女性教員の新たな登用制度」の適用により、先ほど「准教授(キャリアアップ)」の名称付与を賜りました顎顔面補綴学分野の隅田でございます。
僭越ながら、12名を代表いたしましてご挨拶申し上げます。

田中学長先生、男女共同参画ご担当の今村副学長をはじめとする理事の先生方、選考委員の先生方、事務ご担当など多くの関係の皆さまのご尽力に心からの感謝を申し上げます。誠にありがとう存じます。
また、本事業の実現が叶ったのは、これまで歴代の女性の先生が実績を積まれ、その功績という礎があってのことと存じます。改めまして、諸先輩方に敬意を表します。

世界が掲げるSDGsの5番目であるgender equalityに、指定国立大学法人であります東京医科歯科大学が取り組むことは、内閣府をはじめとする社会的評価を挙げるだけでなく、社会全体のサスティナビリティにもつながる大変価値あるものと存じます。
子育てや介護といった経験を経たからこそから湧き出る多彩なる意見や工夫を持つ我々をおおいにご活用いただき、あらゆる情勢の変化にも対応しうる、うたれ強い組織に東京医科歯科大学が進化し、さらに高い評価を頂けますよう、我々をお役立てくださると幸いです。

今回の名称付与を励みに、准教授として研鑽を積み、自らの研究を更に躍進させたいと気持ちを新たにしております。世界的にも珍しい顎顔面補綴医である私だからこそ、多くの留学生を含む医局員とともに、これからの3年で3点の夢の実現に取り組みたく存じます。

1点目は、医学部頭頸部外科や、医学部放射線科、歯学部口腔外科とともに培ってきた「頭頸部がん患者へのトータルサポートケア」への臨床経験および共同研究を活かし、VRやMRを用いたテレメディスン遠隔医療システムを構築し、発展途上国を含めた顎顔面欠損患者を救済する世界ネットワークを現実のものとすること。
2点目は、35年間の臨床実績として、顎義歯外来が保有する7000症例のメディカルデータを活用し、困窮する本邦の顎顔面欠損患者を救う保険制度改定に取り組むこと。
3点目は、ジーシー社とともに日本顎顔面補綴学会で開発を行ってきたシリコーン材料を、本邦初の顔面エピテーゼ材料としての薬機法承認を得ること。

これらの夢と信念をもって実現させるために「しなやかさ」と「笑い」そして「気品」を忘れずに邁進させていただきます。

今回名称を付与されました12名が、今後続く現代の女性参画の善きロールモデルとなり、学内外の女性たちにとっては将来の自分、そして男性がたにとっては将来のパートナーの姿の一例を描けるよう、務めさせていただきますことを誓いましてご挨拶にさせていただきます。
なにとぞご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

2021年4月22日
東京医科歯科大学 顎顔面補綴学分野
隅田由香
(称号受領者 代表)