炎症性腸疾患センター(IBD外来)
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生活面で注意すること

食生活について

クローン病では栄養療法が治療として使用されている通り、食餌の炎症に対する影響はあると考えられます。活動期には絶食、成分栄養療法を必要とした食事制限が必要な場合もありますが、最近ではレミケードを中心とした薬物療法の進歩が著しいので、食事制限については最低限必要な場合のみとなってきています。寛解期でも低脂肪、低残差で消化の良いものを接食することが望ましいですが、寛解期に極度の制限をするとストレスにもつながりますので、ある程度自由に食べても良いと考えます。もし栄養療法を継続できるのであれば、寛解期に栄養療法を行うことにより維持効果が高くなるデータもありますので、無理のない範囲で栄養療法を続けてもいいでしょう。成分栄養剤はタンパク源がアミノ酸のため臭いが強くそのまま服用することが難しいため、これまでは経管(鼻から管を通してチューブを胃まで挿入し)にて注入することが多いのが問題でした。しかし最近品質の改良やフレーバーやゼリーなどにする工夫により経口的に摂取することもできるようになりました。1日1200kcalまでの摂取であれば経口的に摂取することが可能であると考えられます。

潰瘍性大腸炎では食事療法の意義は少ないと考えられています。患者さんによっては寛解期にあっても自主的に食事制限を行い、乳製品を回避する傾向が見られていますが、その再燃予防効果は定かでありません。逆に寛解期では粘膜治癒に伴い排便が固くなったり便秘になる患者さんもおり、むしろ乳製品や繊維質のものを勧める場合もあります。

ただし刺激物やファーストフード、飲酒を多量・頻回に摂取することは一般的にも健康に良くないため注意が必要です。いくら食事制限がないとして「常識の範囲内」にするようにしましょう。

喫煙について

クローン病では喫煙が病気の発病、病気の進展、再発に関係していることが知られています。禁煙は薬物療法以上の治療でもありますので、禁煙するようにしましょう。禁煙が難しいようであればニコチンガム、ニコチンパッチなどによるプログラム禁煙法もありますので、一度主治医と相談してみるといいでしょう。

風邪をひいたとき

多くの風邪はウイルスによるので基本的には抗生剤の必要はありませんが、対症的に咳を落ち着かせたり、鼻の分泌を抑えたりする薬剤はあまり腸には影響はないと考えられますので、使用して良いと考えます。ただ高熱の場合、リンパ腺や扁桃腺が腫れている場合は二次的に細菌感染を起こしていることもあるので抗生剤が有効である場合もあります。また市販の風邪薬は病院で処方される薬剤より成分は弱いことが多いのですが、腸炎を悪化させる事も見受けられます。できれば医師の処方された薬剤を服用された方が良いと思います 。

    潰瘍性大腸炎・クローン病センター   東京医科歯科大学 難病治療センター  

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