キャリアアップ教員名称付与授与式
【選考報告】今村 聡子 副学長

今村聡子副学長イメージ

1.選考過程

公募期間は12/21~1/12で、最大登用者数22名に対し51名の申請がありました。
まず、所属部局において一次選考(1/13~1/27)を実施し42名が推薦され、2次選考では男女共同参画事業にかかる専門委員8名により、厳格な書面審査(1/28~2/5)を行って候補者を21名に絞り、そのうち12名を最終候補者として人事委員会に提出しました。
3/5開催の人事委員会にて最終審査を行い、12名をキャリアアップ教員に決定しました。

2.制度創設の主旨

女性教員上位職登用制度は、田中学長の男女共同参画、ダイバーシティを推し進める強いリーダーシップの下に創設したものです。
本学における男女共同参画での最大の課題は、女性研究者の上位職比率が停滞していることです。
これについて、例えば女性教員に上位職の名称を形式的に付与して上位職比率を向上したように見せかけるといった対策も可能です。しかし、本学の女性教員上位職登用制度は、こうした見せかけの対策ではありません。
本学において女性教員の登用が進まないのは、ライフイベント等により研究時間の確保が難しく研究業績を積み上げるにはハンディキャップがあるという仮説と、女性教員はライフイベント等により多様な制約があって融通がききにくいなどの理由により、上位職登用にためらわれているという仮説に基づき、こうした状況を打破するために今回の制度を設計しました。
すなわち、「しっかりと女性教員を指導して、教授になるにふさわしい実力をつけさせます」という決意表明をしていただいた分野の女性教員に上位職の名称付与を行い、大学から当該女性教員に対して、名称付与期間中の手当支給と研究支援員の配置というリソース配分をしっかり行い、名実ともに実力ある女性教員を育て、その実績・実力に応じたポストを用意するというものです。

3.今後

本制度は、3ヵ年度で最大22名の登用を予定しています。今回12名を選出しましたので、次年度以降で合計10人の選出を予定しています。
キャリアアップ教員は、支援を受ける3年間、及びその後の猶予期間2年間の間に論文執筆等の実績をあげていただき、業績審査・選考を経て本学の上位職ポスト等に就任する途が開かれています。

今後、キャリアアップ教員への上述のキャリアアップ支援に加え、所属分野長に対して、より効果的に当該者を育成いただくためのセミナー等を行っていく予定です。
また、キャリアアップ教員と所属分野長には、本学のダイバーシティ施策をより一層推進するため、また、女子学生や若手女性教員のロールモデルとして、インタビュー・対談記事へのご参加などを通じた広報活動や、シンポジウムにおけるご講演などへのご協力をお願いします。

2021年4月22日
国立大学法人東京医科歯科大学
副学長(男女共同参画担当)
今村聡子